澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

間近に迫った東京大地震

2011年03月13日 21時02分07秒 | 社会

 マスメディアでは、津波被害と原発事故ばかり報道されている。

 「首都圏直下」「東京大地震」といった単語は、おそらく「タブー」扱いされているようだ。注意深く報道を見ていると分かるはずだが、これから起きる「余震」でさえ、気象庁が拡大設定した500kmの震源域で起きるはずだと想定していて、それを超える発言は許されていない。
 さきほど、東京大学地震研究所・加藤照之教授が、「余震は500kmという震源域の中だけに限られるわけではない」と注目すべき発言をした。
 これはどういう意味か? そう、房総半島あるいは東京湾直下地震が起こっても不思議ではないということだ。地震学者は、こういう状況になって、言葉を選びに選んでいる。失言は命取りになるから、「社会不安」を与えないように釘をさされているのだ。

 こう考えると、辿り着く結論はひとつ。今日明日にも、房総半島あるいは東京湾直下地震が起こるかも知れないということだ。
 さきほども、千葉県沖を震源とする地震が続いた。

<東日本大震災>3日以内にM7余震、確率70%…気象庁

毎日新聞 3月13日(日)20時13分配信

<東日本大震災>3日以内にM7余震、確率70%…気象庁
南三陸町では津波で住宅などが流され、壊滅的被害を受けた=宮城県南三陸町で2011年3月13日午後1時、本社ヘリから佐々木順一撮影
 気象庁は13日、岩手県、宮城県、福島県など北海道から九州の太平洋沿岸15区域に出していた津波注意報をすべて解除した。東日本大震災の規模は、地震波のデータを詳しく解析し再計算した結果、マグニチュード(M)9.0になった。

【衛星写真で見る津波のつめ跡】東日本大震災、グーグルが地震後の画像公開

 気象庁によると、海外約40地点の地震観測データを詳しく解析した結果、東日本大震災は三つの大規模な地震が断続的に起こる形で発生していたことが分かった。1度目は、これまで分かっていた11日午後2時46分発生の三陸沖を震源とするM8.8の地震。この地震が発生してから約150秒後に最初の震源より南の福島県沖を震源とする地震があり、続けてさらに南の茨城県沖を震源とする地震があった。この間は約6分で、三つの地震の震源域は南北500キロ、東西200キロ程度に達すると考えられる。

 新たに判明した2回の地震の規模は合わせてM8.8で、3回の地震の合計はM9.0になるという。気象庁地震予知情報課は「断層の長さの割に、断層の破壊が続いた時間が長く、揺れの長さに影響した」と説明している。

 また、気象庁はM7以上の余震が発生する確率について、13日午前10時から3日以内が70%、その後3日間以内は50%と発表した。余震確率70%は国内の地震で過去最高で、震度6強~4程度の揺れに襲われる可能性がある。横田崇・地震予知情報課長は「余震の数と規模は、過去の地震と比べけた違いに大きい。震度6弱~6強程度の余震が今後も2週間程度は続く恐れがある。M7を超える地震が発生すると、再び大津波警報を発表するようなケースがあるかもしれず注意が必要」と呼びかけた。【飯田和樹、福永方人】



迫り来る東京大地震

2011年03月13日 13時27分41秒 | 社会

 東北地震の報道が「津波映像」「原発被害」「被災者の映像」に集中するなかで、政府の情報統制とも思われる行動が目立つ。
 原発報道に関しては、出来るだけ災害規模を軽微に発表しようとする傾向が顕著。確かに「社会不安」を煽るなという主張には一理あるが、情報を小出しにする結果、次の発表がさらに悪くなっていくという繰り返し。これでは逆効果だろう。

 原発報道と時間を調整するかのように、気象庁が地震規模の訂正と、今後の余震確率を発表した。震源域が3つあり、そのひとつが茨城沖であると発表されたが、今後の余震が三陸海岸から茨城沖だけなのかという疑問には全く応えていない。
 昨日、東京湾を震源とする小さな地震があった。この地震が何故起きたのか疑問に思うような声は、TVの中では全く見られない
 
