エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

小さな庭を楽しむ

2021-03-31 | 日々の生活

庭に咲き始めた家族の一員が沢山いる。

毎年、元気にそれぞれの生きざま、栄枯盛衰を見せてくれる。

Huruさんから、咲き始めた桜の枝をいただき、早速花瓶に挿した。

部屋が明るくなり、元気をもらった。

 

庭には、数日で素晴らしい花が咲き始めた。

   

   

トサミズキ 

カゲロウが飛んできた  ユキヤナギ

ニイザクラ  

   ミスミソウクリスマスローズ ハクモクレン

我が家にもルリシジミ

 

ちょこちょこ庭に出た。

いつも家族の一員に感謝している。ありがとう。

 

 


初チョウ 春の里山 ばんざい!

2021-03-31 | 日々の生活

このところ数日、最高気温が20度近い。

自然界のいのちは、それぞれがすべてが教えずとも春を知っている。

里山散歩、数日前に越冬したタテハ類が姿を現してくれた。いつもより少し早いだろうか。

今日は、先日はあまりに元気で止まってくれなかった初チョウ、ルリシジミを撮影。

先日のキタテハに次いで、クジャクチョウ、ルリタテハ、シータテハと再会できた。

   

 

   

スミレも、スイセンも、フキノトウも

  

フッキソウも、薄紫のキクザキイチゲも

  

柳類の穂も、

  

キブシも、アブラチャンも トネリコも

  

梅も、

 

ヒュウガミズキも

コブシも

  

みんな、みんな、個性的で美しい。

これからも、すべてに感謝しながら里山を巡りたい。 3月が終わる。

 


ショウジョウバカマが咲きはじめた

2021-03-25 | 自然観察

 

                         
今日買い物の途中に、低血糖症状となる。

何となくふらつきやすく、汗が出てきてすぐに低血糖と分かった。

ばーちゃんに買い物を任せて車へ、いつも携帯するブドウ糖錠を飲みしばらく安静にした。

月に1~2度ある。ばーちゃんは心配して、どら焼きとペプシコーラを買って店から出てきた。

落ち着きを取り戻し、今日目的の園芸店へ、パンジーの花苗を15鉢と肥料類を求めた。

数日、庭仕事に忙しかった。庭の周囲の黒竹林から7~8本を切り取り、フェンスを作った。

梅の高枝やナナカマド、カリンの枝を整理した。

サンシュウが満開となり、芽が膨らんだスイセンの一本が咲き始めた。

すぐに疲れが出る。炬燵で水分補給、午前中はあっという間だ。

庭で サンシュウ ニオイサクラ 豊後梅

  

以下、数日前の里山の春の様子をまとめた。

   飯豊連峰    磐梯

       

   キクザキイチゲ

      

 

ルリシジミ、スジグシロチョウ、キタテハ、テングチョウに会う。 オツネントンボにも。

  

  虚無僧雪形

  ショウジョウバカマ咲く

 

 

  鮮やかヒヨドリジョウゴ 

  

新しい季節が始まる。

今日も生命のよろこびがみえた。

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花語らず   柴山全慶

花は黙って咲き 黙って散っていく 
そうしてふたたび枝に帰らない
けれども その一時一処に
この世のすべてを託している
一輪の花の声であり 一枝の花の真である
永遠にほろびぬ生命のよろこびが
悔いなくそこに輝いている


春を告げる会津彼岸獅子

2021-03-20 | 日々の生活

穏やかな春を迎えた。

毎年恒例の会津彼岸獅子の公演をお城本丸へ見に出かけた。

いつになく観客が少ないようだった。

 

  

   

  

お濠には、数は少ないが、ヒドリガモ。マガモ、カルガモ、コガモが、他にオオバン、カワウがのんびりしていた。

コガモ マガモ

    

   潜り名人 オオバン

カメがあちこちに日向ぼっこ。甲羅の色はいろいろだが、外来種のミシシッピーアカミミガメだろう。

     

  メタセコイヤ 

 

