エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

素晴らしい写真集

2021-11-04 | 環境問題

 

 信州東御市の堀修さんが写真集を出版された。
この度、筆者からその素晴らしい大作をご恵送いただき恐縮している。

 題名は「堀修写真集 塩田平のトンボたち」副題に「ため池のトンボに見せられて」とある。

 マダラヤンマ(クローズUP撮影日記より)

レッドリストで準絶滅危惧種に指定されるマダラヤンマを中心に,塩田地区で見られるトンボが鮮明な写真で紹介されている。

(以後、少し個人情報になるが・・・  堀さん、事後承諾をお願いします。)

 昭和55年のこと、小生は信大のS先生の元へ内地留学をさせていただいた(*)。

その後何年もしてS教授をおたずねした折、先生から堀さん撮影の【オオルリシジミの写真】をいただいたことがきっかけだった。10年ほど前だったか。

氏はS研究室のご出身で、小生とは専攻が違うが少し後輩、そこからのお付き合いだ。

その後はブログやメールでのお付き合いをいただいているが、まだお会いしたことはない。

氏は、地域のチョウやトンボ、自然環境の保全活動に取り組んでおられる。
 ブログ:クローズUP撮影日記 http://ochanblog.blog67.fc2.com/

小生も,地元での希少昆虫の保護活動に取り組んでおり、日頃から堀さんと同じ思いでいる。

今回の写真集に刺激を受けている。

今後いろいろご指導賜りたいと思いつつ、ご本人に承諾も得ずにブログを書かせていただいた。

堀さんお許しください。

 (*)当時の25ページに及ぶ報告書を読み返した。

   懐かしい、あの頃がよみがえった。万感胸に迫る思いだ。

   会社にいた時も、無公害洗剤の開発にかかわる、環境問題だったな~。

  研究テーマ  ( 産業教育内地留学 研修報告書より)
      1  環境科学について  ⅰ界面活性剤の生分解性について ⅱ野外調査・観察
   2  化学工学科教材としての粉石けんプラントの考察   ⅰプラントのプロセス設計  ⅱ反応基礎実験

 


アカボシゴマダラを発見 会津地方では初めてか

2021-10-07 | 環境問題

    福島民報で、小生提供の「アカボシゴマダラ」の記事が載った。

9/27午後1時、ヒメシロの里の帰り道に見てはいけないものを見てしまった。

特定外来生物に指定され,関東地方に分布を広がているチョウ、アカボシゴマダラを目撃し写真に撮った。

環境問題として情報提供してから1週間、ようやく今日掲載された。

一見、アサギマダラらしきチョウを見かけ後を追った。

付近を行ったりきたり、何となく違う。アゲハとも思えたが、ようやく止まった翅に赤い紋が見えた。

アカボシゴマダラだった。後翅の赤い斑点模様ですぐに分かった。

  

   1998年に神奈川県藤沢市で発見され、以来、関東全域に分布を広げ、最近では長野県や静岡県でも確認されている。

福島県では、昨年いわき市で目撃されたが、会津では初めての発見と思われる。

 国内では固有種が奄美諸島に生息するが、この関東地方の種はそれとは異なり中国大陸や朝鮮半島に生息分布するもので、

侵入経路はチョウマニアによる人為的な放蝶の可能性が高いと言われている。

 アカボシゴアマダラの食草はエノキで、在来種のゴマダラチョウやオオムラサキ、テングチョウと競合することが問題点だ。

今後さらに分布が広がればその影響が心配される。

日本の生態系や生物多様性へ影響を及ぼし、在来種を駆逐するおそれがあるからだ。
 

(参) 「アカボシゴマダラ / 国立環境研究所 侵入生物DB」
       https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/60400.html
     「 1 アカボシゴマダラ - 環境省」
        https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/manual/6hp_konchurui.pdf

