エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

オニヤンマ羽化

2009-06-30 | 昆虫
           【オニヤンマ羽化】

今朝、散歩道でオニヤンマを見た。水面から2㍍もあるか、タラの木の根元でヤゴの抜け殻の脇に翅を乾かしていた。まだ6時前、羽化したばかりのようで、 黒地に、おなじみの黄色い斑紋が鮮やかだったが、あのエメラルドグリーンの複眼はまだ白く濁った茶色、透明な翅は表面が朝日にキラキラと輝き、細かに揺れていた。家まで50㍍か、カメラを取りに戻り誕生を撮ることができた。4~5年かけて成虫になると言う。無事の誕生を喜んだ。
毎年夏にはわが家の庭を往き来しているオニヤンマだが、意外と早い羽化である。とはいえ明日はもう7月だ。ヤゴの抜け殻の目がギンヤンマと比べ極端に小さいのが不思議だ。



散歩から戻ると、雨が降り出した。昼前まで久しぶりに梅雨らしい雨降りとなった。 雨の中、傘をさして庭に出た。いつしか色付いてきたアジサイが息を吹き返したように元気を取り戻していた。スミダノハナビの額花がすっかり開いた。春先に株分けしたサクラソウがきれいに咲いている。また、八重のドクダミがかわいい。キクイモモドキも咲いた。これからセスジツユムシの居場所になるだろう。雨後の竹の子と言うが、クロチクは3~4㍍ほどにも伸びて、七夕に合わせて葉を開き始めた。クロチクは鉢植えを地におろして20数年になるが、庭のあちこちからにょきにょき顔を出している。あとしばらくだろう、雨の落ち着いた風情もいいものだ。

【アジサイ 隅田の花火】




【八重のドクダミ】
  

キマダラルリツバメとホソオチョウ

2009-06-29 | 昆虫
    【ヒメジョオンに吸蜜するキマダラルリツバメ】

今日は初めてのチョウを撮影出来た。キマダラルリツバメとホソオチョウだ。

ネットのHP「雪国茶屋」でキマダラルリツバメの発生を知り、早速角田伊一さんにメールをして案内をお願いした。約束の午後3時前にお訪ねし、念願のキマダラルリツバメを撮影することが出来た。

 今は使われていない畑に、ヨモギやヒメジョオンがびっしり生えていた。やはりゼフィルスの仲間である、活動は夕方だった。角田さんが言うように3時半過ぎにキマダラルリツバメがヒメジョオンに吸密に来た。静かに近づき、ファインダーを見つめると、翅を開いたルリ色、2本の尾状突起が美しかった。ヨモギの葉上やヒメジョオンに止まって休んでいるキマダラの撮影は容易だったが、飛び立つと何処へ行ったか分からないほどの速さで、すぐに見失ってしまった。

 キマダラルリツバメはここでは桐の木のハシブトシリアゲアリに育てられるが、発生は局地的なようだ。三島町では天然記念物に指定され、採集は禁止になっているが、いまだにネットを持ってくる蒐集マニアもいるようだ。春先のギフチョウについても言えるが、捕獲は禁止すべきである。









 また、以前伺ったときに角田さんに蛹を見せていただいたホソオチョウも見ることができた。初めて見るホソオチョウは、想像していたよりもかなり小さく、ギフチョウを思わせる雰囲気だった。年2回の発生で前庭で、丁度ホソオチョウがさかんに産卵していた。食草はジャコウアゲハと同じウマノスズクサである。産卵の様子をじっくり観察していたが、雌は逃げることもなく整然と数十個の卵を産んでいた。その横には、ジャコウアゲハの終令幼虫がとまっていた。生み付けられる卵塊を見ながら、ジャコウアゲハが危ないのではないかと思った。
 ホソオチョウの人為的な放チョウは知っていたが、ここ南会津の山奥で棲息していることに驚き、何となく複雑な気持ちがした。食草の廻りを離れずにふわふわとおおらかに舞うホソオチョウには責任はないが、放チョウによる影響は環境上はきわめて問題があると思われた。真剣に考えるべきことかも知れない。

 【ホソオチョウ ♀】

  【ホソオチョウ ♂】

  【交尾】

  【産卵】

日記@BlogRanking

キアゲハの蛹化

2009-06-28 | 昆虫

       【蛹化直前のキアゲハ】

 散歩道のフランネルの葉上にキアゲハの成長を眺めている。
いつしか数㎜の黒い幼虫のほとんどが、たくましい緑の終礼幼虫にまで成長し、蛹化が始まっている。花を咲かせ始めたフランエルの葉はまる坊主だ。
 孫と観察していた幼虫も、数日前に蛹化しはじめた。無心に細い葉を食べ、日々成長してたどり着いた場所で、ようやく安らぎの時を得た。
 蛹化場所を探しているうちに、何かの理由で身体を結びつけることが出来ず、土の上で皮を脱いだ幼虫もいた。兄弟たちの蛹は場所によって色違いだ。
 武琉君に聞いたら「見つからないようにだよ」と言う。