いつものように、三の丸で秋月悌次郎の看板を立ち読みした。

詩碑の裏に「北越潜行の詩」が刻まれていたことを初めて知った。

有故潜行北越帰途所得   会津  秋月胤永

行無輿兮帰無家 行くに輿無く 帰るに家無し
國破孤城乱雀鴉 國破れて 孤城雀鴉乱る
治不奏功戦無略 治は功を奏せず 戦は略無し
微臣有罪復何嗟 微臣罪あり 復た何をか嗟かん
聞説天皇元聖明 聞くならく 天皇元より聖明
我公貫日発至誠 我公貫日至誠に発す
恩賜赦書応非遠 恩賜の赦書は 応に遠きに非ざるべし
幾度額手望京城 幾度か手を額にして京城を望む
思之思之夕達晨 之を思い之を思うて 夕晨に達す
憂満胸臆涙沾巾 憂は胸臆に満ちて 涙は巾を沾す
風淅瀝兮雲惨澹 風は淅瀝として 雲は惨澹たり
何地置君又置親 何れの地に君を置き又親を置かん

 

    

(参)拙ブログ 「束松峠の詩碑」 https://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/s/%E6%9D%9F%E6%9D%BE%E5%B3%A0
        「神のような人 秋月悌次郎」   https://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/0d6cbe95f4879840ef2d14b66c011010
              

越冬のキタテハに出会った。今年の初蝶だ。

 モミジの幹

 お彼岸の中日が穏やかに暮れた。(2021.3.20)


彼岸の墓参り

2021-03-20 | 日々の生活

昨日は午前中お彼岸のお墓参り、午後はHちゃんにお線香をあげに行った。

豊岡は、暮れから降り積もった落ち葉の絨毯、ほとんどがモミジ。

小一時間の落ち葉集めに、鼻水が出始め、目がかゆい。

赤茶けたスギの落葉に、スギの花粉症を疑う。

   

今年は父の33回忌、母が逝って18年を迎える。

何度も生かされ、今、静かに線香をあげている。

広いお墓の一番奥に初代、向かって右側に本家の墓石が並ぶ。

墓石の刻字が崩れ読みにくくなってきたが、初代の覚林院・・・の墓石の側面には元禄2年10月とある。

いつか、立ち並ぶ墓石と過去帳の家系図を照合したことがあった。

連綿と続いた家系、兄が12代、カロートは明治時代に建立のようだ。

小さな菊の花束を供え、線香を手向けた。

「健康に気を付けて、穏やかに過ごしなさい」とご先祖の声が聞こえてきた。

足元にオツネントンボが飛び出した。梅の花もほころび始めた。 

  

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天気は下り坂なようだ。午後、Hちゃんへお線香をあげに柳津へ。

久々の談笑中に、列車通過時間が来たので裏庭へ出た。

まだ残雪が膝ほどある裏の畑、途中埋もれながら線路わきから電車を撮った。

   会津若松行き

  倒木された杉林に

帰路は決まって月見ヶ丘温泉につかった。

 良寛像と円蔵寺

また、珍しい食材をいろいろいただいた。

シミ大根、シイタケ、ミズナ、マイタケは解凍したもの、他に、身欠きにしん、切り干し大根と。

ばーちゃんは細かく料理法を伝授されていた。晩には一杯多く飲めそうだ。

清々しいお彼岸の一日を終えた。(2021.3.19)


福寿草の群落

2021-03-17 | 自然観察

子規の句に ”毎年よ彼岸の入りは寒いのは” がある。

子規が、”暑さ寒さも彼岸まで”と言ったら、お母さんがこう答えたそうだ。(今朝の毎日新聞:季語刻々)

彼岸を迎えたが、寒い。風が吹き体感からか、庭仕事もできない。

昨日(3/16)、午後からは雨の予報で、磐梯が見える午前中に崎川浜へ向かった。

途中、赤井あたりの田んぼのところどころにハクチョウが群れていた。

数日ぶりだが、崎川浜にはカモも少なく、白鳥はまったくいなかった。

早々に湖畔を離れ、お別れを前に餌をついばむハクチョウを撮った。

相変わらず、泣きあう声がつらく切なく聞こえた。

   

