澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「日本以外全部沈没」を見る

2009年02月10日 18時59分47秒 | 音楽・映画

映画「日本以外全部沈没」(2006年)をケーブルTVで見る。

日本以外全部沈没 [DVD]

角川エンタテインメント

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「アメリカの9・11同時多発テロ事件から十年目の2011年、原因不明の大規模な天変地異によってアメリカ大陸が一週間で海に沈んだ。世界各国が合衆国からの難民を受け入れたものの、犠牲者の数は天文学的数字に上った。ペピトーン合衆国大統領は政府首脳と共にエアフォースワンで脱出、日本の沖縄米軍基地にやってきた。また、ハリウッドのトップスター、ジェリー・クルージングと妻のエリザベス・クリフトも自家用ジェットで日本への移住を果たした。一週間後、中国大陸が沈没を始め、その一週間後にはユーラシア大陸すべてが沈没、その2日後にアフリカ大陸、さらに翌日にはオーストラリア大陸が沈没、結局数週間で地球から日本以外のすべての陸地が沈没してしまった。やがて、小さな日本列島に世界中から、命からがら脱出に成功した難民たちが押し寄せた。食料は不足し、物価は高騰、失業率も急上昇し、満員電車では外国人たちが「降りる人が先」というルールを守らずに毎日大混乱となった。外国で裕福な暮らしをしていた者や高いポストに就いていた者たちも日本では仕事が無く、瞬く間に落ちぶれ、極貧生活を強いられるようになっていった。そして、日本中で外国人犯罪が驚異的に多発した。 当初、海外からの大物芸能人は重宝され数多くの外国人スター主演のテレビ番組が企画され、放映されたが、多くの外国人難民はテレビを持っていなかったため視聴率は低迷、外国人スターたちも失業者となり、そのほとんどがホームレスとなっていった。その一方、日本の視聴者は外国人の出ていない番組を求め、怪獣やヒーローが外国人エキストラを踏み潰す空想特撮番組「電エース」が人気を博し、かつてのハリウッド・スターたちがエキストラとして出演した。また、捕鯨禁止を訴える国がなくなったのでクジラが自由に食べられるようになり、人気だった英会話学校はすべて倒産、外国人向けの日本語学校が繁盛した。 新聞記者“おれ”の妻キャサリンはアメリカ人だった。彼女はテキサスに住む母親の安否を心配していたが、母親からの連絡はなかった。“おれ”が無神経な言動で外国人蔑視を強めるのと比例して、キャサリンの彼への愛情は冷めていった。やがてキャサリンは“おれ”と別れ、落ちぶれた彼女のかつてのヒーロー、ジェリーと出会うことになる。“おれ”の友人で、大日テレビのプロデューサー、古賀は日本人の妻の明子と二人で暮していた。やがて、明子が妊娠していることがわかり、古賀は幸せの絶頂にいた。すべての日本人が特権的な立場に胡坐をかき、外国人たちの気持ちを無視して増長していった。 日本以外が全部沈没してから3年が経った。地球物理学の権威、田所博士は「ここ三年の地球的地殻変動のあらましと、今後の予測について」と題した記者会見を開き、地球温暖化によって北極と南極の氷が溶け出して世界中を沈没させ、太平洋の下のマントルが沸騰して日本列島を押し上げ、中国大陸に乗り上げたと説明した。だが、田所は今後の予測を計算中に何かとんでもないことに気づき、突然狂ったように笑い出すと、歌い踊りながら会場を出て行ってしまうのだった。一方、激増する外国人犯罪に業を煮やした政府は超法規的措置としてGAT<外人アタック・チーム>を組織し、不良外国人を次々に検挙し、国外追放していった。多くの外国人たちは日本人の下で、日本人の顔色を見ながら下級市民としての暮らしを強いられていた。元各国首脳たちも競って安泉首相の機嫌を取り、理不尽な言動にも言いなりとなっていた。 都内某所、クラブ・ミルトには、安泉首相をはじめ、元合衆国大統領やロシアの元大統領、中国の元国家主席、韓国の元大統領といったそうそうたる面々が顔を揃えていた。そこへ、元北朝鮮の独裁者が率いる武装したゲリラが襲撃し、安泉首相や元国家元首たちを人質に取って日本占領を企てる。ゲリラは同時に国会議事堂を襲撃し、石山防衛庁長官を拘束するが、石山は胴に巻きつけた特殊爆弾・スパイナーZで自爆し、国会議事堂ごと吹き飛んでしまう。やがて、緊迫のクラブ・ミルトに田所博士がやってくる。そして田所博士は日本列島のごく近い未来に関する衝撃的な予測を話しはじめる。」


未曾有の金融危機にある現在、我が国の首相は「欧米に比べれば、日本は危機なんかじゃない。つぶれた銀行がありますか!?」などとわめいている。現実政治の呆れた”痴態”を見るにつけ、この映画がもつ毒が、じわじわと効いてくるようだ。

「イエロー・モンキーの国(=日本)に行くなんて、イヤよ!」というハリウッド女優、日本の首相に「歴史認識問題は、中国が消えてもうなくなりましたアルよ!」とゴマをする中国首相、「米軍基地を使って、日本を占領しておけばよかった」と”本音”を漏らす米国政府首脳、はたまた首相官邸を襲う北朝鮮軍スパイなど、はちゃめちゃの筒井康隆ワールドが展開される。