 もうひとつ気になるのは、仙台市内で市街地が延焼し、小学生が600人も学校に取り残されたという報道が、地震初期にはかなり流された。しかし、児童の無事が確認されると、市街地の火災映像は全く報道されなくなった。実は、迫り来る東京大地震では、津波の被害よりも、市街地の火災類焼が重大な問題となる。多数箇所で発生した火災が全く消火できず、東京23区は火の海と化す…これが東京大地震の地獄図なのだ。
 
 マスメディアは、東京大地震の可能性に”向き合い”、しっかりと報道してこそ、特権にアグラをかいた日常の奢りを償うことができるのではないか。しかし、今の腐ったマスメディアにそれを期待するのは無理というものだが…。
 
 首都圏(一都六県)の方々は、マスメディアの興味本位で無責任な報道を鵜呑みにせず、防災用品を整備したりして、迫り来る東京大地震の「Xデー」に備えるべきだ。

 

 

 


李登輝氏からお見舞い

2011年03月12日 16時43分03秒 | 台湾

 「東北・太平洋沖地震」の被害に対する李登輝氏のお見舞いが「台湾の声」に掲載されたので、転載します。

 

【李登輝元総統】切り裂かれるような心の痛み

日本の皆様へ

日本観測史上最大の「東北・太平洋沖地震」の発生をテレビで知りました。

津波で押し流された家や車、そして、火災、家に戻れない方々。亡くなった方もおられます。次々報道される災害状況を見て、1999年9月21、台湾で起きた大地震を思い出すと同時に、現在日本の皆様の不安や焦り、悲しみなどを思い、私は刃物で切り裂かれるような心の痛みを感じております。

人間には力の及ばない大自然の猛威を前に、畏敬の念を抱いても、決して「運命だ!」とあきらめないでください!元気を出してください!自信と勇気を奮い起こしてください!

今は、一刻も早く地震の余波が収まることと復旧を、遠い台湾の空の下でお祈りしております。

台湾元総統 李登輝

2011年3月11日午後8時


日本の大地震に拍手する中国人がいる

2011年03月12日 08時39分39秒 | 中国

 さきほど、中国語が堪能な知人から、中国のネットで日本の大地震を”拍手で歓迎”するという書き込みが横行していると聞いた。
 四川大地震では、日本のレスキュー隊が活躍したのに、恩を仇で返すかのような中国人の仕打ちには驚き呆れる。
 
 その書き込みとは例えばこんなもの※。「鼓掌」とは「拍手をする」の意味。「日本の大地震発生をみんなで拍手しよう」という意味だ。

※ http://www.xinpg.com/article-222014.html

北京时间13时46分日本本州岛东海岸附近发生8.9级地震。大家热烈鼓掌!!!!!!!
(北京時間13時46分日本の本州東海岸付近でM8.9クラスの地震が発生。皆さん、熱烈に拍手を送ろう!!)

 中国政府の反応も実に冷ややか。「日本人は困難に打ち勝つことが出来ると信じている」というとぼけたコメントを出した。

  中国全国政協会議の趙啓正報道官は日本の東北地方でマグニチュード8.8の巨大地震が発生したことに対し、地震被害者に慰問の意を示し、「地震による被害から一刻もはやく立ち直り、日常生活を取り戻せるよう願っている」と述べた。新華社通信が報じた。

 趙啓正報道官は、「1995年の阪神大震災で見せた日本人の力と勇気は深く印象に残っている。日本人が困難に打ち勝つことができると信じている」と述べた。

 対照的に、台湾政府は、直ちに次のようなコメントを出し、義援金の拠出を決定した。こういう緊急時に、どの隣国が本当の友邦なのか、実によく分かる。心すべきだろう

台湾が30万ドルの義援金<noscript></noscript>

 【台北時事】台湾外交部(外務省)は11日、日本で大地震が発生したのを受け、日本政府に30万ドル(約2500万円)の義援金を送ると表明した。また、日本から援助の要請があれば、救援隊を派遣する用意があるとしている。(2011/03/11-22:10)