   

  

 

        

目的は、福寿草の群落を撮りたかった。

数日前まで土の見えなかった群生地、雪はほとんど消え、ところどころに咲き始めていた。

ときどき信州松本のブログ仲間の自然を見ているが、会津より春の花が早くて驚いている。

福寿草にしても、梅にしても10日ほどは早いようだ。

会津も寒いが、あれほど低い冬の信州の気温からして、驚きだ。

たぶん、積雪や日照時間などの違いなのだろう。

      

  

     

対岸に翁島を望む浜にも、何羽かコハクチョウが浮かんでいた。

  

  

北帰行の無事を祈って別れを告げた。

 

帰路、いつものように八田野の森をのぞいた。

マンサク、コブシ、ネコヤナギのふくらみは3~4日前といくらも変わらない。

   マンサク

花びらが赤い 

ヒュウガミズキ サンシュウそろそろ

レンギョウ  ボケ

  

 

 シデコブシ

  フサザクラ

思えば、いつも同じ命を見つめ楽しんでいる。

天気が良いと、毎日、同じものでも会いに行きたくなるのだ。

ときどき体調を壊すが、何とか歩ければいつまでも見つめていきたい。

あと何年元気で巡れるだろうか。元気でありたい。

 


春まだ浅き

2021-03-13 | 自然観察

大震災から10年にあたる3・11、慈母観音像を拝みこころの整理をした。 (拙ブログ:「原発事故の検証」2021-03-12|日々の生活)

以下は、複雑な気持ちで八田野に見た浅い春だ。

 

土手にオオイヌノフグリ満開、ハナアブが数頭吸蜜に。一群れ、ヒメオドリコソウも咲いていた。

  

林道、キジも温かい陽気に誘われお散歩か。

  ちと遠い

10日ほど前には雪で通れなかった道も開いた。久々に飯豊連峰越しに会津観音を拝んだ。

  

今日は、たぶん満開だろうマンサクも一つの目的、フクジュソウも。

 

明るい黄色 

  枯葉が付いている

 

  ネコヤナギ(雄花)  

  

  

昨年、U字溝が設置されていて驚いた堰にショウジョウバカマの様子を見に寄った。あらためて、U字溝が必要だったのかと思う。

  

膨らんだ蕾が見えてきた。堰の周囲は少し残雪があった。  

  

白いとげの付くかなり太い大木に出会う。オオウラジロノキだろうか。今後も観察を続けたい。

  枝の部分   

クヌギ トサミズキ ボケ蕾

いつものフクジュソウを見た。この前は影も形もなかったのに、満開だ。 

毎年見ているジンチョウゲの様な黄色い花が、もう咲いていた。ナニワズのようだ。

   

浅い春だが、一日一日本格的な春に近づいている。

そのうち猪苗代湖に、フクジュソウの群落を見に行きたい。(2021.3.11)

 

 

 

 

 

 

 

 


