エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

大雨の後の里山

2011-07-31 | Weblog
 今日で7月も終わる、今朝の新聞は、新潟・福島の記録的な豪雨を報じている。
 会津でも只見や金山では孤立集落も出て、被害も出た。
 でも、5年かけた治水対策や避難情報の徹底、住民の意識の向上などがあって、7年前の豪雨の教訓が生かされたとある。
 
昨日、ずいぶん降り続いた感じ、しばらくぶりに里山を歩いた。
約1週間になるが、いつもの山道は足下が見えないくらいに草丈が伸びていた。
時折陽が差すが、曇り空、虫たちも少なかった。



トリアシショウマ?


ヌマトラノオ


イヌゴマ


ミソハギ


トンボ池では、チョウトンボもショウジョウトンボも少なかった。





 今日も命のドラマを見た。
 ギンヤンマが連結して産卵していた。
よく♀が単独で産卵をするスジグロギンヤンマを見かけるが、ギンヤンマは連結でも単独でも産卵するようだ。



キイトトンボがクロイトトンボを捕らえて頭から食べていた。これが自然界だ。


ルリタテハ


オオウラギンスジヒョウモンでは


トノサマバッタ


ハグロトンボ


ハヤシノウマオイ


クロヒカゲ


 帰り道、いつものミズナラの樹液レストランを覗くと、カブトムシが沢山集まっていた。
クワガタの発生より遅く、ここ1週間に生まれたのだろう。孫の観察用にと♀1、♂4頭を持ち帰った。
 黒い雲がかかってきたので、長居は無用、帰宅を急いだ。
 案の定、峠道を松長まで下りたら雨が降りだし、家に戻るころは土砂降りとなった。
 武琉は、卵を産ませたいというので、しばらく飼ってみることにした。
 今飼っているノコギリクワガタもペア、今回のカブトの♀もいるし、なんとか卵を産ませたいと思う。
 今の観察ケースは少し手狭なので、大きなケースに替え、二人で近くの量販店から「クヌギのマット」なるものを買ってきた。



 久々の里山巡り、わずかな時間だったが、今日も思い出に残る虫たちとの出会いだった。

大雨続く

2011-07-29 | 日々の生活
強い雨音で目覚めた。
台風が逸れたお祭りの後、ずっと天気がはっきりしない。
このところ、梅雨の末期の大雨のような雨降りで、この時期には珍しく、北陸から東北南部に前線が停滞しているらしい。
孫たちのラジオ体操も今朝は最終日だったが中止となった。

 萌えちゃん、武くんは、大雨の中、先生とのお別れに登校していった。
 震災で先生方の人事異動が今になってしまった。しかも、よりによって二人とも担任の先生が転勤となった。

 数日前、急に鼻水が出はじめ、今朝は微熱がでた。
 お祭りが終わり、なんだかぽっかり穴が開いたような空虚な感じでいて、おまけに孫の風邪を貰ってしまったようだ。

 小降りになった雨の中、雲の上にいるような感じで庭に出た。
 アジサイは次々に新鮮に咲いているようで、雨によく似合って見えた。
 雨の中、萩も咲き乱れ、キキョウも次々に咲いている。昨年見つけたキキョウの突然変異の花が、今年も咲いた。


つぼみが膨らんだボタンクサギ


咲き誇るギポウシ


3時頃咲くサンジソウ


庭の陶板「麗しの磐梯」






花びら10枚のキキョウ


 食べ尽くされたウマノスズクサからまた葉が伸びてきて、次々にジャコウアゲハ産卵が産卵して行く。
 数えたら20卵近くもあった。
 一部、7コの集団がとうとう孵化して、仲良く、おいしそうに食べ始めている。
 孵化3日目の2令幼虫、すぐに食糧危機に陥るだろう。いよいよ困ったことだ。
 一応疎開先は確保しているが、そのうち見てこようと思う。
 かわいいものだ。写真を撮りながら観察している。

7/27

7/29

夕6時になる。雨降りの中、ヒグラシが一斉に泣いてもの悲しい。
このこころを写真に写せたらと思う。

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神社祭礼 ドキュメント (2011.7.23)