首都圏大地震の予感

2011年03月11日 22時11分32秒 | 社会

 今日おきた東北大地震について、友人からメールがあった。 
 首都圏に住むその友人は、歩きながらラジオで国会中継を聞いていたそうだ。そのとき、地震警報が鳴って、宮城県沖を震源とする地震であることを知った。約30秒後に電線が揺れ出し、駐車場に止まっている車の防犯ランプが作動するというほどの揺れだったという。

 TV各局の報道を見ていると、東京にいるニュースキャスターがヘルメットを被っていたりして、いかにも緊急体制を執っているかのようだ。だが、地震のすごさを強調する映像ばかりで、肝心な今後の余震情報が分からない。

 当面は救援報道が必要だろうが、ぜひ、地震発生のメカニズムを説明してもらって、近いうちに首都圏を襲う地震があるのかどうか知りたいところだ。

 今日の国会で菅首相は、在日韓国人からの政治献金問題を追及されていたが、この大地震でその追及は尻切れトンボで終わった。もしかすると菅首相は、これを「強運」とでも思っているのかも知れない。
 儒家の思想によれば、天変地異は不徳の君子への警告であるという。


 


宇宿允人の「運命」

2011年03月10日 13時08分00秒 | 音楽・映画

 指揮者・宇宿允人の訃報が報じられた。
 
 何年も前、職場の知人からこの人のコンサートを何度も勧められたことがあり、記憶に残っていた。「ガイア・シンフォニー」という映画も薦められ、この人のファンはなにやら宗教がかっているという印象を受けた。

 かの知人は、宇宿允人の「運命」(ベートーベン交響曲第五番)が素晴らしいと何度も言った。そこで、YouTube映像で確かめてみた。
 「運命」聴き比べなどというのは、オタク族の専売のようで気が進まないが、私が一番好きなアルトゥーロ・トスカニーニ演奏と比較してみた。下掲の映像なので、興味のある方は比較してみてください。
 私の個人的意見を言えば、トスカニーニの演奏はすごいの一語。宇宿允人もトスカニーニと比べられては、不満かも知れない。 


訃報:宇宿允人さん76歳=指揮者

 宇宿允人さん76歳(うすき・まさと=指揮者)5日、腎臓がんのため死去。密葬は親族で済ませた。喪主は長女由賀里(ゆかり)さん。

 大阪フィルハーモニー交響楽団専任指揮者などを経てフロイデ・フィルハーモニーを結成、「宇宿允人の世界」と題した定期公演を29年にわたり計186回開催した。

毎日新聞 2011年3月8日 
 

宇宿允人 Beethoven:Symphony No. 5 in C minor, Op. 67

Beethoven Symphony No. 5, 1st mvt--Arturo Toscanini/NBC Symp


春の日の花と輝く 

2011年03月10日 08時56分35秒 | 音楽・映画

 先日「ブックオフ」で見つけた、ロジェ・ワグナー合唱団のCDをかけていたら、思いもかけない曲が飛び出した。
 それは「春の日の花と輝く」という曲。英語のタイトルは、"Believe me, if all those endearing young charms"というらしい。
 この曲、太古の高校生時代、クラス対抗の合唱祭で課題曲とされた曲だった。だから、今でもその歌詞を覚えている。 ついでに、「蒙古放浪歌」というのも思い出した。
 
 今や「春の日の花と輝く」どころか、「帰り来ぬ青春」(Yesterday when I was young)という私たち。懐かしい歌が、ほろ苦く聞こえてくる。

春の日の花と輝く (Believe Me If All Those Endearing Young Charms)

