エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ウメモドキの花

2007-06-29 | 自然観察
 今日、ウメモドキの花を初めて見た。秋に紅い実を付けるウメモドキの花が、こんなに小さいかわいい花とは知らなかった。昨年秋、どうしても庭に欲しくて、実を付けた1mたらずの苗を買った。
確かに葉はウメの葉に似ている。湿原の周辺などの湿った場所に生育することが多いようなので、庭の大きなトウカエデの根元で多少湿気の多い、今ユキノシタがきれいに咲いている場所に植えた。
花は2、3ミリの星のような形をした薄紫色の小花がいっぱい集まっている。

35,6年前、大学時代の親友が突然、転居先の川俣に訪ねてきた。確かその年は結婚した翌年で、東京の亀戸での会社勤めを辞め、郷里の福島県の教員へ転職した年だった。 突然の訪問に、特に案内するところも分からずに隣の飯舘村の自然の中を散策したことが思い出された。そのとき、不思議な湿地帯にウメモドキがきれいに実を付けていた。変わった光景が目に浮かんくるが、いつかもう一度そこへ行ってみたいと思っている。

 これから毎年、美しい紅い実を付けながら、やがて大きな木に育つことだろうと想像した。5年、10年後のこの木の成長を楽しみにしている。(6.28)

障子貼り

2007-06-28 | 日々の生活

梅雨の晴れ間を利用して障子の張り替えをした。昨日は枠洗い、今日は紙を貼った。

 我が家には和室が三間ある。和室の窓はすべて内側が障子になっている。1Fの居間は西と南に窓があり、そこだけで欄間の小さいのを含めると8枚もある。2階の1部屋が1Fと同じで8枚、もう一部屋が窓一カ所で4枚、さらに洋間の高窓にも1セット、合計すると22枚もあった。

 いつもは、古い障子紙を剥がし紙を貼るだけだが、十年ぶりくらいだろうか、今回はいつもは洗わない格子枠全体をきれいに洗った。庭に出した障子枠にシャワーをかけた。しばらく水でうるかすと古い糊が溶け、ゴム手袋でこすると残った紙が気持ちよく剥がれた。夏の陽に枠がそらないように、早めに廊下に取り込んだ。

 今日も快晴、いよいよ紙貼りだ。障子紙と障子貼り用のチューブののりを買ってきた。紙は一枚貼りで、品質表示を見るとパルプ90%、ビニロンなど10%で、蛍光剤も配合されていた。チューブの糊は、先端に桟にガイドされるようにキャップが付いている。昔、小麦粉で糊を作り刷毛で塗っていたことを思えば、実に便利だった。キャップの先端からほどよく糊が出るようになっている。でも、初めはよかったが、終盤はキャップを止めているポリエチの容器にひびが入ってしまい、そこから空気が漏れて先端から糊を押し出せなくなってしまった。素材的に改良の余地がある商品だと思った。
 
 数日間、障子を取り払った窓からの眺めはとても広くよかった。今日障子をはめると半分が隠れて庭の視界も半分になり、何か物足りない眺めになったしまった。夏の間は障子はいらないと思った。でも、夕方の西日はやはり暑い。南側だけしばらく障子をはずしておくことにした。雪見障子の良さを思った。

アジサイの季節

2007-06-26 | 自然観察
門柱脇の白いアジサイが咲き始めた。よく言われるが、アジサイはしとしと降る6月の雨によく似合う。
「アジサイ」の語源は「アヅ・サ・アイ」、「アヅ」は「集る」、「サ」は「真」、「アイ」は「藍」、即ち「集真藍」で「小さい真っ青(藍色)な花が集まった」と言う意味のようだ。花びらに見えているのは、実は咢(ガク)が変化した装飾花で、中心部の花びららしき物を持たないのが両性花である。
 
アジサイは挿し木で簡単に殖やせるので、この時期は庭のあちこちに殖えたアジサイがさわやかで落ち着いた風情を作ってくれる。アジサイだけではなく、いろいろ挿し芽をしている。サザンカ、バラ、シモツケ、サツキ、ツツジ、バイカウツギなどで、ほとんどが根を張り殖える。

