エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

アキアカネ来る

2012-06-30 | 自然観察

朝4時前、トイレに起きた。階下の部屋中のカーテンを開け、新聞を広げる。ほぼ同じ夏の日課だ。

麗し!黎明の空の色。今日も雲一つ無い快晴、麗しの磐梯のシルエットを撮った。さわやかな1日の始まりだ。

 今日午後、庭に今年初めてのアキアカネを見た。未だ未成熟だが、胸の黒条からアキアカネのようだ。

吹く風はさわやかだが、日差しは真夏のようだった。

季節は静かに移ろい、庭の緑や虫たちもそれぞれに精一杯生きている。

アジサイが晴天続きに雨をほしがっているようだ。

 

 挿し芽で殖えたアジサイが庭中で咲いている。

満開のドクダミに、八重と、5枚の萼の花を見つけた。

 

今日、小田原小梅を収穫した。手の届くところだけ穫ったが、枝の剪定もしないが今年はよく生っていた。

高田ウメはすでに梅酒に付けた。週末は白加賀を穫って、これは梅干しにするつもりだ。

裏のアジサイの陰で、きれいな色の薔薇が咲いていた。手折って一輪挿しにした。

 シモツケ

わずかな家庭菜園、キューリを2,3本収穫。ミニトマトも沢山生っていた。

 

ホシミスジが相変わらず、シモツケやコデマリの周りをスイスイ飛んでいる。カネノナルキにスジグロシロチョウが吸蜜したり、産卵したり。

 

                                                           ↑              ↑

 スジグロシロチョウ

ジャコアゲハがウマノスズクサに産卵していったのはいつだったか、ようやく孵化した。

 

所用あってHさん宅へ寄ると、ジャコウアゲハは終令幼虫がうじゃうじゃ、もう蛹もあった。蜘蛛が襲っている蛹を救ってやった。

   

我が家のフランネルのキアゲハも終令幼虫まで育った。少し早い蛹も見つけた。

  

セロリの花には、あの憎らしいヒメマルカツオブシムシがいっぱい集まっていた。一方、隣のパセリにはアカスジカメムシが・・・。

 

今日も、移ろう季節のいのちを見つめて1日が過ぎていった。(2012.6.28)

 

 

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身近なビオトープ レンコン池

2012-06-28 | Weblog

  カメラを肩に、自転車で我が家から2㎞、近くの里山へ向かった。
 眼下に若松の街が広がる小集落に、田が段々に広がっている。

 その水田の一つにレンコン池がある。そこは幸いトンボの天敵フナやコイがいない、私にとっては嬉しいビオトープ池である。

 この自称トンボ天国は、里山巡りの楽しみなコースの一つになっている。

 

【偶然写っていたギンヤンマ♂】

 池のまわりには、昨年の収穫の跡か、真っ黒になった蓮の花殻が転がっていた。

 狭いレンコン池だが、そこには、オオシオカラトンボ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、ショウジョウトンボ、ハラビロトンボ、 シオカラトンボ、オオシオカラトンボが行き交っていた。

   

【シオカラトンボ 羽化したて♀】

  

【ハラビロトンボ ♂ 】                                  【シオカラトンボ交尾】

  

【クロスジギンヤンマ産卵】

 池の周囲を進むと、モートンイトトンボが飛び出した。♂は胸は緑色、尾は橙色のコントラストが美しい小さいイトトンボ、環境庁の準絶滅危惧種に指定されている。 

 ♂は眼後紋は独特の水色のハートのマークが鮮やかだ。♀はまだオレンジ色の未成熟がほとんどだが、成熟した緑色に変わった個体もいた。

 この名はトンボ研究者のケネス・モートン氏に由来すると言う。

未成熟♀ ♂成熟♀

 

   緑色に変化した成熟♀

 また、一回り大きなモノサシトンボが連結してスイスイ飛んでいた。

モノサシトンボ♀ 

【クロイトトンボ】

 

きょうは、ここで初めてアマゴイルリトンボも見ることが出来た。↓     

  キイトトンボも

 

 会津ではほとんど見られないが、レンコン池は素晴らしい田んぼの転用だと思う。

  休耕田もビオトープとしての活用をはかり、豊かな里山保全になればと思った。

 