蒙古放浪歌 


台北二二八紀念館が再オープン

2011年03月10日 06時15分03秒 | 台湾

 「 台北二二八紀念館」は、総統府(旧台湾総督府)の向かい側にある平和記念公園の中にある。日本統治時代は、台北放送局(ラジオ局)の庁舎だった。ここは、日本人にとって、タイムマシーンに乗って時間を遡ったかのような場所。この建物に近づくと、公園にいるご老人が「貴方は日本人?」と日本語で話しかけてくる。台湾の日本語世代は、もはや八〇歳代。あと二〇年早くこの場所に行っていたら、もっと多くの話を聴けたのかと思うと残念でならない。
 台湾の日本語世代にとっては、「台北二二八紀念館」そのものが台湾の民主化、自由の象徴だ。一九四七年、二万人以上の台湾人知識層が中国国民党軍によって連行され、暗殺、虐殺された。「二二八事件」だ。大陸からやってきた国民党・国民党軍にとっては、自分たちよりも豊かで文化程度が高い台湾人が目の敵に映った。日本が敗北し、権力が空白状態になった台湾を自分たちが支配するためには、優秀な台湾人知識層は邪魔者だったのだ。
 およそ40年間、国民党政府は戒厳令を続け、言論・集会の自由を弾圧し続けた。台湾人がこの二二八事件を公に語ることができるようになったのは、李登輝氏の時代になってからだ。

 (台北二二八紀念館)
 
 このような歴史的経緯があるため、台北二二八紀念館に集まる台湾人のご老人は、日本人に少しでも二二八事件の歴史を知ってもらいたいと思い、話しかけてくるのだ。そこには、日本統治時代に対する恨みのようなものは、全く感じられない。日本統治時代はむしろ、郷愁に似た思いとなっているかのようだ。

 だが、中国国民党の馬英九政権にとって、この紀念館は「目の上のたんこぶ」。展示の入れ替えという名目で、しばらくの間休館し、最近再オープンさせた。その結果は? やはり、予期していたように、国民党の残虐行為を希薄化させるような展示に変わったということだ。
 
 この紀念館は、台湾政治の動向を占うリトマス試験紙のようなもの。民主進歩党(民進党)が政権を握れば、より鮮明に反国民党色が強まる。国民党政権になれば、逆にシフトする。
 
 台湾旅行というと、「故宮博物院」が定番。しかし、これは蒋介石が大陸から持ち込んだ文物の保管場所に過ぎない。台湾が最もよく分かるのは、台北二二八紀念館や台湾博物館(旧・総督府博物館)がある平和公園に行き、総統府(旧・台湾総督府)を参観することだ。どちらも、日本語が堪能なボランティア解説員が親切に案内してくれる。ぜひ、お薦めしたいコースだ。 


台北 重い歴史美化を嘆く

2011年3月9日(東京新聞)

 六十四年前、政府の腐敗に抗議運動を起こした民衆を武力弾圧した二・二八事件の台北市記念館が新装オープン、早速見に行った。以前の展示と比べると全体にスマートに。言い換えれば、事件のむごさ、弾圧のひどさが大分消えている。

 「一万八千人から二万八千人」-事件による死者を示す数字をメモしていると、そばから「実際はもっと多かったよ」と年配の男性が声をかけてきた。こちらが日本人だというと、たまっていた不満をぶちまけるように片言の日本語を交えて話し始めた。

 「蒋介石が部隊を派遣して虐殺したのにその蒋介石を美化している」。男性は事件当時はまだ三つで記憶はないが、小学校の先生だったいとこが事件で殺されたという。確かに政府の数年前の調査報告は「事件の元凶は蒋介石」と名指し批判した。それが国民党政権になっての新たな展示では民衆の慰撫(いぶ)にも努めたことも強調している。

 政府は記念日を祝日とし、記念行事も実施している。今年は三連休となることもあって、行楽地はにぎわっているが、記念館を訪れる人は多くはない。事件の風化が展示を変えたのか、展示の変化が事件の風化を早めているのか。個人で事件の発掘調査を続けてきた阮美●さんは「二・二八は慶祝ではなく追悼なのに…」と嘆いている。 (迫田勝敏)