2011-07-25 | Weblog


 町内会一番の大行事、初めて役員としてかかわったお祭りが、無事に終了した。
 夕方、わずかなにわか雨があったが、ほぼ一日、晴天に恵まれ賑やかな、しかも落ち着いたお祭りだった。
 町内に避難されている大熊町や浪江町の方々も散見され、神社に詣でて手を合わせておられた。
 その姿に切なさがこみ上げ、被災された方々の一日も早い復興、希望ある明日でありますように祈らずには居られなかった。

 以下は、急いで作った「祭礼記録」のスナップの一部だ。

 *******************************************
午前6:00 役員、各組長が山門集合し準備開始。
 レンタカーで会館から神社へ用具の搬送。

 

清掃や出店のテント設営、店のテーブル設置など進める。

会館ではお供え物や、販売の下ごしらえ
(焼きそば用の野菜 、トウモロコシ300本をゆでる)
 

 11:00 全員神社拝殿に集合 神主からお祓いを受ける。

  



景品交換所も準備完了                    「祭り大賞」自転車喜びの当選者 
 
 
12時 準備完了 販売開始
《子供会販売》 
お菓子型抜き 、ジュース販売 、かき氷 ¥100、水風船割り(3本100円)、くじ引き(100円、50円)、豪華景品の人気の射的 etc
  

                  

《町内会出店》     
○好評の焼きそば 1パック300円 300食完売、○焼きトウモロコシ1本200円 300食完売、○ビール・酎ハイはほとんど売れなかった

   

p.m7::00 ほぼ売り切れで終了後片付けはじまる。 
8:30 テント撤収完了
 翌7/24 a.m7:00 山門集合 役員だけで境内清掃点検、国旗、祭礼幟り片付け 
   ゴミ出し作業、町内会館整理   
  *******************************************
   
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夏休み始まる

2011-07-22 | Weblog

 孫たちが夏休みに入った。
きのうは終業式、昼に元気で帰ってきた。
通知表を拝見、武琉くんは熱を出して2日休んだが、萌ちゃんは皆勤賞、賞状をもらってきた。
また、二人とも、成績も優秀、揃って七夕展で金賞の賞状を貰ってきた。
よく頑張ったと、家族皆からほめられていた。

一夜明け、今朝は朝6時半、短大グランドでラジオ体操が始まった。
1年ぶりのラジオ体操、空は台風の風が嫌なものを持っていってくれたようにきれいだった。
両腕を前から後ろに、青空に白い雲が霧のように流れていた。
一瞬、昨年も同じ思いでゆく雲の流れを見つめていたような気がした。





 朝のうちに今日の宿題を済ませ、武琉くんと里山へ出かけた。
ネットと虫かごを持っての虫採りだ。
 ときどき、じーちゃんの撮ってくるクワガタの写真を見ながら、どうしても採りたいとせがまれていた
 この前オオムラサキが集まっていたいつものミズナラの木を見に行った。
 いたいた、ノコギリクワガタ、コクワガタ、アオカナブンが樹液を吸っていた。




ミヤマカミキリ


アカアシクワガタとアオカナブン


ルリタテハ

涼しくて秋をおもわせる林道を歩くと、トンボがいっぱいだった。
 アキアカネ、ノシメトンボに混ざって、マユタテアカネやマイコアカネが涼しい風に優しく飛んでいた。浮かんでいると言った表現がぴったりだ。


マユタテアカネ


マイコアカネ


ノシメトンボ


コオニヤンマ

今日は久々にダイセンシジミに会った。
 最近hウラミスジシジミと呼ばれている、学生のころ飼育した懐かしい蝶だ。
あの美しいルリ色が見たくてチョウに手を近づけると、羽ばたきに懐かしい色が見えた。


ウラミスジシジミ


ミズイロオナガシジミ

 道沿いの笹にスイスイと流れるイトトンボはほとんどがクロイトトンボだった。
 コミスジやイチモンジチョウが地面に吸水に、またオカトラノオやのチダケサシ花にクマガタヒョウモン、ウラギンスジヒョウモン、が吸密していた。
セセリはコキマダラセセリのようだ。


ウラギンスジヒョウモン


コキマダラセセリ

武くんは、なんとかトンボを捕れるようになったが、網から出すのに苦労していた。
 昆虫少年になればいいが・・・など思いながら、虫取りのコツを教えることはなんと嬉しいことか。