 今の時期、隣の田は中干し中で、地面はひび割れが始まっていた。所々にカエルになる前のオタマジャクシが大量に干上がっていた。

 もう少し時期をずらしてやれば助かったのにと切なかった。畦を進むとかわいいカエルが跳びはねる。でも近くの水路まではかなりある。

 その水路もコンクリート化されていて、カエルの生きていける水路ではない。かわいそうだ。

 一方、その一角にも休耕田が多く目に付く。腰ほどまで伸びたヒメジョオンにウラギンヒョウモンが蜜を吸っている。

写真を撮っていると、ペアになったウラギンヒョウモンが飛んできて止まった。ラッキーだった。

 

  ウラギンヒョウモン 右が♀

  
  老夫婦が、道路脇の休耕田の土手の草刈りをしていた。若い者は働きに出ていて、草ぼうぼうにしておけないと話していた。

 この先農業はどうなるのだろうか。
 
  日々感じる自然の豊かさの基盤は、この里山の生態系に生きる生物の多様性と思う。

 彼らは稲作のサイクルに併せて生き延びてきたいのちだ。

 この豊かな里山の生き物の命を奪ってはならない。これは次の世代に引き継いでいかなければならない宝だと思う。

 

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待ちかねたヒメシジミとモートンイトトンボ

2012-06-25 | Weblog

日曜日、3,4日ぶりに里山を巡った。

目的は、ヒメシジミ、モートンイトトンボだった。

いずれも、環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧(NT)に指定されているが、会津では何とか健在だ。

 

帰りにいつもの田に立ち寄ると、モートンイトトンボが大量に発生していた。

成熟した♂(上)と、未成熟の♂

  

  特徴的な眼後紋

未成熟の♀

暫くしてから成熟した黄緑色の♀を撮りに行ってみたい。水田の横にルリシジミが集団吸水していた。

また、休耕田のヒメジョオンに、ウラギンヒョウモンがきていた。今年初めてオオチャバネセセリを見た。

    

ウラギンヒョウモン                                         オオチャバネセセリ

 

また、トンボ池ではキトンボも生まれていた。クロイトトンボが産卵していた。 

  

月末には、ヒメシジミの斑紋異常の個体を探してみたいと思っている。 (2012.6.24) 

 

 

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信州へ 小旅行

2012-06-25 | Weblog

全国良寛会での講演会を聞きたかった。

演題は 前新潟県知事の平山征夫氏の「良寛と漱石・鴎外、そして私の良寛」

急遽、その足で妻に実家への小旅行を計画した。妻の日々の疲れ解消、気分転換のための癒しが旅の目的。

【 会津  ~ 上越 (1泊) ~ 妻の実家(松本の田舎 1泊)~  松代 ~  新潟(講演を聴く) ~ 会津 】

しかし、帰路アクシデント発生で、目的の講演は聴くことなく帰宅した。

会津  ~ 上越

新潟県立植物園で

植物園の池で出会った ウシガエル コシアキトンボ

   

上越で

 林泉寺周辺を歩いた。何度目かだったが、この時期は初めて、実に美しい境内で癒された。

 

山門                                          謙信公の墓

  

       

ホテルの部屋からの市内を望む ホテルには至る所に名画が飾ってあった。

 

 

上越 ~ 長野・松代 ~ 安曇野 ~ 妻の実家へ

 

途中妙高高原に遊ぶ予定だったが、あいにくの雨模様、妙高高原は10メートル先が見えない濃霧の高速の長野道だった。

松代に立ち寄った。 川中島八幡原史跡公園、長野市立博物館、海津城祉、真田屋敷、象山地下壕などを見学した。

川中島八幡原史跡公園裏に、初めて長野市立博物館を見学した。立派な博物館は創立30年という。 

博物館のパンフレットには「長野盆地の歴史と生活」とある。ちょうど、ものがたり「川中島の戦い」の特設展示があり、

戦いに関わる錦絵や古文書の展示を見ることができた。すばらしい資料小冊子「川中島の戦い 史実と虚構の世界」を求めた。

  長野市博物館

海津城祉(松代城祉)は謙信との戦いに備えた信玄の重要拠点だった。

近くの真田文武学校、真田邸を周り、往時の松代10万石の歴史を垣間見た。

 