「歴史とはなにか」(岡田英弘著)を再読

2011年03月08日 09時12分17秒 | 歴史

 「歴史とはなにか」(岡田英弘著 文春新書 平成13年)を再読。
 読み直すきっかけとなったのは、この一年東アジアの近代史を学んで、すこしばかり理解が深まったからだ。
 以前、この本を読んだときは、かなり極端な内容だと感じた。なにしろ、次のように構成だったからだ。

第一部 歴史のある文明、歴史のない文明
歴史の定義、歴史のない文明の例、中国文明とはなにか、地中海文明とはなにか、日本文明の成立事情
第二部 日本史はどう作られたか
神話をどう扱うべきか、「魏志倭人伝」の古代と現代、隣国と歴史を共有するむずかしさ
第三部 現代史のとらえかた
時代区分は二つ、古代史の中の区切り、国民国家とはなにか
結語
だれが歴史を書くか

 (「歴史とはなにか」 岡田英弘著 文春新書)

  改めて読むと、刺激的な視点が随所に見られる。「朝貢」については、次のように指摘する。

『「朝貢冊封体制”というのは、第二次世界大戦後の日本で発明されたことばだ。これはどういう説かというと、”中国は世界(当時の東アジア)の中心であって、そこに異民族の代表が朝貢し貿易を許される。皇帝からもらう辞令(冊=さく)によって、異民族の代表の地位が保障される。こうして、中国の皇帝を中心として、東アジアには、朝貢と冊封に基づく関係の網の目が張りめぐらされていた。これが東アジアの秩序を保障していた」というものだ。ところが現実には、そんなことはぜんぜんなかった。」(p.205)

 この記述は、おそらく西嶋定生※(元東大教授・東洋史)に対する異論だろう。西嶋氏がこの朝貢冊封体制を論じた人だからだ。
※ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%B6%8B%E5%AE%9A%E7%94%9F

 (西嶋定生著「日本歴史の国際環境」 東大UP選書 1985)


 東洋史の学界では、多分、西嶋氏の学説が有力で、多数の論文が西嶋説に依拠して書かれたことは間違いない。若くして「日本学士院賞」を受賞した岡田氏が、東京外国語大学教授というポストにとどまったのは、西嶋氏のような学界権威との確執があったと容易に想像される。私の学生時代、三輪公忠という怪しげな歴史学者が「冊封体制、冊封体制」とひとつ覚えのように言っていた記憶がある。それほど、この言葉は流行ったのだ。この「朝貢冊封体制」論は、東アジアの国際関係を論ずる場合に、門外漢にとっては手っ取り早い。前近代(近代国民国家以前)の東アジア国際関係をこれだと言ってしまえば、何となく説明をしたような気分になるからである。
 だが、岡田氏は、こう結論づける。

「もともと個人としての外国人が、個人としての皇帝に、そのときそのときの仁義を切る関係に過ぎなかった”朝貢”が、十九世紀にはじまる国民国家の時代になって、国家としての外国と、国家としての中国とのあいだの、外交関係の表現のように、曲解されることになった」(P.209)
 
 昨秋の尖閣事件を予見したような記述もある。

「…新たに国民国家として出発した中国は、西ヨーロッパ・アメリカ列強の帝国主義を見ならって、むかしの外国の君主が中国の皇帝に朝貢して敬意を表し、中国の皇帝が外国の君主に地位の承認を与える関係を、宗主国と保護領の関係に読みかえた。こうした新解釈では、過去に中国皇帝と外交関係のあった外国は、すべて中国領だということになってしまう。…中華人民共和国も、ほんらい。琉球人は中国の国民であり、琉球に対して中国は潜在的な主権を持っている、と解釈している。実を言うと、尖閣諸島問題も、このような中国・台湾側の沖縄に対する領有権の主張の一部に過ぎない。つまり、領土に関する、こういう国際問題というのは、結局、中国人特有の歴史の解釈が原因となっているわけだ。」(p.128-9)