アジサイは、時期を問わずに選定しているので、花芽の付いていない枝も多い。一般的には8月中旬以降に花芽が形成されるので、花芽ができた後に剪定すると翌年花が咲かないようだ。今年は花が咲き終わった後に剪定するように気をつけたい。

 【咲き出したガクアジサイ】


アジサイにはガクアジサイ型と手まり型がある。昨年、それはきれいなガクアジサイ「隅田の花火」を買った。まだ咲くまでにはしばらくかかりそうだが、つぼみは緑色だが、花火を連想させる形が見えてきたところだ。他に普通のガクアジサイやヒメベニガク、同じ花の作りであるノリウツギも咲き始めた。
花の色は七変化と言われるように変化するが、土質が酸性だと青くなり、アルカリ性だと赤くなるそうだ。これはリトマスとは呈色が逆の色素だ。また、チッソ・リン酸が多いと赤く、カリウムが多いと青くなるらしい。いつか肥料の違いで色がどう変わるのかを確かめてみたいと思っている。

梅雨時期の3点セットは「雨・アジサイ・カタツムリ」だろう。そのうち、むかしは沢山いた「かたつむり」を探してみようと思っている。


トンボの季節

2007-06-24 | 昆虫
             【ハラビロトンボ♂】(参照)6/18「ハラビロトンボを観察」


 梅雨の晴れ間にトンボの観察に行った。体調を壊した今シーズンはまだ2度目だ。
 いつも観察フィールドにしている池ではヨツボシトンボ、ショウジョウトンボ、シオカラトンボ、ギンヤンマ、ヒメクロサナエ、クロイトトンボ、モノサシトンボなどに会った。

トンボの同定は難しい。一度ハッキリ知ると間違いはなくなるが、初めての種類は分かりにくい。♂と♀や成熟度の違いでなかなか判断できない。今日の写真、ヒメクロサナエも初めは分からなかった。胸の黒い模様で判定するのが普通らしい。翅胸部分の太い1本の黒い線で判定してみた。ヒメクロサナエの体長は約40mmで、わりとおとなしく結構近くへ寄っても逃げない。その点ショウジョウトンボは警戒心が強くなかなか近づけない。

 【ヒメクロサナエ】

 【ショウジョウトンボ】

池の周囲の湿原でハッチョウトンボに出会った。成熟したハラビロトンボの♂が多数行き交う水たまりに、成熟した真っ赤な♂を見つけた。ハッチョウトンボは世界一小さく体長は約30mm足らずである。未熟な♂や♀は黄色っぽいが、まだいないようだった。近くの原っぱではヒョウモンチョウが草むらの間をせわしく飛んでいた。食草を探しているのだろうか。ノアザミが咲き始め、時折吸蜜に止まったのはウラギンヒョウモンと確認できた。毎年同じ光景が繰り返されている。ほどなくギンイチモンジセセリが現れる頃だろう。

  【ハッチョウトンボ】


デジカメは重宝だ。かなりの写真を撮ってきて、すぐにPCで虫たちの姿を拡大してみる。同定できない時には、図鑑と照らし合わせその特徴を調べてみている。虫たちのいろいろなプロフィールを知ることは楽しいことだ。







落ち着いた梅雨の風情

2007-06-22 | 日々の生活
               【市の花 タチアオイ】
 
 雨の中、犬の散歩に出た。畑では、葉を広げ始めたサトイモに梅雨の玉が輝いていた。 

 道すがら、ピンクや赤いタチアオイがあちこちで咲き始めていた。このタチアオイは会津若松市の花である。昭和42年に戊辰百年祭の記念行事に市民からの公募で制定された。会津松平からの縁からだろうが、会津には「会津葵」というお菓子があるし、先頃男女共学になった「会津女子高校」は「葵高校」と校名が変わった。
タチアオイは「越年草」で秋に発芽し冬を越して夏に花咲き結実して枯れる。開花期も長く会津地方にたくさん見られる花だ。
 ちなみに会津若松市の木はアカマツ、鳥はカッコウだ。