 カエデの幹に蜩が止まっていた。逃げることもなく手で捕まえ虫かごに入れた。
帰りに車の後部座席で、武流が叫んだ。「蝉のおしりから虫が出てきた。気持ち悪い」と騒ぐので、車を止めた。
 見てみると、間違いなくセミのお腹から蛆虫のような幼虫が4匹出ていた。寄生虫だと直感した。セミがほとんど動かない理由がわかった。
 あとから調べると、出てきたのはセミヤドリガの幼虫だった。震動でお腹から這い出したのだろう。


寄生されたヒグラシ


尻から幼虫が出てきた


セミヤドリガの幼虫

 同じ里山でも、その都度いろいろな出会いや発見があるものだ。
他に,エゾゼミの抜け殻、気になっていたヒマラヤシーダの球果も見つけた。
また、林間にヤマユリがきれいに咲いていた。


エゾゼミの抜け殻


こんなに育っていた球果



その場で、クワガタだけを残して、いっぱい採ったトノサマバッタの幼虫やトンボなどを逃がしてやった。
 帰宅後、土や枝を入れたケースにクワガタを放した。ゼリーも置いた。何年か前に飼育した時の残り物だ。
夏休みの武流の観察教材となりそうだ。
(2011.7.22)

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ジャコウアゲハ また産卵 

2011-07-21 | Weblog
                             【ジャコウアゲハの卵を物色するアリ】


 数日前の朝早く、庭で育ったジャコウアゲハが旅立っていった
その後、今年は庭にときどきジャコウアゲハが訪れている。
木陰をひらひら舞っていく。♀が来ると、少し心配だ。わずか数株のウマノスズクサは、この前4,5頭の幼虫に食べ尽くされた。
 また少しづつ葉を広げたウマノスズクサ、何気なく葉裏を見ると、なんと、また7個、3個とあちこちに卵が産み付けられていた。



困った。こんなに卵を産んでいったって、食草は間に合うはずはない。餓死してしまう。
 田の畦や土手を歩いても、おそらくそんなには見つからないだろう。
 しばらく小さいうちに、なんとか食草を見つけてやりたいと思っているが、困ったことだ。
チョウの知り合いのHさんに電話した。食草は何本もあるようだ。
なるべく早めに幼虫を持っていきたいと思っている。

 その後、ネットで科学的な記述「黒蝶の戦略 ジャコウアゲハの超能力」を見つけた。
http://members.jcom.home.ne.jp/kisono/jakouageha2/jakouageha2.htm
以前、ジャコウアゲハの産卵風景を観察したが、前脚で葉を触っているような仕草をみた。
○「オスとメスの前肢を比べるとメスの前肢には多数の針のような毛があり、メスはこの前肢で葉の表面をひっかいて傷をつける。」
 前肢に感覚器官があり、ウマノスズクサに含まれるアリストロキア酸を嗅いでいるらしい。納得できる記述だった。
でも、それ前に、無作為に草むらを探すわけではないだろう。
数株ある我が家にはその臭い成分が漂っていると考えられる。
また、興味ある記述もあった。
○「アリストロキア酸には強い毒性があり、ウマノスズクサはこの毒を作ることで昆虫による食害から身を守っていると言えるが、
ジャコウアゲハはその裏をかいて毒に対する耐性を獲得し逆に利用しているのだ。
つまりジャコウアゲハの幼虫はウマノスズクサのアリストロキア酸をせっせと食べて体内に蓄積して小鳥などの天敵から身を守っているのだ。」
○「小鳥はどうしてジャコウアゲハが毒を持っていることがわかるの?だろう。
ジャコウアゲハは幼虫も成虫も特別に目立つ色彩を持っている。
これを警戒色と言って小鳥は学習しているのだという説がある。」
○「自然界における生物の営みははかり知れぬドラマに満ちている。」
まさに、日々目にする虫たちの行動のすべてがふしぎで、興味深いものがある。

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黄昏そむる 雲の色

2011-07-19 | 日々の生活
 

岸辺の緑 夏木立
榎葉蔭(えのきはかげ)の まどろみに
夕暮さそう 蜩の
果敢(はか)なき運命(さだめ) 呪いては
命の流れ 影あせて
あわれ淋し 水の面(も)に
黄昏(たそがれ)そむる 雲の色


大好きな寮歌の一節だ。
春寂寥 旧制松本高等学校寮歌
http://www.youtube.com/watch?v=ryeAgRe8-RM&feature=related
 
