中国政府・中国共産党幹部のみに配信される「参考消息」という新聞に掲載された記事をテレビ朝日が誤って報道していたことが分かった。「参考消息」は、中国建国以来ずっと特別の地位を占めてきたメディアだ。文化大革命の時代には、香港に流出した「参考消息」が、中国共産党内の権力闘争の動向を占う鍵ともなったのだ。
その「参考消息」が、「日本のメディアが毒餃子事件を捏造している」と報じたという。それを伝えたのが、テレビ朝日のニュース。私もそのニュースは見たので、中国もそこまでひどくなったのかと驚いた。政策決定にかかわる人たちが読む「参考消息」までがそのように報じたのであれば、彼らの「中華思想」は救いがたいなあと思ったのだ。
だが、その記事は全く誤訳だったのだ。「日本のメディアが大騒ぎしている」と訳すべきところを「ねつ造」と訳したのだ。故意か、能力不足かは知らないが、テレビ朝日のいい加減さをさらけ出した形だ。古舘の「報道ステーション」でも「中国びいき」は一貫しているので、故意の疑いは強い。もちろんねつ造したのは、「産経新聞」とでも言いたかったのだろうけど…。
李春風氏の涙は、このニュースを見たためだったりして…。
《テレビ朝日の大誤報》
“殺人ギョーザ”事件に関連して、テレビ朝日が1日のニュース番組で中国の現地紙の 記事を誤訳し、「一部の中国のメディアが、毒ギョーザ事件は日本のメディアの捏造だと 報道している」と誤って報じていたことが明らかになった。ニュースを見た自民党議員が 「けしからん!」と激怒し、中国側に抗議するよう外務省に要請。同省で確認したところ、 誤報と判明した。
テレビ朝日は1日のニュース番組で、ギョーザ事件に関する中国メディアの反応を紹介。
共産党幹部向けの新聞「参考消息」の1日付紙面を引用し、「日本のメディアが毒餃子事件を捏造。 輸出検査は合格と中国は表明している」と報じた。
さらに人民日報の姉妹紙「環球時報」を取り上げ、「日本のメディアが中国製ギョーザを包囲、攻撃している」との見出しを紹介。「『中国の輸出食品の99%以上が安全で、日本の保存過程に技術的問題があったか、誰かが故意に行った可能性が排除できない』などとしている」と伝えた。
こうした現地紙の“報道”を根拠に、女性アナウンサーはニュースのなかで、「一部の新聞は 『日本のメディアが毒ギョーザ事件を捏造している』などと伝えています」と紹介していた。
ニュース番組では現地紙の映像を映していたが、このうち「参考消息」の見出しは「日媒体炒作 “毒餃子”事件」となっており、日本語訳は「日本のメディアが“毒餃子”事件を騒ぎ立てている」が正しく、「捏造」や同意語の「虚構」といった表現は見当たらなかった。
このニュースは、2日に自民党本部で開催された「輸入食品の安全性に関する緊急対策本部」の会合で取り上げられた。番組を見た議員が中国の“捏造”報道に激怒し、外務省に「けしからん話。
中国に抗議すべきではないか」と申し入れる騒ぎになった。外務省も一度は大慌てしたが、省内の中国課で現地の新聞とテレビ朝日のニュース内容を 確認した結果、現地紙の誤訳による誤報であったことが確認された。5日の緊急対策本部の第2回会合の席で、外務省の担当者は「報道のような事実はなかった。テレビの翻訳の誤り」と説明したという。
“殺人ギョーザ”事件報道をめぐっては、日本の警察当局は、中国の工場で混入したとの見方を強めているのに対し、中国側は暗に日本国内で混入した可能性も示唆している。 インターネット上でも事件の責任の所在をめぐって、日中間で激しい応酬が繰り広げられている。
こうした状況下、今回のテレビ朝日の誤報に、自民党議員らは「ありもしない“捏造報道”を報じたため、かえって日本のメディアを攻撃する材料を与えてしまった。ただでさえ日中間にしこりを残しかねない問題なのに、さらに感情的なこじれを助長する可能性がある」と話している。
テレビ朝日広報部は6日午前、誤報問題について「担当者がいないので、いまのところコメントできない」としている。(一部略)