 梅雨もいいものだ。しとしと降る雨に庭の草木がとても落ち着いた風情だ。
 そんな梅雨の風情を探して撮った。しっとりと雨に濡れた庭のドクダミ、ベニガク、サルビアがきれいだった。約一ヶ月、今年はどんな梅雨の季節になるだろうか。



今年もウメもぎ

2007-06-21 | 食文化

 今日、気象庁から北陸・東北地方の梅雨入りが発表された。東北南部では昨年より12日も遅い梅雨入りという。これから約1ヶ月落ち着いた梅雨の季節到来だ。

 昨日は昼ころから雨も上がり、夕方ウメもぎをした。去年はブログの記録から6/19
に収穫している。「小田原小梅」、「白加賀」はかなりの実りだ。咲いた花すべてが実を付けたくらいに、がらがらと成った。大分太く育った高田梅も結構大きく実るようになった。娘の家の庭の高田は裏年なのか、今年は少なかったが、相変わらず大きいのには驚く。ゴルフボールより一回り大きい、見事な高田梅だ。

 採り終わった頃に娘が勤めから戻ってきた。早速、柳津の従兄弟に届けることにした。木に登って小一時間の収穫で、自分で運転する体力、気力がなかったので、娘の車に乗せてもらった。久しぶりにつきみが丘の温泉に浸かりたかったこともあった。ウメもぎを手伝った孫たちも連れて行った。高速を使って30分で到着した。帰路の温泉は孫たちにはこの上ない喜びとなった。

 白加賀はどうやってもカリカリには漬からないので、我が家では梅干しにすることが多かった。でも従兄弟の奥さんには秘法があるらしく試してみたいようだった。どうなるか楽しみにしている。

 昨夜から今日一日強い雨が続いた。昨日のウメもぎは正解だった。ウメの枝やウメが台風一過のように、しとしと降る庭にころがっている。

 

虫たちの気持ち

2007-06-20 | 日々の生活
 久しぶりの雨降りだ。梅雨入りも大分遅れているが、数日中に宣言が出されそうである。 しとしと降る雨に、咲き始めた、多分ベニガクだろうアジサイが爽やかに元気に見える。

 こんな雨降りに、チョウやトンボ、ハチたちはどうしているだろうか。昨日まで稼ぎ時の晴天に飛び回ったから、今日は少し身体を休めているのかも知れない。

大好きな作家、北杜夫に「幽霊」という作品がある。青春の頃から、何度読んだか分からない作品だ。北杜夫が23歳の頃の初めての長編小説、その、第1章の書き出しにいつも思い出される文章がある。そこには蚕の気持ちが表現されている。
【 「人はなぜ追憶を語るのだろうか。」・・・・人は知らず知らず、くる年もくる年も反芻し続けているものらしい。・・・・それにしても、人はそんな反芻をまったく無意識につづけながら、なぜかふっと目覚めることがある。わけもなく桑の葉に穴をあけている蚕が、自分の咀嚼するかすかな音に気づいて、不安げに首をもたげてみるようなものだ。そんなとき、蚕はどんな気持ちがするのだろうか。」 】

 いつも、生きとし生けるものにはこころがあると信じている。虫たちがどんな気持ちで雨の庭を見つめているだろうか、ぼんやり考えた。

クロチク

2007-06-19 | 自然観察
        【あちこちから筍が生えてきた】
  
 鉢植えのクロチクを買ったのはいつだったろうか。
 ある時このクロチクを3株に分け、庭の地におろした。あれから20年にもなるだろうか、今、庭の南西から西側にクロチクの林が広がっている。毎年その勢力を広げ、今年もあちこちから続々と筍が生えてきた。
 とんでもないところに出てくるクロチクは頭をちょん切られる。