 他に、チョウではホソオチョウが特定外来生物に指定されている。

 ホソオチョウも朝鮮半島で生息するチョウで、これも在来種ジャコウアゲハとの食草ウマノスズクサの競合がある。

 同じく放チョウによるもので許されない。

 また、福島県では10年前には見られなかった分布しなかったウラギンシジミ、ツマグロヒョウモン、ムラサキシジミなどのチョウが時々見られるようになった。

 これは別の環境問題、地球温暖化の影響による分布の変化だろう。  

  里山を歩くたびに新しい発見がある。


水生昆虫ウオッチング

2021-08-07 | 環境問題

 森で遊ぼう 第2回   「水生昆虫ウオッチング」があった。

 当初6月実施予定のテーマ「昆虫ウオッチング」がコロナ禍で中止となったが、

今年は別に、新しいテーマ「水生昆虫」を取り上げていた。

観点は、

 ①自然環境として [河川水質と生息する生きもの] 

 ②水生昆虫について  ③ 滝を楽しむ だ。

問題は、活動場所だ。事前調査で活動場所を金堀の滝に決めた。

でも、例年、昆虫ウオッチングの途中で遊んでいた金堀の滝については、虫の種類、量が少なく心配していた。

 「金堀の滝」は猪苗代湖からの堰から落下する清流で、観察できる水路も短く、サワガニの他はトビケラやカゲロウ類がわずかにいる程度だった。

近くにはU字溝のない水路が少なくやむを得ない。

でも、今日の滝での活動は正解だった。

滝までの裏の田んぼ道から山神社を経て20分、いろいろなトンボを観察できた。

オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、ミヤマアカネ、オニヤンマなど。

 オオシオカラトンボ♂シオカラトンボ♂

 

滝での活動は約40分、小さな石の裏を観察したり、網ですくったりして虫を採集した。

3班に分かれ採集した生きものをそれぞれトレーに集めた。

    

カゲロウ類は少なかったが、大きなトビケラやヘビトンボ、ブユの幼虫の他サワガニが沢山採集できた。

小生が40年ほど前に採集した水生昆虫の各種標本を持参したが、大いに参考となった。

各班代表から、捕れた生きものの報告、感想の発表があった。

何よりも、子供たちが歓声を上げながら虫を探し、自然の環境に親しめたことがすばらしかった。

虫たちをリリースしてから帰路20分で分校跡へ。子供たちは元気だが年寄りには少々応えた。

少し休憩をとった後は、簡単な土壌の実験をした。

子どもたちはそれぞれに大いに興味関心を示したと思う。

********** 
事前準備の際、ビオトープでアズマヒキガエルを見つけた。あまりに大きく黒い身体は一見岩のようだった。

アズマヒキガエル    

 


 悲しいおおるり公園

2021-07-24 | 環境問題

昨日の里山散策の帰路、おおるり公園へ寄ってみた。もう6~7年行っていなかった。

いつも虫たちの集まるクヌギの林を覗いてみたかった。

ミズナラの大木に吸蜜に集まるオオムラサキ、クワガタが懐かしかった。

管理棟を通過すると、一瞬固まった。まったく前の面影はなく、驚き以外の何物でもなかった。

かつてはアスレチック広場や自由広場、チビッコ広場、テニスコートなどがあり、子供たちを連れて遊んだこともあった。

いろいろな遊具類も中央にあった時計台もない。

小川を渡り展望台までの木漏れ日の林道は素晴らしかった。

広い自然の中の公園は跡形もなく消え、周囲は林へは入れないようにフェンスで囲まれ、アスファルト舗装の大駐車場と化していた。

近くの会社へ売却したのだろうか。

今頃は、子供たちの歓声が聞こえた広場の奥に、ヤマユリの群落が見事に咲いていた。

どうして? 自然豊かな公園がなくなってしまった経緯、環境アセスメントの様子をきいてみたい。

この自然環境の変化について、その価値観を知りたいと思う。

     

    


ネットでは、かつての「おおるり公園」の案内が残っている。

名称は健在であるはずはない。町役場に聞いてみたい。

思い出した。6~7年前、突然ミズナラの大木が切り倒されたことがあった。

管理棟へ飛んでいき、なぜか尋ねたことがあった。

かつて樹液を求め集った、オオムラサキ、ルリタテハ、各種カナブンやハチたちの姿が浮かんできた。 

 

(追記) 2013年の頃の自然豊かな公園の写真を見つけました。
  以下は「磐梯町おおるり公園で自然満喫♪」 よりお借りした写真
  https://blog.goo.ne.jp/pochikopochikojp/e/2a8e9334cf0676ddb78e395a852e0668