  

  

  つい、酒屋へ立ち寄る

近くの地下壕を見学した。第二次世界大戦末期、軍や政府中枢機関を松代に移す計画のもとに掘られた大地下壕だ。

平和の尊さを思わざるを得なかった。長野県内の高校生は、沖縄への修学旅行前の平和教育の一環なのか、この地下壕を見学していると聞いた。

約500メートル先まで入った。突き当たりに、千羽鶴がいくつも飾られ、平和をアピールした中高生の見学の祈念が残されていて、目頭が熱くなった。

  

 

 近くの象山神社へお参り祉、佐久間象山生誕の地に立った。神社脇でホシミスジにあった。

  

妻の実家へ向かう途中、安曇野の義姉宅へ。 1年ぶりの再会、ゆっくり話ができた。

ちょうど明科アヤメまつりが開催中、きれいなハナショウブを観賞できた。

       

妻の実家へ、田の脇のハナショウブを手折って、墓参り。両親に今の生活を報告できた。

  

昨年9月以来の深緑の妻のふるさとは麗しかった。

田の畦に オツネントンボ  ホソミオツネントンボを多数見かけた。ホタルブクロが懐かしさを誘った。

  

 ニリンソウ

夕食のおいしかったこと。 地元のタケノコ・ハチク(淡竹)と鯖の味噌汁、手造りの海鮮ちらし寿司に、お酒が進んだ。

ごちそうさまでした。突然の訪問、いろいろご心配をかけてしまった。

  玄関の「麗しの磐梯」

庭には初夏の花々が生き生き咲いていた。

     

妻の実家 ~ 妙高高原 ~ 会津

朝は寒いくらいで、半袖は無理だった。またの再会、互いの健康を祈って帰路へ。 

信州からの帰りによく立ち寄る妙高高原、 長野を過ぎる頃から曇り始め、妙高山は雲の中だった。

 池の周りにはわずかに クロイトトンボ、モノサシトンボを見ただけ。

  

ビジターセンターへ立ち寄った。

  

 湖畔のそば屋さんで昼食  手打ちそば大盛り                  売り物の絵画

 

イモリ池で美しい花に見とれる。

クリンソウ                                    センダイハギ

    

?                                  チョウジソウ                          シモツケソウ  

  

2時からの新潟での講演会に間に合う計画を立てたはずだったが、ここでアクシデント発生。

無駄な、無情な時間が流れてしまった。 それでもと、高速道を飛ばしたが小一時間の遅れ、初期の目的の講演を聴くことはできなかった。

でも、信州への小旅行は、普段忙しすぎる妻への息抜きのプレゼントとなり、数々の思い出を作ることができた。

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続々、新しい友との再会

2012-06-19 | 自然観察

 台風4号が接近し始める前の梅雨の晴れ間、ゆっくり里山を巡った。きのうは体力維持のためとは言え、少し歩きすぎたようだ。

いつになく帰りが遅かったので、近頃、近辺で熊が出没している事もあって、家族が心配していた。

 ほんの山際を歩いているが、結構いろいろなともに再会している。 アカタテハが食草に止まっていた。

ヒメジャノメは日陰好きだが、かんかん照りの田の畦のイネ科らしい葉に産卵していた。

今年は、ルリシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミもなんとなく少ないような気がしている。ヒメシジミを心待ちにしていたがツバメだった。

クロアゲハ、ウラギンスジヒョウモン、イチモンジチョウにも会えた。

アカタテハ

 

 

クロアゲハ                                           ウラギンスジヒョウモン

  

ウツギに止まるイチモンジチョウ

 

いつものイタヤカエデの樹液にミヤマクワガタが来ていた。これから、このレストランにはいろいろな面々が訪れる。

よく見かけるのは、キマダラヒカゲ、コムラサキ、クロヒカゲなど。ノコギリクワガタやスズメバチなども仲良く集まってくれる。

 