ときとして、自然は思いがけない美しさを表現してくれる。
その一つが黄昏の空の色、いつも巡る季節の夕空をながめる楽しみがある。

夕食中に、真っ赤な空が見えた。
余りの美しさに、カメラを手に庭に出た。しかし、空を撮るには、鬱蒼と茂る庭の木々が邪魔をした。
 すぐに2階へ上り空の雲を写した。こんなに美しい雲をながめたことはなかった。
 食事中の家族を全員呼んで、2階から西の空を仰いだ。
 台風の影響か、いつになく真っ赤に染まる夕日に、しばしみとれて佇んだ。
 雲の合間からの輝きは、かつて見たことのない希望溢るる輝きのような気がした。
 飯豊にかかる雲の色、これまた、初めて見る地球の美しさだった。







 折しも、蜩が鳴いた。
 自然と、寮歌の一節をつぶやいた。
”あわれ淋し 水の面に
   黄昏そむる 雲の色”

台風の成せる大気の織りなす技か、芸術的な黄昏に感動した。
 そsて、とうに過ぎ去りし青春が蘇ってきた。

 


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感動の朝の始まり

2011-07-18 | Weblog

午前4時過ぎ、ジャコウアゲハが心配で庭に出た。
既に遅し、蛹は剥けて、その上の枝に羽化したジャコウアゲハが止まっていた。
心地よい風にかすかに揺れていた。
羽化の瞬間は見られなかったが、明るくなり始めた静寂に、新しい命の無事の誕生を祝った。



一頭のジャコウアゲハが庭のウマノスズクサに産卵していった。6月8日のことだった。
わずか数本、目立たない木々の間に伸びた食草を見きわめ、6コの卵を産んでいった。
 拙ブログ【ジャコウアゲハの産卵 2011-06-09】

6/8

6/13

 孵化が6月17日、順調に育って大きくなるにつれ食欲大生、わずか数本しかない食草ウマノスズクサは食いつくされていった。

6/20

6/22

6/25



心配して、大きくなった幼虫を葉のある茎へ移動させたりした。
困ったことに幼虫は茎を食いちぎって切断してしまう。
仕方なく切断された先の茎を挿し芽にしたりした。
一頭がクモにやられ、一頭が行方不明に、終令を迎えた幼虫4頭を確認した。
じきに姿をくらましたが、一頭だけ近くのヤマボウシの枝に前蛹体を見つけた。7月7日
きれいなオレンジ色の蛹を毎日観察した。

7/7

7/14

昨日、蛹の色合いが少し黒く変わってきたので、今朝あたり羽化ではないかと予想していた。

7/17

孵化まで9日間、蛹化までの幼虫時期がちょうど2週間,蛹期間が10日だった。
 
ジャコウアゲハの誕生を写真に撮ってから、テレビ観戦だ。
奇しくも今朝は女子サッカーワールドカップ決勝,感動的な素晴らしい試合だった。

 ネット記事から
サッカー女子W杯で米国に勝って初優勝を決め、トロフィーを手に喜ぶ日本代表の沢(中央)ら。
沢は今大会5点目で、得点王を獲得。最優秀選手(MVP)に選ばれた。(17日、ドイツ・フランクフルト)
 「日本は後半24分に先制されたが、同36分に宮間あやが同点ゴール。延長前半14分にワンバックのゴールで勝ち越された後も、同後半12分に沢穂希が決めて再び追い付いた。PK戦ではGK海堀あゆみが好セーブを連発し、過去21敗3分けの米国から初勝利を挙げた。」


9時、庭に出ると、羽化したジャコウアゲハが木陰をひらひら舞っていた。
ふるさとを確かめるように、しばらく流れるように舞っていた。
 平和な何事もない幼虫時代を無事に過ごし、今大空に羽ばたくジャコウアゲハを見て、胸が熱くなった。

7/18

7/18

どうかこの命に幸多かれと祈った。

2つの感動に浸り、今日も暑い夏の朝が始まった。

日記@BlogRanking

夏祭りの 準備

2011-07-16 | 日々の生活

7月1日を皮切りに、市内では夏の風物詩「お日市」が繰り広げられている。
  毎日のようにある各町内の神社、仏閣や産土神の祭礼として行われてきた夏祭りである。
 7月1日皮切りは、日新町のおんば様(御姥尊)大きいところでは、通称おすわ様、すみよし様、こがい様など、
 とけも賑やかだ。
 我が町内の八幡さまは、昨日7/15日が例大祭、町内会の役員、各組長が集まってお祓いを受けた。
 例大祭で 厳かな祝詞を聞いていると、昔の出来事が走馬燈のごとくに浮かんできた。
 手を合わせると、若かりしころのこと、元気はつらつな姿、父や母のこと、兄弟や家族の顔が次々と・・・。