すべてなくなった時計台 この山道も崩されてしまった。

奥の林も、フェンスで囲まれ行けない。

 


駒止湿原を学ぶ

2021-06-21 | 環境問題

ワクチン接種の副作用でさえない日が続いたが、ほぼ回復したようだ。

梅雨入り宣言があった翌日、もり案の研修会に参加した。

立派にまとめられた資料を基に、「ブナ林の立地環境」のテーマで約2時間のさわやかなブナの森「針生駒止の森」を散策した。

 

  

    

   

   

    

林の中をアサギマダラ、一瞬のことでうまく撮れなかった。

    

 

おにぎりを頬張ばったあと、久々に合う仲間と湿原の美しい花々を楽しんだ。

自然が好きな連中、珍しい植物の名が次々に飛び出す。勉強になりました。

ウスバサイシン、エンレイソウ、タテヤマリンドウ、テツカエデ、ヤマブドウ、いろいろについて詳しく学びたい。

  

   

   

  

      

   

      

少し若そうな仲間から元気をもらいながらも、多少の老いを自覚した。

今日もかけがえのないいのちに勇気をもらった。       

今日は父の日、子供たちから心からのプレゼントが届いた。 

ありがとう。  (2021.6.20)


今年もホタル確認

2021-06-18 | 環境問題

例年、ホタルの発生するこの時期、落ちつかない。

今年も発生しますようにと、暗くなるころ町内散策に出かけている。懐中電灯、カメラ持参だ。

数日前、2頭のホタルに出会えた。でも、風前の灯火とはこのことだ。

待望のホタルだった。1年ぶりに見る輝きは強く、一瞬明るいLEDの明かりと思った。

ホタルの生息しやすい環境を整えることが豊かな住環境につながるはずだ。

でも、町内の暗い箇所は街灯増設で煌々と明るくなり、ホタルには都合が悪い。

  格好の暗所だったのに。

お尻は光るが、枯草にもぐってしまう。

       


ホタル復活まで20年ほどたっただろうか。再発見の5~6年前は、うれしく、感動した。

町内で唯一残っていた田んぼが、1昨年ついに消え新しい住宅地に変貌してしまった。

思えば10年ほど前にも、大掛かりな開発で田畑、美しい水の流れが失われ、

ホタルだけでなく、生息していたサワガニやドジョウやカエルも消えた。

ふさわしい住環境とはなんだろう。

豊かな住環境は自然を壊してまで便利さを求めるべきではない。

U字溝がいけないと思う。どんどん進む開発は環境への事前評価、アセスメントが十分機能しなければならない。

最近、こんな里山の奥地までがコンクリート水路に覆われ、自然を保全できるのか危惧する場面もあった。

小さな虫たちが、営々と生きてきた。なのに人間の営みが、自然の営みを壊し続けている。

今よみがえった町内の約200mほどのU字溝のないホタルの水路は、貴重だ。

カワニナも生息でき、ホタルの幼虫が蛹化できる土手もある。昔の田んぼの畔は皆そうだった。

こんな場所をよみがえらせることはできないだろうか。

また、子供会でホタルを観察できる環境が整ってほしいと願っている。

【参】拙ブログ 「町内 ホタル観察会」(2019-06-26  

  https://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/41fcaf95e9c530300095aadc3c7f58d0

 


レジ袋有料化で考える 

2020-12-18 | 環境問題

  新聞読者欄への投稿文  (2020.12.17 掲載)