 クロチクが少し増え始めた頃、庭に今まで出たことのないキノコが出現した。それは見事なキノコで、スーパーで売っているエリンギに似た真っ白なオオイチョウダケだった。それは、毎年少しずつ場所を移動しながら10年ほどはざるに一杯ほどが採れた。よくキノコ汁にして食べたり、塩付けにしたりした。このキノコの菌には竹と杉が必要らしい。

 クロチクの生えたての青い竹は1年後には黒くなる。雪の重みにもしなって折れることはない。四季を問わず緑がきれいで、なかなか趣がある。
 そう、七夕には、毎年立派な竹を使って短冊を飾っている。今度、筍を味わってみよう

---- ネットより ------

クロチク(黒竹) は、幹(さお)が黒いので命名された竹です。ハチク(淡竹)の変種と言われます。さおの色は、春は緑で、秋に黒斑が出始めその後(紫)黒色となり、伐採後も黒い色は変わりません。生垣や鉢植えなどの植栽や釣竿、暖簾の棒、花器やすのこなどの黒竹細工の材料として利用されます。筍としても食べられます。

一般名:クロチク(黒竹)
学名:Phyllostachys nigera Munro
別名:ニタグロチク
科属名:イネ科マチク(真竹)属
原産地:中国
さお丈:5~10m 出筍期: 4~5月 さお色:緑~黒斑~黒(伐採後も色は変わらず)
葉色:緑

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ハラビロトンボを観察

2007-06-18 | 昆虫

  しばらくぶりに野外でとんぼの観察をした。
  孫は、昨日幼稚園の両親学級があり、その振り替えでお休み。せがまれて孫2人といつもの山の公園(そう呼んでいる)へ。そこには、二人のお気に入りのすべり台とブランコがある。いつ行っても誰もいない公園で、田んぼが広がる小高い神社の山の脇にある。
 二人がばあちゃんとブランコやすべり台で思いっきり遊んでいる間、じいちゃんは公園の周りの広い休耕田の草むらをデジカメを持って散策している。こだまする子どもたちの元気な歓声を聞きながら・・・。

 今日は、ハラビロトンボの天国だった。いるいる、大分背の伸びたヒメジョオンや綿毛を付けたノボロギクの間をハラビロトンボが飛び立つ。羽化したてのあわい黄色い個体が多いが、なかなかすばしっこく、近づくとすぐ飛び立ってしまう。じっと待っていて近くに止まった顔とにらめっこしながら接写した。顔の金属色の青い輝きがとてもきれいだ。
 未成熟の♂だろうか、真っ黒な個体をしばらく観察した。これはそのうち成熟するとシオカラトンボのような粉を吹いたような青色になるのだ。
 荒れ地の脇に干え上がりそうな水たまりがある。近くに他に池でもあるのだろうか。いずれ、この狭い環境で細々生きているのだろう。どのトンボも微妙な自然のバランスの上に成り立っているのだ。

 
【ハラビロトンボ♀】


【ハラビロトンボ 未成熟♂】

久々の日本画を楽しむ

2007-06-16 | 文芸

 河東町にある足利ギャラリーに行った。玄関を入ると、「百点美術展」の案内板の下には「磐梯山」(青谷保)が飾ってあった。落ち着いた秀峰・裏磐梯が描かれていた。
 あまり広くはないギャラリーには、著名な画家達の洋画、日本画、彫塑などの200点の作品が、所狭しと飾られてあった。そうそうたる画家の絵が、これだけ一堂に会していて驚いた。作品名と共に、販売価格が表示されていたが、無料でこれだけの作品が見れるのだから嬉しい。あまり見ることのできない傑作を居ながらに鑑賞することができた。
 