写真を見てミヤマクワガタの上に写っていたのは、図鑑からヨツボシオオキスイであることが分かった。 

今日もサラサヤンマが縄張りをパトロールしていた。いつもいるシオヤトンボの姿が見えなかった。

ほとんど往き来のない農道には、フキやヨモギが膝ほど伸びている。ゆっくり進むと、アマゴイルリトンボがスイスイ舞っていた。

ヨモギの葉裏に長い触角が見えた。キボシカミキリかと思ったが、かなり大型だ。何とも臆病で、手てを近づけるとぽとりと草むらに落ちた。

拾って野バラに捕まらせ、模様をよく観察し写真に撮った。背中の模様は黄色いが、シロスジカミキリに違いない。

  

  

ハラビロトンボも、成熟の違いのいろいろなタイプを観察した。 

    

   

 

オゼ、エゾイトトンボがすっかり少なくなり、変わってオオイトトンボ、アオイトトンボが発生し始めた。

  

 クロスジギンヤンマが相変わらず時間をかけて産卵していた。

 

ニホンカワトンボ♂ 橙色翅型                      ♂ 無色翅型

  

これからは、チョウトンボ、マダラナニワトンボが待ち遠しい。もちろん、ヒメシジミも・・・。


 田んぼの畦に泡状の卵があった。シュレーゲルアオガエルの卵だろう。

よく似たモリアオガエルは、水面にせり出した木の枝に泡状の卵を産む。この畦で孵化したオタマジャクシは上手に水面に落下出来るのだろうか。

 

梅雨の晴れ間、昨日も続々と新しい友との再会ができた。

雄国山麓に、ジャコウアゲハを見に行った。Tさんの畑ではもう夏ソバが花を咲かせていた。

トルコキキョウかと思いきや、今は何とか?という横文字の花、出荷を終えた花がきれいに咲いていた。

タチアオイもきれいに咲いていた。会津若松市の花だ。

  

広田の手前で、郡山からの列車が通り過ぎていった。

久しぶりに日橋川の流れをしばし眺めた。

ゆく川の流れは・・・・・。あれから何年もの月日がが流れて行ってしまった。

こうして、止まることなく、時が流れていく。

   

風呂に入り、写真を整理した。今日一日の、偶然の出逢いに感謝しながら、両足首に湿布を貼っている。

 

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カメラを持って山歩き  一番幸福なとき

2012-06-15 | Weblog

 

  昨夜床につき、本棚に目に付いた「ナチュラリト田淵行男の世界」を見た。
 しばらく忘れていた神様の写真集をながめた。いつの間にか、日にちが変わりそうだった。

  何人もが、彼の思い出を書いていた。いつか引いたアンダーラインの箇所を目で追った。

○「常に志を高く持たれ、生涯孤空高の姿勢を崩されることはなかった。」

○「私は父が父の思い描く条件が満たされるまでシャターを押さないことに気づきました。」

○「思索と行動の同時進行である。彼はなぜ山に登るかという根本問題の解答として「山の美しさへの感動」と「山を科学する欲望」に到達するが、両者はともに彼の日常にあった。」
 

彼は〈よく「山に何しに行くのか」と問われ、所詮、好きで行くという異常に答えようがない。〉と言う。

そして、〈自分一人になりたい・・・、カメラを持って山を歩いているときは、私の一番幸福なときである。〉と書いている。

今はデジカメに変わり、パソコンで画像を処理する時代、彼の時代の労苦は想像を絶するものだ。

当時の図鑑はもの足らず、自分で本物のチョウに近い図鑑を作りたいという夢を持ち中学生のころから写生し、見事な細密画を描いた。

 ヒメギフチョウ 細密画

彼は14年間にわたり9種類の高山蝶の生態研究を続け、その成果を『高山蝶』にまとめた。

これは、学生のころから欲しかった本で、手に入れぬままに今となってしまった。今からでも是非求めたいと思っているが、プレミアがついて・・・。

いつも、信州へ行くと決まって穂高町に田淵行男記念館」へ立ち寄っている。何度も何度も立ち寄り、彼の業績に感動させられてきた。

 