***************

「プラであふれた生活見直し」
                                                                       
  小さいころ、母は買い物にはいつもかごを下げていた。

八百屋さんや魚屋さんは活気にあふれ、新鮮な野菜や魚が並んでいた。

求めた魚や肉は経木に載せて新聞紙にくるまれてかごへ、そんな懐かしい光景が浮かんできた。

いまは、商店街はスーパーマーケットに代わり、食品は白い発砲スチロールのトレーに載って透明なラップにくるまれている。

カラフルなお菓子袋だけではない、身の回りの生活用品はプラスチックであふれている。

最近、レジ袋が有料化された。

レジ袋の生産量など大海の一滴だが、

国際社会の脱石油、脱プラスチックへの流れがあり、さらにはライフスタイルを見直すきっかけとなれば、その意義は大きいと思う。

小学校で学ぶ3R(リサイクル:再資源化、リユース:再利用、 リデュース:ごみのを減らす)をもう一度考え直している。

***************

雪化粧の庭で 

ハマナス  庭の桐 お枝が折れないか心配

ハクモクレン蕾  クマシデの実


初めての ヒドリガモ

2020-12-04 | 環境問題

 猪苗代湖の長浜にカモを、翁島にコハクチョウを訪ねた。

 ときどき雲間から日が差すが、気温は6℃、少し寒い。

 長浜のカモ類は例年より少ない印象、ほとんどがオナガガモだが、キンクロハジロもいた。

ユリカモメも数羽見かけたが、ホシハジロやスズガモは見えない。

オナガガモの群れに1羽、頭部が赤茶色で、額が薄黄色、胸はいくらかピンクがかった元気なカモを見つけた。

どうもヒドリガモ♂のようだ。

 ヒドリガモ

猪苗代湖では初めて見たと思うが、それらしい昔撮った写真を見つけた。どうだろうか?

         

キンクロハジロ♀

  コハクチョウはこの浜ではまだ見ない。翁島の田へ移動、雲が切れ始めた磐梯山はうっすら白い。

約20羽ほどの群れが、いつもの少し水の残る田をあさっていた。

 

 

 

数年前、鳥インフルエンザ騒ぎで、餌付け禁止が言われ、水鳥たちの群れ集まる浜が変わった。

でも、最近は少し前のように戻る傾向も見える。

長浜では、業者がパンくずを提供して、観光客や親子連れが餌をやっている光景を見る。

ハクチョウやカモがかわいそうとの発想かもしれないが、やはり餌やり、餌付けはだめだと思う。

多くの自治体から《野鳥への餌やりの自粛について》 の訴えがある。    

結論は、野鳥は、自然のままで静かに見守って! となると思う。

  《参考》    〇 餌やりは水鳥をダメにする!?
            http://www.city.bibai.hokkaido.jp/miyajimanuma/03_topic/03_topics02.htm
          〇 餌やり・餌付け問題について of birdimages.jp
                            http://birdimages.jp/cn23/pg230.html
                     〇 鳥類への餌づけ問題長谷川理 (エコ・ネットワーク)
                          http://feeding2.kapiu.org/?page_id=65

 

 


怪我をしたカモシカ その後

2020-10-28 | 環境問題

                                                                                                                        2020.10.27

9時半、昨日の現地へ行ってきた。カモシカはすでにいなかった。

広い駐車場を点検すると、四方20m位  正面左右は1m50躯体のフェンスで囲われ、

入り口道路に立ち入り禁止の車止め。

でも、今日見ると入り口の面の左右は木々が生い茂る高い原野で、

フェンスの端には外で出られるスペースあった。ここから立ち去ったのだろう。

右後脚を引きずり、機敏には動けないようだし、囲いから出られないと直感。

保護が必要と考えた。

あの辺りでは何回か見ている。あらためて、自然豊かな里山だと思った。

一件落着!


今年3度目の出会いだった。 カモシカの現状はどんななのだろう。

以前のカモシカとの出会いを振り返ってみた。

【拙ブロブ内検索】 https://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/s/%E3%82%AB%E3%83%A2%E3%82%B7%E3%82%AB

2012.4.24   2020.5.19

2020.4.3     2013,5,27 

 


奇跡的に戻った仄かな灯り

2020-07-02 | 環境問題

町内にホタルが戻って来て5年目になる。

以来、梅雨のこの時期は、今年も見られますようにと祈りながらホタルの発生を確認するのが夕食後の日課となっていた。

数日前に、今年も待ちに待ったほのかなあかりを確認できた。

例年より少し遅れたが、嬉しくてならない。

 

 

遥か30年も前にドジョウやサワガニと共に姿を消したホタルだった。

その後、春先の一斉清掃でこのU字溝の無い水路の川ざらいを自粛したり、

町内の関心を高めたいと子どもたち中心の観察会を開くなどをしてきた。

奇跡的に甦ったホタルがいつまでも生息して欲しい願いだが、課題も見えてきた。

問題は、暗闇の中でほのかな光だけがコミュニケーションのホタルにとっての光害だ。

8時を過ぎても何台も行きかう車のライトや肝心な場所に新しく設置された街灯が煌々と水路を照らしている。

 短大の灯り

みどりの自然、小さな生き物と共生できる豊かな住環境を求めて、出来る対策を取らなければならないと思っている。

地方紙に寄せた駄文掲載さる7/1付)  『よみがえった蛍 「光害対策」必要」』 

 

