澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

鳩山首相の所信表明演説~したたかな中・韓と”共同”などできるのか

2009年10月26日 15時07分29秒 | 政治
鳩山首相の所信表明演説を聞いた。TVを見ていて呆れるのは、酒井法子の裁判の方が大きなニュースになっていること。いくら視聴率を取れると言っても、もう少し鳩山首相の演説内容に耳を傾けるべきではないか。



鳩山首相は、「東アジア共同体」の具体的な方策として、中国、韓国の大学と日本の大学間で単位互換制度を設けることを提唱した。結構な提案に思えるが、中台間の学術交流においては、すでに次のようなトラブルが生じていることをご存じなのだろうか。
台湾の大学は、国立大学が主流だが、そのすべての大学の名称には「国立」という言葉が付けられている。日本の東大に匹敵するのは、国立台湾大学(旧・台北帝国大学)、それに続くのが国立政治大学、国立成功大学、国立中山大学だ。これらの台湾の大学が大陸の大学と学術交流をする段階になって、中国側は「国立」の文字を外すように要求してきた。台湾の「国立」とは、中華民國を意味するのであるから、これは認められないという主張だ。台湾側は、やむを得ずこの主張を飲んだようだが、大学間の交流でさえ、中国相手ではこういうトラブルが生じるのだ。

鳩山首相が語る「東アジア共同体」には、いつも台湾が抜け落ちている。先日、李登輝氏が講演で述べたように、東アジア共同体などより先に重要視すべきは台湾との連携なのだが、首相は決してそのことには触れない。

首相が「台湾を中国に売り渡す」ことを考えているとは思いたくないが、「友愛外交」などという甘いサインを送っているうちに、したたかな隣人は”勘違い”をする可能性もある。首相の高邁な理想をヤクザな隣人は”弱腰”と見て、とんでもない行動に出るかも知れない。
格調高い演説の陰に不安な近未来を見た思いだ。