今日、稽古堂での「野鳥の会」研修会に参加した。
小生、会員ではないが、Hayaさんから野鳥の会会津支部の研修会の案内をいただいた。
毎年実施されている、研修会「会津・猪苗代湖の自然」だ。
研究会案内には、《身近な自然の美しさや面白さをもっと知ろうと、生物に詳しい研究者の視点から「会津の自然を紹介してもらう企画で、・・・》とある。
実は一昨年、小生が講演の依頼を受け「会津のチョウ・トンボ」と題して講演した。
小生は研究者ではないが、絶滅が心配され、日々その保護を活動している立場で現状を話した。
今日のテーマは2つ、「鶴ヶ城の野鳥と生きものとの出会い」古川 裕司氏と
「猪苗代湖北岸の鳥類調査2019について」 林 克之氏
いずれも、鳥類の現状について、その長い間の継続的な観察記録を中心に話された。
約20名の参加
鶴ヶ城の鳥の話しは、古川氏(野生生物研究家、元県立博物館学芸員)一人で調べた、20年にも及ぶ野鳥の観察記録で、素晴らしい成果に敬意を覚えた。
今回示されたデータは、02年から19年までのカモ4種(マガモ、カルガモ、コガモ、オナガガモ)の各月ごとの数と、観察した全133種類についての月ごとの貴重な観察数だった。
例えばカルガモについて、観察数は02年~10年には最多の月で平均1000羽を越えていたが、
11年以降は11年多い月の平均で509羽、12年・・・323羽、13年・・・531羽、14年・・・325羽。15年・・・506羽、
16年・・・341羽、17年・・・485羽、18年・・・459羽、昨年19年・・・551羽と、11年を境に減少しているようだ。
東日本大震災前後の数について、どんな意味があるのだろうか。
次の、小生旧知の林 氏の報告は、十数年調査している猪苗代湖の北岸7か所の記録で、調査目的には、
《調査を基に、野生生物と人との共生を考える》とあった。
現在、水質環境保全のためのヨシの刈取りが行われているが、その鳥類への影響調査も目的の一つだった。
ヨシ原の管理については、オオヨシキリの繁殖期や、非繁殖期のツバメ、カワラヒワなどのねぐらに等にも
十分配慮すべきとの話があった。
話しを聞きながら、
小生関心のチョウやトンボについても、写真の記録はかなりあるが、客観的なデータのまとめが必要だと思った。
また、鳥類についてももう少し関心をもって調べてみたい。
(参)なぜ葦原を保全しなければならないのか
http://www.u.tsukuba.ac.jp/~obataya.eiichi.fu/hichiriki/03_protection.html
葦(またはヨシ)には、材料としての有用性だけでなく、河川周辺の環境を保全する様々な機能があります。たとえば、水中に乱立した茎には、波浪の減衰作用や、水のろ過、汚染物質の沈殿効果などがあります。また、ヨシ群落内の有機物分解に伴う一時的な溶存酸素不足が、水中の窒素量の減少(水質浄化)に役立っているとの報告もあります。さらに葦は、水生昆虫や魚類、鳥類、小動物の生息地として、生物多様性の維持に貢献しています。したがって、葦原を適切に保全することは、環境を守ることとほぼ同義です。