 武琉君は、学校から戻ると、我が家の縁側に飼っている、ザリガニ、クワガタ、キアゲハを見に来る。いろいろな発見をしているようだ。

世の中の雑事に関わりなく行われている、静かな命のバトンタッチを思いながら、こころから安らぎを感じている。

  【キアゲハ3令幼虫】

  【キアゲハ終令幼虫】

  【キアゲハの前蛹】

  【キアゲハの蛹化】

 【アゲハチョウ 2令幼虫】

 【アゲハチョウ 終令幼虫】

日記@BlogRanking

ニホンカワトンボ

2009-06-27 | 昆虫
 今日は、若松でも32度を記録した。福島市は全国1で35,7度まで上がったらしい。
 昼前に車を10分ほど走らせ、田の縁の涼しい木陰にカワトンボを撮りに行った。

  【橙色翅型の♂】

 ネットでカワトンボについて検索すると、
 【カワトンボは2005年に3種類に分類されたものがニシカワトンボとオオカワトンボの二種類となった。最近、再び名前が変わりニシカワトンボはカワトンボにアサヒナトンボにオオカワトンボはニホンカワトンボとなった。】また,【東北地方と北海道には,上記のうち橙色翅型♂と透明翅型♂と透明翅型♀の組み合わせで存在するが,アサヒナカワトンボが分布しないのですべてニホンカワトンボとしてよい.】と言う記述があった。

したがって、撮影した個体は、ニホンカワトンボと言うことになる。

 カワトンボを撮っていたらアカシジミが飛びだした。いよいよゼフィルスの出現だ。明日は、三島方面にキマダラルリツバメの写真を撮りに行く計画だ。




マイフィールドの虫たち

2009-06-26 | 昆虫


 昨日、喜多方では真夏日になった。今朝は何となく真夏の朝の感じ、若松の気温の予想は32度だ。いよいよ夏の到来だ。

 昨日里山にトンボの撮影に出かけた折り、イタヤカエデの枝にコムラサキ、スズメバチやクロヒカゲに交じってノコギリクワガタのペアが来ていた。
 トンボは数日前までいたエゾイトトンボの姿はほとんどみられず、モノサシトンボが多かった。ヨツボシトンボやシオヤトンボに替わってシオカラトンボが増えた。ヒョウモンもウラギンのオスに遅れて雌が出始めた。また、ミドリヒョウモンも。

 近いうちに、発生し始めたキマダラルリツバメの撮影をしたいと思っている。

絵付けした湯のみ

2009-06-23 | 文芸

  先日依頼され、麗しの磐梯の絵付けをした湯のみが出来上がった。N先生が届けてくださった。お礼にと、薔薇の花束とご自身作の飾り香炉をいただいた。そして、心配していた絵付けした湯飲みもいただいた。
呉須の濃さが不安だったが、まあまあの色合いが出ていたので一安心した。
 早速、お茶を入れ、絵を眺めながら味わった。

 私の陶芸との付き合いはわずか数年だったので、ろくろ技術は自分の物に出来なかった。でも少し作ったぐい呑みや小鉢は今も使っている。でも、絵には興味があったのでよく平皿にいろいろな絵をデザインして焼いた。小さな置物も沢山作った。はからずも15,6年前の陶芸に親しんだ頃を思い出し懐かしくなった。
 今もそのころ作った小物入れは気に入って机の上にある。また、磐梯を描いた平皿は、乗せられた料理が食べられるにつれ現れる秀峰を楽しんでいる。刺身はいつも同じような磐梯絵付けの平皿を使っている。
 