 


土手のチョウを守る看板

2020-06-28 | 環境問題

しばらく降り続いた雨が上がった午後、土手の歩行者道路の入り口に、チョウの保護に関する看板を取り付けた。

 

刈り残していることに土手の利用者は何の感想もないとは思う。

ヒメシロチョウが市内で唯一この土手に生息していることを知らせたかった。

自然環境保全の観点から、前から河川事務所にお願いしてきたもので、最近良いでしょうと許可をもらった。

何人の市民が見て、どれほどの思いを抱くかは分からない。でも、知らせたかった。

今、チョウを捕らえて標本をネットで売買する人がいる。そう言う輩が絶対に居ないとは言い切れないが、それ以上に

この場所に一部食草を刈り残して、絶滅危惧種のチョウの生息していることを知って欲しい願いだ。

西会津のギフチョウがそうだ。もちろん採集だけで絶滅するとは言わないが、4月中旬から5月にかけて

捕虫網を手にした他県ナンバーの車が目立った。でも、数年前、このギフチョウは町の天然記念物に指定された。

 

ついでに土手を回ったが、ジャコウアゲハは終令のもの数匹見つけたが、既に蛹化したものはなかなか見つかるものではない。

我が子を受け入れてくれたウマノスズクサに、そして刈り残してくれた河川事務所に感謝、感謝だ。

 

土手には未だウマノスズクサの群生するところがある。来年以降も、春は刈り残してもらいたい。

ヒメシロチョウはやはり少ない。4~5頭、産卵する個体を観察してきた。

  

   

ヒメシロチョウには、いつまでも絶えることなく生息して欲しい。

 

 


環境月間に自然荒廃を思う

2020-06-23 | 環境問題

地方紙に寄せた駄文掲載さる

 

かつての昆虫少年はいつしか昆虫老人となり、日々里山を巡って小さな自然を見つめている。

初夏を迎えた今、次々に新しい命が生まれている。

細々と、何とか生息しているムカシヤンマは馴れ馴れしく肩にとまり、

サラサヤンマはホバリングを繰り返し僕を見つめていた。

発生が例年より遅く心配していた美しすぎるモートンイトトンボも姿を見せた。

でも、現実は、彼らに優しい水環境は徐々に少なくなっている。

それはトンボだけではなく、小さな生き物たちすべてが深刻な絶滅の危機にある。

6月は環境月間だが、自然環境の保全に関わる話題が少なすぎると思う。

多くの生きものが関わり合う生物多様性の重要性が言われて久しいが、

今、自然環境は荒廃し、ますます危機にさらされている現状を訴えたい。


絶滅寸前 土手のヒメシロチョウ 夏型数頭

2020-06-18 | 環境問題

土手に刈り残してもらったジャコウアゲハの食草、ありがたい。

これで最後か、我が家の欠食児童を数頭運んだ。

何とか生き延び、市内唯一のヒメシロチョウの生息地がいよいよこれでお終いになるか。

刈り取りの済んだ土手を眺め、暗澹たる思いでいた。

順調に成長するジャコウアゲハと言葉を交わし帰ろうとしたとき、ヒメシロチョウだ!。

 

やはり、刈り残しの島はオアシスだ。 ヒメシロのためでなく、沢山の小さな命のよりどころとなっている。

  

刈り残されたツルフジバカマのオアシスの中を、数頭のヒメシロチョウが舞い始めていた。

この春の一斉刈り取りの大騒ぎによくぞ生き残ってくれた。涙が出るほど嬉しかった。

数日前、ヒメシロの里で確認したが、土手でも今日発生を確認、懐かしい風景を見る思いだった。

今年の春の発生は本当に心配だった。案の定、数はきわめて少なく、夏型の発生も心配していた。

刈り残されたムラサキツメクサの花に長い時間吸蜜していた。

しばらく観察すると、求愛活動や、もう軟らかい新芽に産卵する姿も観察できた。

  

