白鳥はどうしているか、久々に猪苗代の湖畔を散策した。あれほど楽しませてくれた里山の小さな自然が、物寂しいモノトーンの沈黙の世界に変わっていた。でも、落ち葉を踏みしめながら進む雑木林は、葉がすべて落ちて見通しが良く、湖畔に沿う道から、夏の間は見えない湖水がよく見え趣ある景色が広がった。
いつもコハクチョウ4~50羽が、静かな入り江に浮かぶ笹山浜へ寄ってみた。残念ながら、今の時期は一羽もいなかった。たぶん田に出向いているのだろう。三城潟付近の田へ行ってみたが、ここにもいなかった。帰路につく頃、コハクチョウが浜から山麓へ飛んでいった。なんと雄大な光景だろうか。
白鳥の飛来数は、猪苗代湖の自然を守る会の情報では11/20現在で、コハクチョウ:成鳥 1,188羽 幼鳥 146羽とある。時間帯によって、移動して生活しているのだ。
日が落ち始めていたので、長浜のカモを見て帰ることにした。
大分冷え込んできた湖畔にはほとんど人影はなかった。
砂浜へ降りるとカモたちが急いで近づいてきた。昨年から餌をやれなくなったが、パンくずをやる人がいるのだろう。数十羽のオナガガモに混じって、キンクロハジロやホシハジロが浮かんでいた。ここにはいつも羽を痛めたハクチョウがいる。
【今年はキンクロハジロが多い】
毎年、やがて来る雪の湖畔で冬鳥たちと飽かず話をするのが楽しみである。厳寒に,遙か磐梯を眺める崎川浜が最高のロケーションだ。雪が降ったら水鳥たちに会いに行ってみよう。
夕方のわずかな時間に、かけがえのない風景にふれてきた。