完璧な作品よりも、多少のゆがみが趣があっていい。特に自分の作品となると捨てがたく長い間使っている。折りがあれば、またいろいろ作ってみたいと思っている。


日記@BlogRanking

サナエトンボ

2009-06-22 | 昆虫
      【クロサナエ? 2009.6.19】
  
 出会った林の道で、行ったり来たりして目の前でホバリングを繰り返す。何とかピントのあった写真が撮れた。クロサナエのようだ。
 
 パソコン画面で拡大した胸の模様を、図鑑やネットの情報と見比べる。これが難しいが一つの楽しみである。

 木道にとまっていたのはヤマサナエだろうかキイロサナエだろうか?判定出来ないでいる。

  【2009.6.21】

 コサナエやオナガサナエは分かるようになったが、サナエトンボの同定はとても難しい。

梅雨らしい雨の朝

2009-06-21 | 日々の生活

梅雨らしい雨の中、傘をさしてラックの散歩を終えた。家人が起きてくるまで、雨音を聞きながらハードディスクに入っている写真の整理をした。

数日前、マイフィールドで、アザミの時期に合わせて一斉に発生しはじめたウラギンヒョウモンを撮った。草むらを食草や仲間を探すように乱舞し、ついでにアザミに立ち寄って密を吸う。ギンイチモンジセセリとウラギンヒョウモンだけの楽園だった。











いつも日曜日の我が輩にも、この日曜の朝の何とも言えない静けさがいい。
 今日の雨を予想し、昨日の夕方庭の梅をもいだ。今年も見事に大きくなった高田梅は、さすがに穫り答えがあった。どう漬けてもパリパリに漬からない白加賀梅は、去年は成り年で、今年は少なかった。一足早めに収穫し、砂糖のパリパリ漬けにした小梅を試食した。今しか味わえない甘酸っぱさがさわやかだった。

日記@BlogRanking

トンボの産卵

2009-06-20 | 昆虫
             【エゾイトトンボの産卵】

 
エゾイトトンボの産卵をじっくり観察した。
小さなスイレンの葉上で、連結しながら♀が水中の葉や茎に産んでいた。そこへ、仲間が同じ目的で訪れる。♀が産卵中、立っている♂同士が鉢合わせになりじゃれ合っていた。「ここは安全だぞ」とでも話し合っているのだろう。



産卵の様子を見ていると、♀が水中の茎を辿って後ろ向きに水中にもぐり始めた。♀はどんどん潜り、やがて♂も葉から水中に入っていた。連結したまま約7~8分は水中で産卵していた。

 【♀が潜水を始める】

 【どんどん潜る】

【連結して潜水】


 産卵方法は、種類によって実にさまざまだ。
ギンヤンマも、今日は♀が単独で産卵していたが、数日前には連結して産んでいた。クロスジギンヤンマ必ず単独で産むという。これら物に止まってゆっくり産卵する種は、産卵管を持っている。
 シオヤトンボは♀が打水産卵を繰り返し、その周囲を♂がホバリングしながら護衛している。また、絶滅が危惧されているマダラナニワトンボは水辺近くの陸地に打空産卵をする。ナツアカネ、アキアカネは連結したまま、水辺の低空から卵をばらまく。

 それぞれに、受け継いだ方法で産卵し種が保存されていく。繰り返す営みが住みやすい里山の環境でいつまでも続いて欲しい。

日記@BlogRanking

季節の花を生ける

2009-06-17 | 日々の生活

梅雨入りしたが、さわやかな快晴だ。
庭の草花が勢いよく清楚に咲き乱れている。
茶の間と玄関に、3つアレンジした一輪挿しを飾った。
ムラサキツユクサとドクダミを挿した。紫色と白が一段と清楚に見える。
蕾がなんとも言えない紅に色付いたシモツケと薄紫のミヤコワスレに黄緑色のハーブの葉を添えた。
実にさわやかで、気分が爽快だ。開け放った窓からさわやかな6月の風が薔薇の香りを運んでくれた。

日記@BlogRanking

小梅を収穫

2009-06-15 | 日々の生活

もう30年も前に、植木市で「オダワラコウメ」を求めて庭に植えた。以来、毎年どの枝も沢山の花を付け、きれいなウメを実らせてきた。ほとんど剪定せずに細い枝が伸び放題に伸びている。今年も成りがいい。二つ三つ落ち始めたので、少し早いようだが収穫することにした。
 穫りにくい高いところを残して、全部収穫した。
 収穫を終えると同時に、激しい雨降りとなった。梅雨明けの豪雨のように気持ちよく雨が降った。
 いつも思い込んで「小田原小梅」と呼んできたが、いろいろ調べたがそう言う品種は見つからなかった。何処でどう間違えたのだろうか。
 獲った小梅は、カリカリ甘梅に漬けるつもりだ。
続けて今度は、高田梅、白加賀梅をもがなければ。

イチモンジチョウ、テングチョウを初見

2009-06-14 | 昆虫
               【ギンヤンマの産卵】

 ホシミスジに遅れること2,3日、期を同じくして、イチモンジチョウ、テングチョウ、ヒメジャノメを初見した。

 【ホシミスジ】
 【ヒメジャノメ】

 梅雨明け宣言があったばかりだが、いよいよ夏到来を思わせる陽が差している。
イチモンジチョウが庭の木々を舞っていた。テングチョウも給水だろうか、新鮮な翅を開いていた。