明日からは予報では梅雨空が続きそう、今日、梅雨の晴れ間に里山を歩いた。

約2時間の里山歩き、今日の目的は、

 ○成熟し美しいルリ色のアマゴイルリトンボの撮影と、   ○そろそろ発生するヒメシジミの撮影だった。

 残念ながら、ヒメシジミはまだのようだった。でも、美しいアマゴイルリトンボに感動できた。

 

♀  ペア

 林の脇の道を進むと、何カ所かでサラサヤンマが縄張りをパトロールしていた。

お友達になれそうなサラサヤンマとじっくり遊んだ。彼女は一定の間隔を置いて何度もホバリングしてくれた。飛翔する姿を何度も連写した。

 

 

 

 


 ヒョウモンはやはりクモガタ、他にはコチャバネセセリとダイミョウセセリ、ヤマサナエ、コサナエ、ハラビロトンボ、ヨツボシトンボなど。そうそう、ショウジョウトンボも出始めた。

ダイミョウセセリ コチャバネセセリ

   

ヤマサナエ                                 ヨツボシトンボ

 

 ハラビロトンボ♂                                                 ショウジョウトンボ

里ではオナガアゲハが薄い紫色のミヤコワスレに好んで吸蜜していた。                 

   

 

〈カメラを持って山を歩いているときは、私の一番幸福なときである。〉  

そんな田淵行男と同じ思いを胸に、、健康に留意しながら里山を巡りたいと思っている。

 

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チョウの保護は、まづ食草の確保

2012-06-14 | Weblog

 

  梅雨入りした我が家に、今日ホシミスジを初見した。きれいなメスだ。

遙か30年ほどになるだろうか。庭にユキヤナギが定着してから、そこに卵を産み、育ち、代々年に2回の発生を繰り返してきた。

いつもユキヤナギの刈り込みは慎重を要した。

毎年この日の再会を待ち続けてきた。今年も梅雨の時期に、間違いなく姿を現してくれた。

狭い庭の空間、ホシミスジが生息し続けることが出来る環境がありがたい。

かつては、庭の梅の木にオオミスジも舞っていた。また、我が家の西の林にはオオムラサキも雄々しく舞っていた。

その姿を見なくなって久しい。たまに、テングチョウ、ヒオドシチョウを見かけるが、ずいぶん少なくなった。
                               
 サンショウにはアゲハが、フランネルにはキアゲハが産卵していくが、数年前からジャコウアゲハも訪れている。

庭にHさんからいただいたウマノスズクサが数株定着したからだ。昨年も我が家で3頭が蛹化した。

でも、わずかな食草に、お構いなしに沢山卵を産んでいくから、ウマノスズクサは太い茎まで食べられ、足りるはずはない。

幼虫がかわいそうなので、Hさん宅へ疎開させてもらった。つまり、食草さえあれば、少なくなったジャコウアゲハも安心なのだ。

また、最近減ってきているヒメシロチョウについて。

先日、ヒメシロチョウの産卵を確認した土手も、翌週に行ってみるときれいに草が刈られていた。残念なことで悔しい。

食草のツルフジバカマは何処にも見つかるが、細々生息する地域での草刈りは残念だ。

 毎年の発生を写真に撮って安堵しているが、準絶滅危惧種に指定されるヒメシロチョウの今後が心配でならない。

 チョウの保護は、まづ食草の確保が一番である。その手立てを考えてみたい。

 

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〈追記〉

先ほど、ようやく1mほど伸びたウマノスズクサを調べたら、もう卵が生み付けられていた。

1枚の葉裏に2個ずつ、3枚、合計6コの新しい卵を確認した。小さいうちは良いが、直に食欲旺盛となる。

葉が大きく、早く成長することを祈っているが、まず間に合わないだろう。またHさん宅に疎開させて頂くしかない。

 

 

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梅雨入り

2012-06-13 | Weblog

東北南部も梅雨入りした。 暫くはっきりしない日が続くようだ。

「さつき」が咲きはじめた。日光、晃山、八咫の鏡、博多白・・・懐かしい名前を思い出すが、30代の若い凝った日も遠い昔だ。

ずいぶん前に地におろした「大盃」が、大きくなって豪華に咲いてくれる。刈り込んでも、よく花を咲かせてくれるサツキはいい。

アジサイもつぼみが大きくなった。タマアジサイも細い枝を大きく伸ばして、ずいぶん殖えた。

数年前に植えた「墨田の花火」も、がくが見え始めて、雨に似合うこれから楽しみだ。

 

アヤメに次いで、小柄なジャーマンアイリス?シロが咲いている。

 

シモツケももうすぐだが、キョウガノコが満開となった。シモツケソウも直に咲きそうだ。黄色い花の名前は?