 実際には今年は23日(土曜日)に町内一の大行事として行われる。
 今朝は6時集合で、第一弾の準備、神社境内の清掃、お祭りの幟旗や奉納幕などを飾った。
 そのあとは抽選券作りと当日の確認打ち合わせをした。
 役員中心に準備を進めているが、町内出店では、焼きそば、焼きトウモロコシ、飲み物を販売する。
 子供会も射的や工夫を凝らしての出店を計画している。
当日は台風が過ぎて、真夏の暑い晴天、できれば夕立もない一日でありますように祈っている。


今日も暮れた。

2011-07-14 | Weblog
  
 昼、トンボ池に行く途中に、日橋側の清らかな水の流れを見た。
夕方、真っ赤な夕焼けに誘われ庭に出た。



 北の上空に、もくもく真っ白な積乱雲を見上げた。



ひとときの自然の織りなす季節の姿を心で受け止めていた。

生き方に思いを巡らせたいときに、日橋川の清らかな水の流れを見に訪れることがある。
そんなとき、川の流れを眺め方丈記の一節を思う。

「 ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
 世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」



 特に あの巨大地震以降、無常観に沈み、ずいぶんうつろな日々を過ごした。
 いくらか落ち着きを取り戻しつつあるが、依然として原発の不安は消えないし、気を紛らせる毎日のような気がしている。

 縁あってお隣に住まれることになったMさん。その心をいつも気にかける日々だ。
 ふるさとでの平和な日々が一瞬のうちに失われた。
 一時帰宅では、すべて流されてしまった家の周りで、わずか3枚の写真を見つけてきたと聞いた。
鴨長明の方丈記には「三界ハ只心ヒトツナリ」ともある。
 どんな状況にあろうが、心の持ちようによって充実した人生がある。
 見つめざるをえない現実にも、前向きにと勇気づけたい気持ちを胸に、明るく挨拶を交わす毎日だ。
 こんな世の移ろいをぼんやり思い、これからの日本社会、世界、人間、そして一人一人の人生を思っている。

 また、良寛、道元,兼好、長明、賢治の世界に触れて、明日からの生き方を見つめてみたい。
 Man is mortal. 明日は知れぬいのちであることを再確認しながら。

魅力的なクガイソウ

2011-07-13 | Weblog

  庭にクガイソウが咲いた。どこか魅力的な高原の花だ。
園芸種で多少紫色が薄いが、純真なさわやかさは、十分高原に咲く風情を見せてくれる。
  子どもたちがまだ小さいころ、乗鞍へ高原の夏を楽しんだことがあった。
山頂までの途中に美しいクガイソウが揺れていた。
  大雪渓が残り、霧が流れる乗鞍高原で風に揺れる紫色のクガイソウが目に浮かんでくる。
  葉は輪生して幾段にも重なるので九階草の名があるようだ。
  どちらかというと,真夏より梅雨時の方が趣がありそうな気がする。

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梅雨明けのトンボ池

2011-07-12 | 昆虫
 

東北地方も梅雨が明けた。
若松もきのうは36.5度、昔はなかった気温だろう。
梅雨明けと聞くと、いっそう暑さが感じられる。

きのうは、そろそろチョウトンボが発生したかと、自称トンボ池に行ってみた。
池はスイレンが美しく咲き、黒いチョウトンボがアシの間をひらひらと舞っていた。
ショウジョウトンボ、ギンヤンマ、チョウトンボなどが賑やかに飛び、クロイトトンボ、オゼイトトンボが盛んに連結産卵していた。まさにトンボ天国だった。


【ショウジョウトンボ♂】

チョウトンボの翅は普通は濃青藍色、ときどき黒色の個体もみる。金色に光っている黒いのは産卵しているから♀のようだ。
反射角度により、金属光沢の翅も飛び方もチョウのようだ。翅の先端は透明で、色の部分の広さは個体差がありそうだ。
ときどき、尻尾をあげて逆立ちをするトンボをみかける。これは、直射日光が当たる面積を少なくする体温調節の知恵らしい。