 午前中は月に一度の診察で病院、5時前から起きている最近は待合室でも目を閉じて過ごせることがが実にいい。新しくなった病院の広々した待合室は最高だった。

午後は孫との約束で、山の公園に。武琉は虫取りが目的で、網とかごを準備して待っていた。ときどきお昼持参で行く、いつも誰もいない貸し切りの広場だ。ブランコやすべり台、ロープウエイもある。バアもママも一緒だ。
ブランコの歓声を聞きながら、裏の野原へ行く。ハラビロトンボがお出迎え、時折ヒョウモンチョウが飛んでいく。武琉君にネットの使い方を伝授しながら、我が輩は写真撮りだ。



ハラビロトンボの額のブルーに魅せられている。もうショウジョウトンボも現れた。ギンヤンマの産卵も撮った。
 クロスジギンヤンマのオスはあまりに美しい。顔を見せるがなかなか撮らせてくれなかった。オオルリボシヤンマやクロスジギンヤンマの飛翔写真をしばらくの目標にしている。 静寂に孫たちと過ごした楽しい昼下がりだった。
 
【ハラビロトンボ】
  

【成熟 ♂】


クロナガオサムシとオオヒラタシデムシ

2009-06-13 | 教育を考える
           【クロナガオサムシとオオヒラタシデムシ】

 土日は、極力孫と遊ぶことにしている。
 萌香ちゃんも、補助輪をはずしてもう自転車に乗れるようになった。
 二人にグローブを与え、キャッチボールを始めた。野球を覚えさせたかった。

今、孫たちとのふれあいを思うと、すべてが我が子に対してよりも豊かに感じられる。
 特に自然とのふれあいは、我が子よりも孫たちの方が多いと思う。親より時間にもこころにもゆとりがあるからだろう。

今日は、ネットと虫かごを持って催促する孫たちと近くの里山へ行った。そこで出会うすべてが子どもたちにとってかけがえのない自然との出会いだ。出会いのすべてが自然観察教材だ。
 武琉は今日、ハラビロトンボを知った。額のブルーを見つめ、♂や♀の違いをつぶさに観察した。オサムシやシデムシが蛾の幼虫を食べる姿に出会った。家に戻り図鑑で調べたら、クロナガオサムシとオオヒラタシデムシだった。
 虫たちを捕まえ、よく観察して放してやる。理想的な自然観察により、美しい自然に感動し、畏敬の念を抱くこころを培って欲しい。そんな願いを持ち、自然の入り口を案内している。

湯のみの絵付け

2009-06-12 | 文芸

茶碗に絵付けを頼まれた。いろいろな形の素焼きの湯のみが届いた。
 昔勤務していた高校の同窓会から、東京地区の同窓会記念品の湯のみにデザインを頼まれた。
 勤務していたころ、創立百周年の記念行事で、マグカップや湯飲みに磐梯山をデザインしたをことがあった。それは、猪苗代湖に浮かぶ磐梯山に、校歌の一節「峰は秀づる磐梯山 水はたとうる猪苗代」と添えたものだった。

 しばらく絵筆を握っていなかった。準備された筆と明るい青の呉須で、いつも描き慣れている磐梯山を描いた。猪苗代湖にハクチョウを浮かべた。
 弘法筆を選ばずだが、粘っこい呉須で、特に細い文字は難しく思うように書けなかった。小さい同窓会名と日付は、鉄筆で掘って呉須で埋めることにした。
 約20個の茶碗に2時間ほどで磐梯山を描き上げた。どのように焼けるのか、できばえが心配だ。

ついでながら、思い立って久々に色塗りを楽しんだ。
 スタンド形のカレンダーの裏面を利用して、数枚の麗しの磐梯を描いた。
 1枚4~5分の仕事なので、いまいちである。


 【静寂の湖 笹山浜から郡山方面】


 【早春の磐梯 河東・大工川付近】


 【磐梯雪景色 崎川浜 赤や青の屋根は廃校になった学校】

交尾拒否行動

2009-06-11 | 昆虫
スジグロシロチョウの交尾拒否行動を見た。ときどき見る行動だ。
翅を開いているメスにオスがアタック。何度も近づいてお腹を曲げて交尾しようとするが、メスは尾をあげて拒否していた。
 この行動は他の蝶にも全般に見られるようだ。本能以外の心理的な感情を感じた。小さな虫たちにも「こころ」があると思っている。