 岡田氏の史観は、日本の東洋史学界の”主流”ではない。しかし、歴史を大観する点においては、岡田氏に優る学者はそう多くはないはずだ。私のような初心者が歴史を学ぶとき「通史」から始めるが、実は「通史」ほど厄介なモノはない。ありきたりの「通史」は、かえって歴史を見る眼を曇らせるということもあり得る。その点で、岡田史観の斬新な切り口は、他を圧倒しているように思える。


 「歴史とはなにか」に関しては、岡田氏の奥様である宮脇淳子氏(東洋史家)の次の映像がある。

第4回 中国人の歴史観 Part1

  

 

 

 


マントヴァーニ・オーケストラの英国ボーンマス・コンサート

2011年03月02日 11時26分51秒 | 音楽・映画

 英国の知人から送ってもらった「Mantovani Concert Spectacular」というDVDを見る。これは、昨年秋、英国ボーンマス市(Bournemouth)で行われたマントヴァーニ楽団(The Magic of the Mantovani Orcehstra)の演奏会を収録したDVD。
 「The Magic of the Mantovani Orchestra」は、この演奏会のために臨時編成されたオーケストラ。この楽団で打楽器を担当するPaul Barrett氏を中心に、生前のマントヴァーニのコンサートを見事に再現した。




 コンサートのプログラムは、次のとおり。

"Mantovani Concert Spectacular  Live at the Pavilion Theatre Bournemouth"
Conductor; Roderick Dunk
Leader; Cynthia Fleming(コンサートマスター


【DISC1】
1 ルクセンブルグ公爵夫人のワルツ(レハール曲) The count of Luxembourg Waltz
2 エル・レリカリオ  El Relicario
3 Night and Day
4 ジェラシー Jealousy
5 デライラ Delilah
6 80日間世界一周 Around the world
7 Memories of Blackpool Tower (Michael Wooldridgeのオルガン・ソロ)  
8 コメ・プリマ  Come Prima
9 ジプシー・ダンス Gypsy Dance from Carmen
10 カラ・ミア(マントヴァーニ曲) Cara Mia
11 ジェームス・ボンド組曲 James Bond Suite
  ジェームス・ボンドのテーマ~ロシアより愛を込めて~007は2度死ぬ~ゴールド・フィンガー

【DISC2】
1 カン・カン Can-Can from La Boutique Fantasque
2 It happened in Monterey
3 ザパデアード(サラサーテ曲) Zapateado
4 スリーピー・ラグーン By the sleepy Lagoon
5  ティコ・ティコ Tico-tico
6 アリベデルチ・ローマ Arrivederci Roma
7 愚かな私 What kind of fool am I?
8 オペラ座の怪人 Phantom of the opera 
9  Dream Dust
10 ホリディ・フォー・ストリングス Holiday for Strings
11 トロリー・ソング The Trolly Song
12 グラナダ Granada
13 シャルメーヌ Charmaine
14 ポルカ・雷鳴と電光(ヨハン・シュトラウス曲) Thunder nad Lightning Polka

 このマントヴァーニ・オーケストラ(The Magic of the Mantovani Orcehstra)の特徴は、生前のマントヴァーニ時代と全く同じ楽器編成で演奏していること。オリジナルの44人編成で往年のマントヴァーニ・サウンドを忠実に再生している。
 何年か前までたびたび来日していた「マントヴァーニ楽団」は、米国で臨時編成された30人前後の楽団だったので、この楽団とは全くの別物。
 毎年、英国でこういうコンサートが開かれているのは、ファンとしては羨ましい限りだ。 

Magic Of Mantovani Orchestra Playing Charmaine

Magic Mantovani Orchestra's Perfect Cara Mia Tune