【スギタニルリシジミか?】
日曜日に早春の山を見ながら温泉にと、一ノ木温泉を目指した。
坂下から泡の巻の橋を左折し、山都町から一ノ戸川沿いを走った。山都町の中心部から約13キロ、家からの走行距離は約50kmで「いいでの湯」に到着した。温泉入り口からは「冬期間通行止め」の表示があったが、昼にはちょっと早かったので、もう少し行けるところまでと、飯豊の山々の雪解け水を集めた一ノ戸川の清流を遡った。地図では西会津まで抜けられそうだったが、途中ので通行止めになっていた。川沿いに早春の雰囲気を楽しみながら「いいでの湯」まで引き返した。 ちょうど昼を廻り、手打ちの山都そばをご馳走になった。
たしか1年ぶりの温泉は、かけ流しの湯は赤みがかり、かなり熱かった。露天風呂やもう一つの無色透明の湯は、かなりしょっぱかった。表示には「泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉泉温:60.9度」とあった。
一ノ戸川沿いにはキクザキイチゲやカタクリの群落が見事だった。途中、所々に残雪が見え、蕗のとうが鮮やかに顔を出していた。
蝶は越冬したシータテハを見たくらいだったが、支流が合わさる橋の辺でシジミチョウを見つけた。ヤマトシジミ、ルリシジミとも少し違う。吸水している蝶を近づいて撮ったが、なかなか翅を開かなかったが、飛ぶ翅は少し暗めの青色だった。
帰宅後、写真のシジミチョウを同定した。初めはシルビアシジミかも知れないと思った。図鑑には北限が栃木県宇都宮付近とあり、レッドデータリストで絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)に指定されていることもあり、一瞬、貴重な発見かと思った。
ネットで「日本自然科学写真協会」に写真を貼って尋ねたら、写真の翅の裏面の黒紋から、やはりシルビアシジミだろうとの答えをいただいた。でもその後、検索先の「大阪市とその周辺の蝶」に「スギタニルリシジミ」かも知れないと教えられた。
いろいろ検討したが、今のところ今回目撃したチョウは「スギタニルリシジミ」ではないかと思っている。
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『ウィキペディア(Wikipedia)』には次ぎの記述があった。
●シルビアシジミ 学名Zizina otis emelina
生活史 :各地でレッドデータブックなどに記載があるが、ヤマトシジミと混同されていて見つかっていないという可能性も高い。またスギタニルリシジミと間違えられたケースもある。ヤマトシジミは前翅中室内その直下第1b室基部に上下に並ぶ2黒斑があるが、本種は全く見られない。また本種では後翅裏面第6室基部の黒斑はその上方の第7室黒斑の直下、またはそれよりやや内側にかたよって位置し、そのため完全な円弧状にはならず第6脈を境に分断され、ルリシジミと似たような斑紋配列になるが、ヤマトシジミの場合第6室基部は第7室基部の直下よりはるかに外側に位置して、完全な円弧状となる。
●スギタニルリシジミ(Celastrina sugitanii)
成虫は春の4月から5月しか出現しない。また山地の樹林帯の渓流沿いにいる。
幼虫はトチノキの花や蕾を食べる。スギタニとは、杉谷先生のことで、杉林のある渓流のことではないよう。後翅裏面の1c室という場所の斑がV字型、またはそれに近い形=逆ハの字のようになり、ルリシジミはその斑が明らかに2紋を形成する。
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