原発事故の検証

2021-03-12 | 日々の生活

穏やかに晴れ渡った。雲一つない青空が広がっている。

10年前のあの日は肌寒く、季節外れの驚くほどの吹雪だった。

1年1年、3・11に向き合ってきたが、今日も切ない思いで一日を迎えた。

つかの間の10年だった。自分なりに心の整理が必要と思っている。

節目の10年を重く受け止めている。

 大地震、津波の災害は言うに及ばないが、思うは原発事故のことだ。

 最近明らかになった原発事故の検証結果にショックを受けている。                   

安全神話が崩れた事実、原発そのものは言うに呼ばず、事故発生時の対応からは事故は人災だと思う。

大量に残るデブリの回収計画も簡単には受け入れられない。100年かけても不可能とする専門家もいる。

まだ原発の再稼働の動きがあるが、最近は脱原発へと心が動いている。

これからの故郷のため、日本のために震災の教訓を心に刻みたい。

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(参)拙ブログ 
 ○「寺田寅彦の示唆に富む警鐘 」   2012-03-24 | 文芸
       https://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/8bec5885d96e302a1cea5cb7604558f5
    ”大震災あれから巡り竹の秋”
  書斎からながめる春は、まだ浅い。小雨に濡れる椿の緑と黄ばんだ竹の葉が風に揺れている。「竹の秋」は春の季語。親の竹は、新緑の時期に葉っぱが黄色く枯れたようになり、終には落葉する。まるで秋の紅葉のような現象を「竹の秋」と言う。
 庭の黄ばんだ竹の葉は、春を迎える明るさに影を落とす一抹の寂しさを感じさせた。そんな肌寒い早春の庭をながめながら、寺田寅彦随筆集を持ち出し、目次から「天災と国防」、「災難雑考」などを拾った。
 そこには、地震の「現象」は止められないが「災害」は注意次第で軽減しうること、さらに文明が進むほど自然災害は甚大となる事実、「安政地震」とは事情が全く違うこと、また、事故の責任の取り方や検証の意義、気象学的地球物理学的に絶えず脅かされる運命に置かれる日本であることを一日も忘れてはならないことなど、もう80年も前の物理学者の震災への示唆に富む警鐘があった。天災は忘れた頃に来たのだ。
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 ○「悲しみの向こうに きれいな花が咲く」 2013-03-12 | 日々の生活
  復興支援ソング、亡くなられた人への鎮魂の歌、被災者への応援歌『花は咲く』を毎日聴いている。いつしか、この心に染みる、寂しく静かな、そしてきれいな歌の歌詞を覚えた。作詞をした岩谷俊二氏は、亡くなった人たち、生き残った人たち、あの震災を遠くから心配していた人たちの、3.11から今に至るまでの想いを、僅かでも書き留めたかったと述べている。
 地震、津波、さらには原発に被災した方々の思いをテレビで見ては、切なく、いつも悲しみを共有することしかできない自分が情けなかった。
歌詞の一節「わたしは何を残しただろう」が気になっていたが、亡くなった人の悔しさを思い、その人の分までしっかり生きて花を咲かせなければならないと思った。
 厳しい寒さの季節の後には間違いなく暖かな春が来て、花は咲く。悲しみの向こうには新しい明日、きれいな花が咲くに違いない。 大震災から2年が経った。
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心がまとまらないままに、春まだ浅い里山が呼んでいた。

つい先日まで雪道で通れなかった高速沿いの道を通り、雪の飯豊を遠望し会津慈母観音像を拝んだ。  (2021.3.11)

   

    


マツヘリカメムシ

2021-03-10 | 自然観察

冬囲いを取り払った。いい天気だが、いつまでも北風が冷たい。
庭でサシガメらしきものを見つけて写真を撮った。

    

ネットや図鑑で探したが、なかなかヒットしなかった。
その後、図書館で「おもしろい生態と上手なつきあい方 カメムシ」(野沢雅美著、農文協刊)を見て「マツヘリカメムシ」と判明した
  https://www.outdoorfoodgathering.jp/insect/matsuherikamemushi/

北アメリカの原産で、1999年以降ヨーロッパで分布を広げた。
新参者のカメムシで日本での発見は2008年、温暖化のせいで北へ分布を広げている。とあった。

写真を撮っただけだが、解説文には、外来種の駆除やフルーティーな匂いがするので食材としての可能性などが書かれていた。

残念ながら、サシガメが頭に浮かび匂いまでは嗅がなかった。

今度見つけたらフルーチフルーティーな匂りをかいでみたい。

松の害虫らしいが、我が家の周りに松はない。

 


フキノトウ

2021-03-06 | 日々の生活

 救急車で運ばれてから2週間が経った。心房細動の診断で2週間薬を飲んで様子を見た。

幸いに異常もなく再診日を迎えた。心電図も正常で一安心、薬も脈の乱れを整え、心筋梗塞を抑える薬だけを1か月続けることになった。

歳を取ると色々出てくるものだ。1か月朝晩の計測をして血圧日誌を付けることになった。

いつまでも若いと思っていたが、4月には後期高齢者になる。

 