 

いつかユキノシタの変わった花を見つけた。何気なく見ていたら、普通2枚の下向きの花弁が3枚のものがあった。

  

5,6年前、珍しいユキノシタをブログに書いた。下の白い花びらがなく、同じ大きさのピンクの花びらが10数枚付いていた。また、普通白い花びらが2枚なのに5枚あるものもあった。

【珍しいユキノシタ 2006-06-21

 
    

 http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/4ee45fe71a22f9f4088952744e8429e4

あちこちに大きくなったカマキリの赤ちゃんがかわいい。

サンショウにあたらしいアゲハチョウが卵が3つ並んでいた。4匹いた1令例幼虫が、しっかり捜索も1匹しかいない。

代わりに3令にまで育った幼虫を見つけた。チョウまで育つのは2%と言う。弱肉強食の世界、幸運を祈るしかない。

 

梅雨の晴れ間に、休み無くいのちが輝いていた。(2012.6.12)

 

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今日の出会い

2012-06-08 | Weblog

二度とない人生だから


   真民の詩に
二度とない人生だから
  一輪の花にも
   無限の愛を
   そそいでゆこう
   一羽の鳥の声にも
   無心の耳を
   かたむけてゆこう”とある。

 二度とない人生だから、小さな虫たちにも、無限の愛をそそいでゆこうと思った。
今日も、小さな虫たちの姿を無心にながめてきた。
一つ一つの出会いがありがたかった。

今朝、庭でヒメウラナミジャノメを初見した。2頭仲良く飛んでいた。

 

昼近くから、里山へ。

びっくりしたこと。

クララの葉で、盛んに産卵するルリ色のチョウ、一瞬オオルリシジミ?頭をよぎった。絶滅して久しい、幻のチョウだ。

産卵して飛び去った蝶を追ったら、ルシシジミのメスだった。ルリシジミはクララも食することを確認できた。

 

小学生の時に買ってもらった原色日本蝶類図鑑 (保育社)にも、

『棲息地として、新潟の妙高、長野では犀川畔・岩菅山・松本市街・浅間山麓・上田太郎山・諏訪・八ヶ岳、福島では会津盆地、青森の八甲田・岩木山など』と書かれている。

今やほとんど後で絶滅してしまった。かろうじて、信州安曇野・東御市などで地元の保護対策によって守られている状態である。

会津盆地の坂下には棲息していたオオルリシジミの標本が、国立科学博物館に残されていると聞いた。

今日ギンイチモンジセセリを初見した。ススキの枯れた茎の間をちょんちょんと飛んで止まった。ススキを食するが、暖地では年3回の発生らしいが、この辺は1回だ。

   

今日は、アマゴイルリトンボの発生を確認したかった。数日前から、メスらしい個体を確認していたが、

今日は♂のルリ色が少し濃くなっている個体を撮った。やはりアマゴイルリのようだ。

 ♂ 

もう少しで、あの美しいルリ色がスイスイ飛ぶ様子が見られるだろう。

コサナエに次いで、フタズジサナエ?が多くなったようだ。でも、図鑑ではフタスジは富士川以西に分布とある。

コサナエ属の識別は、尾端の構造に寄るらしいがなかなか分からない。いろいろな角度から撮った。

コサナエ♂                             ♀

 

フタスジサナエ?