チョウトンボの飛翔を観測していたら、尻尾を垂直に立てながら飛ぶチョウトンボを見た。
初めて見る滑稽な飛翔だった。


【尻尾を垂直に立てながら飛ぶチョウトンボ】

 帰りに別の環境の場所に寄ると、ぬかるんだ農道でアマゴイルリトンボが盛んに産卵していた。干え上がったらどうするのだろう。


【アマゴイルリトンボ】

産卵

連結

モートンイトトンボの棲む田は水が抜けていた。ついこの前まで泳いでいたイトトンボのヤゴやオタマジャクシはどうしただろう。
 ここで、珍しいムラサキシジミをみつけた。田の畦の脇のミズナラの林だ。
食草はコナラ、ミズナラなどで、成虫で越冬する。
会津では初めて見るチョウにとんなところで会えた。

ムラサキシジミ

なかなか翅を開いてくれず、裏面は地味な模様のねずみ色、飛ぶとき美しく見える美しいルリ色を撮ることは出来なかった。
 炎天下は避けたいが、体調に留意して、汗びっしょりになって里山を巡ってみたい。

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家族暑気払い

2011-07-10 | Weblog

急遽、家族全員が集まった。
先日、原発事故の影響で郡山から引っ越してきた長男一家、末娘夫婦、そして我が家の孫たちが一堂に会して夕食を囲んだ。
家族全員集合は、お正月以来?、いや先月息子たちが避難してきたときも。今年3度目になるか。
 息子からは、一月遅れの父の日のプレゼント、ありがとう。
 乾杯の挨拶は、子供たちそれぞれの家族の願いを述べたが、ともかく孫たちが健やかであってほしい。

 なごやかな食事のあとは花火大会、食後のデザートのアイスクリームで締めくくった。
 楽しいひとときを過ごし、息子夫婦が帰り、末娘が帰り、その都度送りに出た。、
 子供が小さい頃 信州の両親を訪ねたころの別れが思い出された。遠路で辛かったが、皆近くにいるのでそんな辛い別れはなかった。

 ついこの前まで抱いていた乳飲み子の孫が、なんとか抱かって膝の上でたくましく立った。もうじき伝え歩きをするだろう。
 末娘も、元気な赤ちゃんを産んで貰いたい。秋には5人目の孫になる。

 子どもたちを招いた暑気払いの最中に、思いもかけない来客があった。
 30年前の教え子の突然の訪問だった。ワラビを採ってきたから食べてと。
 数年前の同じような光景が蘇った。忘れもしないO君だ。
 玄関先で、しばし懐かしい話が咲いたが、いずれ、N君と訪ねてくると言う。
 近いうち、懐かしい卒業生の来訪があるだろう。心待ちにしている。

 久々の家族が勢揃い、さらに教え子との再会、うれしさと懐かしさがこみ上げてきて、ほろ酔いでブログのキーボードをたたいている。





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国蝶 オオムラサキ

2011-07-08 | Weblog

 ニュースで東海まで梅雨が明けたと告げていたが、東北はまだしばらく梅雨空が続くようだ。
 午前中雲が消えて、ぎらぎら太陽が照り始めた。ヒメシロチョウを見に近くの里山を巡った。
交通量の多い国道からわずか入っただけの里山は静寂の世界だ。





 農道にはコオニヤンマが何頭も行き交い、アキアカネ、ノシメトンボ、ミヤマアカネ、ハグロトンボも一斉に出てきた。

アキアカネ

ミヤマアカネ

ハグロトンボ

 思った通り、ヒメシロチョウの夏型も現れた。
 ほとんど止まらないで飛び続け、除草された土手にわずかに伸びた食草のツルヒジバカマを見つけて卵を産んだ。


ヒメシロチョウ 夏型



産卵




ベニシジミ


ウラギンスジヒョウモン

 道路に思いがけないオオムラサキを見つけた。木の実がいっぱい入った糞に止まっていた。
近付いてもほとんど逃げることなく、悠々と口吻を伸ばしていた。
 なかなか表翅を開いてくれないので、手を触れると近くの木の枝に止まった。
 久しぶりに美しい紫色が光った。その風格は一番だろう。













