花曇りというのだろう。石部桜へマウテンバイクを走らせた。
町内にある、会津五桜の石部桜は、すでに満開となっていた。
サクラは、二,三分咲きがいい、また、ひとひらごとに散る風情には及ばない。
まさに、「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは。」だ。
いくらか陽が差してきて、風も弱い。こうなると、里山へ行ってみたい衝動に駆られるもの、
石部桜を鑑賞する間もなく、急いで帰宅した。
一気に躍動の春を迎えた里山、それぞれに個性的な芽吹きを楽しんだ。
春一番で咲き始めたダンコウバイも、尖った新芽が伸びてきた。
また、今日は懐かしいクロモジを撮った。
開く前の尖った葉の周りに、淡黄色の小さな花を沢山付けている。
漢字では「黒文字」と書くが、何故だろうか。
【黒文字が咲いた。】
落葉松の松ぼっくりの脇に、丸い新芽のかたまりが膨らんできたが、まだ細い葉は解けない。
これからもうすこしすると球果が見えるようになる。楽しみに見ていきたい。
猪苗代湖からの灌漑、細い堰の流れのほとりに、ショウジョウバカマがきれいだった。
田の畦の水辺に、早くも咲き始めたサワオグルマの一株を見つけた。
これがいっぱい咲く頃にはウスバシロチョウがひらひら舞っていることだろう。
【サワオグルマ】
少し山へ入ると、タンポポはほとんどがエゾタンポポだ。
ヤナギの雄株がようやく輝きだした。
春一番のネコヤナギはを見ると嬉しくなるが、ヤナギの雄花序はいろいろあって興味がある。
ときどき見かける大きオオネコヤナギだろうか。
いつも越冬したルリタテハやシータテハが樹液に来ているが、まだ2週間は早いようだ。
路傍には、これも冬を越したクジャクチョウ、キタテハがじっと陽を浴びていた。
【クジャクチョウ】
【キタテハ】
白いチョウはスジグロシロチョウで、弱々しいヒメシロチョウはまだのようだ。
ルリシジミも舞い始めた。今の時期は、スギタニルリシジミもいる。
オオイヌノフグリに止まったのは、多分スギタニルリシジミではないだろうか。
裏面の高翅の蒼青色が強いことや斑紋の鮮明さからだ。
【スギタニルリシジミ?】
連休中に一度、春の女神ギフチョウの撮影にチャレンジしたいと思っている。
その後は、ウスバシロチョウ、ツマキチョウと姿を見せ得てくれるだろう。
いよいよ虫たちの季節がそこまで来ている。
帰りに会津慈母観音のお姿を拝んできた。
健康で山野を巡ることのできる幸せを感謝した。 (2011.4.28)