穏やかな、さわやかな春の日になった。

庭に出て雪の塊をシャベルでよけると黒く濡れた枯葉が重なってる。

その葉をよけると、黒い土から黄色い先が緑色の芽が出てきた。スノードロップかスイセンか。

続いて脇の雪を広げると、チオノドグサの芽か?、ブルーの可憐な花を連想した。

家のあちこちに飾っておいたカリンを庭にほおった。

   啓蟄の雪をよければ新芽伸び

   雪の下落ち葉が新芽守りおり

   積雪に耐えし緑の天を指し

         

   ツマグロオオヨコバイ

雪対策のひもを解いて回った。

ブドウ棚の竹の支えが雪の重みで何か所も折れている。早速補修した。

今年も葉を広げ、たわわに実るだろうブドウを思いながら伸びた枝を固定した。

 

蕾をいっぱいつけたツバキの下には、冬を元気に越したシダ植物が青々している。

裏になった葉に胞子が並んでいた。隣の葉を裏返すと、ここには胞子のないことに気付いた。

新しい発見だった。図鑑で調べると、胞子葉でない栄養葉があるらしい。

よく分からないでいたシダ植物について、ネットで少し学んだ。

あらためて生き物の仕組み、奥深い神秘を思った。

  胞子葉

左:栄養葉  

 

裏庭はまだどっさりの雪。解け始めたところにいくつものフキノトウを見つけた。

雪の上並んだフキボコ輝けり

     

早速つまんで蕗味噌に、昼に春の香りを楽しんだ。(2021.3.5 啓蟄)

 


三寒四温

2021-03-04 | 日々の生活

今日は初めて春を感じた。

朝晩は冷えるが、今日は10度を超えた。

南側の雪も消え始め、植え込みの間に埋もれていた植木鉢を出した。

クローズアップレンズで膨らんだ木々の芽を撮った。

ツバキ シャクナゲ 

ユキヤナギ チンチョウゲ

アジサイ  ニオイサクラ レンギョウ

 ハクモクレン

  ホウ 

サンシュウ ミセバヤ

歳のせいか、植物の名前が出てこなくなった。

温かい日には少し歩こうと思っているが、ばーちゃんが心配している。

あれから2週間、明日は付き添われて病院だ。

 


コハクチョウ旅立ち

2021-03-02 | 自然観察

北帰行前のハクチョウを観に崎川浜へ。

 

いよいよ旅立ちだ。

もう第1陣はすでに北へ向かったのだろう。

かなり少なくなったコハクチョウが、三々五々泣き叫びながら羽ばたいていた。

春の日を浴びながら、明らかに行動が違う。

   

   

           

  

 黄色い首

 

  

 

 

      

  

      

      

     

(2021.2.28)

************************* 新聞読者欄に掲載(2021.3.2)

春近し 純真な水鳥との別れ

地球温暖化の影響だろうか、ここ数年は雪が少なかったが今年は厳しい冬が戻った。まだ雪の残る猪苗代湖畔の林間をスノーシューで歩いた。湖に伸びるハンノキの枝先に垂れ下がる雄花と完熟の実や羊の顔を思わせるオニグルミの冬芽、木漏れ日に輝くコブシの蕾などを楽しんだ。木々の根開けも広がり春近しを感じつつ、あらためて、自然の只中に閑さを求める自分に気づかされた。紺碧の湖水の彼方に秀峰磐梯の雄姿が浮かび、湖畔の浅瀬にコハクチョウが羽ばたき合い、ひときは大きな叫び声が響いていた。キンクロハジロは得意の潜りを、オナガガモは逆立ちを繰り返し、カモたちはそれぞれに個性的で賑やかだ。しばし厳寒の湖水に過ごした冬の使者たちとの別れも近い。

“白鳥の叫び切なし別れかな”

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