決して荒唐無稽とは思えず、むしろ国際政治の”本音”を知らされる思いだった。


ミュージカル「南十字星」

2009年02月10日 01時00分03秒 | Weblog
劇団四季「ミュージカル 南十字星」がDVDでリリースされた。

劇団四季 ミュージカル 南十字星 [DVD]

NHKエンタープライズ

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これまで「キャッツ」などのミュージカルには全く興味がなかった。だが、この南十字星には、思わず引き込まれてしまった。
先の大戦に出征した経験のある人は、すでに85歳にもなっている。その子供の世代までは、戦争体験がどうにか引き継がれてきたのだが、いよいよそれも怪しげなものとなってきた。戦争体験の風化だ。

浅利慶太脚本によるこのミュージカルは、「大東亜共栄圏」の思想、実は連合国の報復に過ぎなかった東京裁判、インドネシア民衆の反応など、歴史理解の必須項目が公平にちりばめられていて、実にわかりやすい。

田母神・元航空幕僚長の「日本は侵略国家などではない」という言葉は、このミュージカルを見ただけで納得できる。人種戦争、資源戦争の側面をもったあの時代を、そもそも「平和憲法」の眼で裁こうなどというのが誤りなのだ。それは、戦後民主主義という虚妄の中で去勢された小市民が、古武士の姿をまぶしく見つめるに等しいことなのだから…。

決して右翼などではない私だが、この「南十字星」を見て、「歴史認識」の必要性を改めて感じた。それは「村山談話」のようなきれい事ではなく、今なお続く人種、民族、国家の対立抗争の生々しい歴史である。


陳綺貞(チアー・チェン)の「太陽」

2009年02月10日 00時34分21秒 | 音楽・映画
陳綺貞のニューアルバム「太陽」(2009年1月リリース)が、日本でも購入できることが分かった。さすが「アマゾン」、さっそく予約した。

太陽

TEAM EAR MUSIC

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陳綺麗は、今年34歳、学生(国立政治大学哲学系)時代のストリート・ミュージシャン活動を加えると、十数年のベテランということになる。
シンガー・ソングラーターとして、さりげない日常をうたうところが、彼女の持ち味だ。
youtubeで彼女を聴いた人は、「何か日本の誰かに似てるよね」「ちょっと古いフォークという感じだね」といった印象を持つかも知れない。

だが、ちょっと台湾社会の状況を振り返ってみたい。
彼女が音楽活動を始めた時期は、ちょうど台湾政治の民主化の時期と重なる。周知のように、李登輝総統が登場するまでの台湾は、国民党の独裁政治が続き、外省人によって支配されてきた。
学校教育では、「光復大陸」のスローガンのもと、「中華文明礼賛」の教育が続けられた。国民党政権にとっては、台湾はあくまで「仮の住まい」であるため、台湾の歴史や文化が顧みられることはなかった。
李登輝総統の登場により、台湾人は初めて自己のアイデンティティに触れることが許されたのだ。

陳綺貞のルーツが、外省人であるのか本省人(もともとの台湾生まれ)なのかは知らない。歐陽菲菲と麗君(テレサ・テン)は、外省人であり、翁倩玉(ジュディ・オング)もその経歴からして外省人だろう。

ともあれ、李登輝氏の登場以来、大衆芸術の分野でも、あらゆる試みが可能になった。陳綺貞の歌は、豊かで洗練された都市生活の中で個人の恋愛を歌うのだが、こんな歌が許されるようになったのは、ごく最近なのだという事実を忘れるべきではないと思う。
私は彼女を「台湾のユーミン(初期の)」のようだと思っている。ユーミン(荒井由実)の歌は、当時流行っていた「社会的」「反戦的」な歌詞に背を向け、あくまで私的な恋愛を歌い続けた。陳綺貞の歌を聴くと、不幸な歴史を背負わされた台湾でもようやくこういう時代がやって来たのだという思いがする。

http://jp.youtube.com/watch?v=LIxeYGCsPc4&feature=related
(陳綺貞「旅行的意義」)

你看過了許多美景
你看過了許多美女
你迷失在地圖上 每一道短暫的光陰
你品嚐了夜的巴黎
你踏過下雪的北京
你熟記書本裡 每一句你最愛的真理

卻說不出你愛我的原因
卻說不出你欣賞我哪一種表情
卻說不出在什麼場合我曾讓你動心
說不出離開的原因

你累計了許多飛行
你用心挑選紀念品
你搜集了地圖上 每一次的風和日麗
你擁抱熱情的島嶼
你埋葬記憶的土耳其
你流連電影裡美麗的不真實的場景

卻說不出你愛我的原因
卻說不出你欣賞我哪一種表情
卻說不出什麼場合我曾讓分心
說不出旅行的意義

勉強說出你為我寄出的每封信
都是你離開的原因 你離開我
就是旅行的意義


ポップス・ファンの若者は、もしかすると彼女の歌を「古くさい」「単純すぎる」などと感じるかも知れない。それはそれでいいのだが、、むしろ彼女の音楽は、60-70年代のポップスに親しんだオッサンに向いているかも知れない。
根っから西洋音楽崇拝が染みこんでいるオッサン達にこそ、ぜひ聴かせたい。これを聴くと、心が洗われて、「純粋」?だった”あの頃”を思い出すかもね…。(