  

  

一安心、とは言え今後も注意深く保護対策を考えなければ本当に絶滅してしまう。  (2020.6.17)

 


またまた ジャコウアゲハの疎開  

2020-06-15 | 環境問題

昨年の秋我が家で蛹化し、この春羽化したジャコウアゲハが100卵を越える沢山の卵を産んだ。

♀は2~3頭だったが、ともかく2週間以上庭に滞在し産卵し続けた。

ウマノスズクサも3mほどに成長したが、葉があまり伸びず、幼虫の成長に追いつかなくなった。

数日前に書いた内容の繰り返しになるが、今朝3回目の土手への疎開だ。


6年前から、年2回の除草の際、絶滅寸前のヒメシロチョウの食草ツルフジバカマを刈り残してもらっていた。

河川事務所との除草の相談の折りに、今年は土手の一部に自生するウマノスズクサも残してもらうことになった。

それが幸いした。お陰様で、40~50頭のジャコウアゲハのいのちが救われることになった。

ついでに、ヒメシロチョウの発生時期に当たり、土手を歩いたが何も見えなかった。

すっかり刈り取りの済んだ土手を眺め、またいい知れない切ない思いがした。

1化春型のヒメシロチョウは、育ち盛りの幼虫はこの草刈りで全滅しただろう。仮に蛹化した個体でもこの除草では羽化できるか心配だ。

絶滅の危機にあるヒメシロチョウを救うには、除草の問題を解決しなければならない。

除草は6月と9月、影響が少ない時期の除草を検討している。

 

 

   右ウマノスズクサ

こちらツルフジバカマ

 幼虫を救う

もりもり食べる3齢か 

その足で、ヒメシロの里へ。夏型が発生していた。後ほど報告。    (2020.6.14)

 


 - 貴重なチョウ・トンボを守りたい  -

2020-06-10 | 環境問題

福島県もりの案内人を務めている。

その会報に原稿依頼があり投稿した。

以下は最新号に掲載になった文章。

*********************

 - 貴重なチョウ・トンボを守りたい  -
                                             

  我が家の周辺には、十数年前までわずかに残る田んぼにホタルが飛び交い、水路にはサワガニやドジョウがいた。神社の林裏の我が家の庭にもオオムラサキやオオミスジが雄壮に舞い、時々キジが往き来していた。しかし、近年宅地開発が進み、周囲の里山の小さな自然もつかの間に荒廃していった。一方、市内には環境省のレッドリストで絶滅危惧種第Ⅰ類に分類されるヒメシロチョウ、マダラナニワトンボ、コバネアオイトトンボが細々と生息している。でも、これらも10年先に生息している保証はない。また、市内で唯一、阿賀川堤防沿いに生息するヒメシロチョウは危機的状況で、以前は見られたミヤマシジミは既に姿を消した。
   数十億年の生物の進化の歴史が、幾多の生物を育んできたが、里山の人為的な変化に起因する種の絶滅を深刻に受け止め、これら貴重な虫たちをどうしても守らなければならない。例えば、トンボはじめ水生生物の保全については、ビオトープネットワークを形成する猪苗代湖西岸の湖沼等の広域な水辺環境の管理が急務だ。最近は、雑食性の要注意外来生物のアメリカザリガニの駆除が喫緊の課題と考えている。
 これまで身近な里山に生息するこれら小さな虫たちのかけがえのない命の保護に取り組んできたが、最近は、かつての昆虫少年の思いを次代を担う子どもたちへ伝えたいとの思いに刈られている。自然からの生き生きした感動は机に向かっていては生まれない。自然の中で植物や昆虫などに興味、関心を持ち、自然のしくみ (生物多様性・森林生態系・食物連鎖等)を知り、自然への畏敬の念を抱き、やがては自然環境保全の思想へ至ることが大切と思っている。ヒメシロチョウが舞う里山の小学生と自然観察をして6年になる。今年も、ツルフジバカマに産卵するヒメシロチョウを見つめ、一緒に感動したいと思っている。  

(3枚の写真を添えた。)

マダラナニワトンボ:打空産卵するペア

   

コバネアオイトトンボ:カンガレイヘ産卵

   
       
食草ツルフジバカマへ産卵するヒメシロチョウ

                                                               

*********************