 オオムラサキは日本の国蝶だ。
最近はゴマダラチョウはとんと見かけないが、ときどきオオムラサキの滑空を見ることはあった。
20年前までは我が家の庭にも飛来していた。その滑空する雄姿が脳裏に浮かんでいる。
 また、学生のころ、秋にエノキの根元の落ち葉に幼虫を探したことも思い出した。

 別の雑木林に行くと、4,5匹のオオムラサキがクヌギの樹液に集まっていた。
 のこぎりクワガタやコクワガタもいた。







オオムラサキは環境省のレッドデータブックで「準絶滅危惧種」に指定され、
都市化が進む昨今、雑木林も減り生息地も局地的で少なくなってきている。
 市内の我が家の近くで、まだオオムラサキの雄姿を見ることが出来るのは嬉しい。
なんとか今の里山の環境が続いて欲しいものだ。

 オオムラサキは全国各地で保護活動が盛んである。
観察会や植樹などは結構だが、放蝶は少し問題があるようだ。
蝶を保護することは、その生息環境を保護することである。
 蝶を飼育して野外に放す放蝶について、専門家は
「たとえ同一地域の同一個体群のチョウであっても、飼育・放蝶することにより、
自然状態では淘汰されるべき弱い遺伝子を持った個体を野に放つことになり、
かえって個体群の存続を危うくしてしまうので、よほどのことがない限り放蝶はよろしくない」などと述べている。

 1日100種もの生き物が絶滅し続けているという。
 細々と生き延びている身近なチョウやトンボがいつまでも生息して欲しいと思う。
 オオムラサキをながめながら、愛おしさがこみ上げてきた。

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七夕飾り

2011-07-07 | Weblog

庭に伸びた黒竹を切ってきて、七夕飾りをした。
 孫たちが学校から帰るまでにと、ばーちゃんがあらかた飾り付けていた。
じいとばあは別々に願い事を短冊に書いた。
 「あっ子ちゃん、元気な赤ちゃんを産んでね。」
 「孝司君、早く元気になってね。」
 「みんな元気で楽しい毎日を!」等々、願い事はほとんど同じだった。
  じいは、他には、「健康第一」「騰々任天真」など、いつもと同じことを書いた。

帰宅した孫たちにも書かせ、それぞれに脚立に登って飾りつけた。
  学校でもみんな短冊に願い事を飾ったそうだ。
様子を聞いていたら、武琉は「ミヤマクワガタを捕まえたい」と書いたところ、先生に注意されて「jリーガーになりたい」などと、
 サッカーなどやってもいないくせに書き直したらしい。おかしな話だ。
  自分では小さい頃の記憶はないが、孫たちには、ささやかだが心の隅に残るお夕飯、七夕祭りになってほしいと思った。
七夕の夜、願い事を短冊に書き付けて笹に結ぶと、願いが叶うような気がした。


(朝7時25分  孫たち登校 )

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 今日会ったチョウとトンボ

2011-07-05 | Weblog


昨日の午前中、前日から降り続いた雨が上がったので、近間の里山を巡った。
羽化したばかりのミヤマサナエが、秋風を思わせる風に揺れていた。
天気のせいもあってか、イトトンボは少なかったが、キイトトンボを初見した。



キイトトンボ

 クロイトトンボが連結して産卵していた。



また、ショウジョウトンボは単独で産卵を繰り返していた。





シオヤトンボが姿を消して、シオカラトンボが多くなった。

シオカラ♂

 湿った農道には、オオチャバネセセリが飛び交い、コムラサキ、ウラギンスジヒョウモン、ルリシジミなどが吸水に来ていた。 
 様子をうかがうように,暗い金属色のエゾトンボが上空を舞っていた。
 農道脇のきれいなノアザミの花には、キアゲハ、ウラギンヒョウモン、オオチャバネセセリが入れ替わり立ち替わり止まった。
曇天だが、モンシロチョウ、スジュグロシロチョウがヒメジョオンに集まっていた。





オオチャバネセセリ





ほかに、シータテハ、イチモンジチョウに出会った。



 コムラサキは活発に飛び交い、ヤナギの葉に止まって産卵しているのが見えた。
 じっと吸水するあの紫の発光麟が懐かしかった。角度を変え、美しく光る紫色を撮った。





 突然、ミズイロオナガシジミが上から落ちてきた。



 今シーズン初めて会ったチョウ、トンボ、続々夏のチョウガ出てきた。
 今日も雨降りだが明日はいいようだ。 梅雨明けが待たれる。

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