   

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◎ 訂正  フタスジサナエではなくヤマサナエです。

 胸部側面に2本の黒条にとらわれすぎました。実はフタスジサナエもコサナエと変わらないほど小さいとのこと。

 一回り大きいヤマサナエでした。
   
 日本自然科学写真協会SSPの画像掲示板に尋ねて、ツルリンさんから教えて頂きました。

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今日も、サラサヤンマが歓迎してくれた。たまに会える人間に興味があるのだろう。

ホバリングを繰り返すが、なかなか同じ位置にはじっとしてくれない。

そのうち疲れて日陰に止まったところをしっかり撮った。

 

ハラビロトンボも成熟して黒くなり、額のルリ色の宝石が一段と美しく輝いていた。

ヨツボシトンボも正面から撮ってやった。

 

ヒョウモンチョウも初めてだった。クモガタヒョウモンだった。

 

 シュレーゲルアオガエルに出会った。近づいても、じっとして動かない。近眼ではなく、おっとり屋さん。 

池では相変わらずエゾイトトンボ、オゼイトトンボが産卵の最盛期だった。

エゾイトトンボ                                                     オゼイイトトンボ   

 

オオルリボシヤンマやギンヤンマも見かけた。夏本番を思わせた。

以上本日の里山巡り、記録にとどめた。(2012.6.7)

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すべてが,貴重な出会い

2012-06-05 | Weblog

何日か前に、「一切衆生が愛おしい」と書いた。。
里山に一人立ち、生きとし生ける虫たちを見つめるとき、いつもそんな気持ちになる。
今日も、かなり歩いた。その歩みとともに、衆生に会う。たまたまの偶然の出会いだが、すべてが貴重な出会いだ。

いくつかの出合いを載せる。

チョウの仲間

昔、小学生の頃、図鑑にはキマダラヒカゲだけだった。いつの頃からかヤマキマダラセセリとサトキマダラセセリが区別された。

両種は棲み分けていると図鑑にあるが、この辺ではほぼ同じ領域で見られる。

突然飛び出し、敏捷に舞うが、すぐに止まる。よく吸水していたり、樹液にもきている。

右がヤマで左がサトのようだ。後翅基部の紋の並びや後翅外縁部の色合いで区別している。

 

ヒメキマダラセセリ

 

前翅翅の先端の蛇の目が2つと3つ、でもいずれも後翅裏面の中央の暗線は外側に屈曲しているのでナミヒカゲではなくクロヒカゲなのだろうか。

 

ヤナギの樹液にきていたシータテハ、ルリタテハ、いずれも越冬種で未だ夏型は出ていない。

 

 

トンボの仲間

コサナエ♀は右の♂に比べて黄色い。長い間狭い範囲でホバリングしているので、写真は撮りやすい。

黄色の膨張色にもよるのだろうか、♂は♀に比べて小さく感じる。

 コサナエ♂

今日は、ホバリングする何者か分からないトンボを見かけ、粘って撮った。

こちらも疲れたが、トンボも休んでくれた。ようやく撮った写真、きれいな斑紋が美しく鮮やかに見えた。

どうも、以前にも、ホバリングしているところを苦労して撮ったサラサヤンマのようだ。

 サラサヤンマ♂

ニホンカワトンボの橙色翅型を見た。橙色翅型♂、透明翅型♂、透明翅型♀が存在するらしい。

 カワトンボ属には アサヒナカワトンボ、 ニホンカワトンボ があり、
   最近のDNAを使った系統学的研究によって,以前のオオカワトンボ+ヒガシカワトンボがニホンカワトンボに,ニシカワトンボがアサヒナカワトンボに改称された。
  アサヒナカワトンボは、新潟,群馬,埼玉,東京,茨城各県より南西の本州・四国・九州に分布し東北北海道では分布しないとされている。

 トンボ池では、相変わらずエゾやオゼイトトンボが産卵の盛りだった。

オゼのワイングラスの模様が見える。

      

 トンボの同定が難しい。これは何だ。

コサナエより大きい。胸の2本のスジからフタスジサナエで良いのだろうか。 

 

シオヤトンボが成熟してきた。メスは単独で打水産卵していたが、ペアは今年初めてだった。

   

 

《野鳥たち

里山を歩くと、姿は見えないがウグイスがのどかに鳴いている。今日は田に渡りが聞こえるノビタキに会えた。

梢に鳴くのは何という鳥だろうか?。 野鳥は300㎜望遠では足りないようだ。暫くご無沙汰している野鳥の大家Yさんに尋ねてみたいと思っている。

池で、バンの家族を見ることができた。

この池で無事に子育てをしたのだろう。近づくと子供たちに警戒する鳴き声を発していた。陰でじっと見つめていたら、子供たち6頭が親の後をついて泳いでいた。

  ノビタキ  ?

 バンの親子

 数日観察した、愛おしい衆生たち。彼らすべての幸多からんことを祈っている。

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◎ 獣医師のYさんにメールで尋ねたら、早速回答があった。図鑑で推測したノビタキではなかった。

  『さてご質問の鳥の画像の名前  上からヤマガラ(ノビタキではない)、ホオジロ♂、バン親子です。ホオジロ♂は「一筆啓上 仕り候」 「札幌ラーメン、味噌ラーメン」と聞きなしされています。』と。

 併せてホオジロの鮮明な写真が添付されていた。 Y先生ありがとうございます。

 何事にも先達はあらまほしき事なりだ。(6/6記)

  ホオジロ

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エノキの葉の瘤

2012-06-02 | 自然観察

   庭のあちこちに榎が生えてくる。いつも枝を切り詰めているが、かなり太い、いい盆栽風に育ったものもある。
最近、エノキの葉に小さなこぶが沢山出来ているのを見た。気持ち悪いが触ると固く、つまむと葉がくっついて取れた。

ネットで調べると、「エノキと生きる」というブログを見つけた。不思議な瘤は何者かすぐに分かった。
この瘤はエノキハトガリタマフシと言うもので、エノキトガリタマバエの幼虫が入っているらしい。

ネットの写真を見てルーペで覗きながらナイフで切ったが、空洞に虫らしいものはいなかった。
白い瘤は6月ころ茶色になり、地上に落ちる。そのまま地上で、虫こぶの中で翌春まで休眠し、蛹化する。それは新葉が出てくる直前に羽化して産卵するという。
他にも記事は沢山あったが、成虫のハエの写真は見あたらなかった。
自然界は不思議いっぱいだ。
  そのブログには「日本では、569種の植物に虫こぶがつくられることわかっている。
虫こぶは、芽、茎、葉、蕾、花、実、根など、様々な部位につくられる。」とあった。
 また、身近にときどき見つける不思議を調べてみたい。

 

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エゾイトトンボとオゼイトトンボ

2012-06-01 | Weblog

 春を待ちかねたオツネントンボやホソミオツネントンボが産卵を終えると、夏の先陣を切って、イトトンボ属のエゾイトトンボとオゼイトトンボが発生する。

  1年のご無沙汰、エゾイトトンボのスペード型、オゼイトトンボのワイングラス型の黒い斑紋を意識しながら撮影した。

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 昆虫写真家・尾園 暁氏のブログ「湘南むし日記」(2008年06月12日「エゾとオゼ」)http://blog.livedoor.jp/photombo/archives/805631.htmlには黒い斑紋の拡大写真が載っている。
 左がエゾイトトンボ、右がのオゼイトトンボだ。

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エゾイトトンボ♂                                 ♀

 

エゾイトトンボの産卵

 

オゼイトトンボの産卵

  

 昨年も拙ブログで話題にしていた「オゼイトトンボ」 。
     http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/fc27490b97d586b376dfb31c54305069   

    
  春一番のトンボはシオヤトンボ、次いでコサナエ、ヨツボシトンボ、ハラビロトンボと次々に姿を現した。

産卵中のシオヤトンボ              ヨツボシトンボ

 

クロスジギンヤンマの産卵

 

コサナエ♀                                       ♂

 

 周囲の緑も濃くなり、いよいよ夏の気配が深くなってきた。
  ホバリングをするコサナエらしきトンボを撮ったら、若干違う。写真はオグマサナエ♀なのだろうか。

 コサナエに比べて前肩条がはっきりしている。腹部第10節の長さで区別できるらしい。

 ハラビロトンボ

久々に出会ったキバネツノトンボ          ニワハンミョウ

 

緑いよいよ濃く、すっかり夏の季節到来を意識する里山巡りだった。 (2012.5.51)


 

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