 洋画も良いが、日本画は落ち着いた雰囲気に惹かれ静かに鑑賞した。
 作品は、東山魁偉の「北国初雪」、「湖畔の春」、「行く秋」など、奥村土牛の「富士」、平山郁夫の「薬師寺の塔」、「薬師寺の朝陽」、「朝陽駱駝行く」、植村松風の「新秋」、大山忠作の「桂林」などがあった。林武の「カニ」や棟方志功の「舞妃の柵」などもあった。どこかで見たことのある中川一政の「孟浩然」や徳永真一の「安心なる」など、興味をそそられる作品もあった。
 帰りに、池田満寿夫の絵をプリントした10枚セットの陶板(約10×10cm)を求めた。
 
 足利ギャラリーは、緑さわやかなこぬか雨が降る田園風景の真っ只中にあり、遙かに雨雲に覆われた磐梯山麓がかすんで見えた。帰路、磐越西線下り「広田」-「会津若松」間の踏切で止められ、特急あいづの通過を待たされた。
 真っ赤な車体に、磐梯山と赤ベコがデザインされていた。



 何度目かの訪問だったが、こんな近くに美術鑑賞できるところがあったのかとあらためて思った。時々訪問させてもらおうと思っている。

爽やかなサクランボを味わう

2007-06-15 | 日々の生活
今年はサクランボ「ナポレオン」が何年かぶりにたわわに実を付けている。
大分赤くなったので、孫にせがまれ少し収穫してみた。

 我が家を新築した30年前、一番に植えた庭木がサクランボ「佐藤錦」だった。その後、「佐藤錦」の受粉のために「ナポレオン」を植えた。
 それから数年後採れ始めた我が家のサクランボ「佐藤錦」は、毎年市場に出回るより少し早く収穫でき、高級品感覚でしばらくはご近所に差し上げたり職場に持って行ったりしていた。
 いっぱい採れたころは、ムクドリよけに糸を張ったりしていたが、いつの頃からかあまり実を付けなくなった。受粉の時期の天候が影響しているか、木が古くなったからだろうか。

 最近はスーパーに並んでいるアメリカンチェリーがちょっと甘すぎるきらいがあったので、「ナポレオン」の多少酸っぱさもあるがさわやかさがさくらんぼの味に思えた。
もう2,3日待って、赤くなってから本格的に収穫したい。


蝶の分類

2007-06-14 | 昆虫
               【蛇の目が美しいクロヒカゲ】

庭でクロヒカゲが、ちょんちょんと木陰を飛んでいる。
我が家でクロヒカゲの初見が5/30だったから、もうあれから2週間になるが、同じ個体なのかとても新鮮だ。特に後翅の蛇の目紋の輝きは驚くほど素晴らしい。

昨日は会津若松でも真夏日、32.1℃を記録した。コミスジ、ホシミスジも初めて見た。もうすっかり夏本番を迎えた。

 ところで、最近のチョウの分類は変わってきていて、ジャノメチョウ科はタテハの仲間に分類されている。昨年発刊された「日本産蝶類標準図鑑」によると、例えばタテハチョウ科は、タテハチョウ亜科、イチモンジチョウ亜科、マダラチョウ亜科などで、テングチョウ亜科も含んでいる。また、アゲハチョウ科は、ウスバアゲハ亜科とアゲハチョウ亜科に分類されている。DNAなど分子系統や形態形質の検討や評価が正しく吟味され、系統的な研究により高次分類体系が整備されてきたらしい。
 もう50年も前、チョウに魅せられた少年が買い求めた、使い古した図鑑の分類とは一変し、種類やチョウの名も変わっている。
 しばらくは、チョウの種類ごとに、分布や生態、食草、異変など、図鑑でゆっくり調べてみたいと思う。

イチモンジチョウを初見

2007-06-13 | 昆虫
 昨日の若松の気温は真夏日寸前まで上がった。今年一番気温、夏本番だ。
 庭でイチモンジチョウを初見した。コミスジやホシミスジはまだのようだ。
 イチモンジチョウは多分西側の土手のスイカズラを食していると思う。
 昨年は、ユキヤナギで羽化するホシミスジの様子を観察できたし、小さなわずかな自然空間で、静かに棲息するチョウ達が愛おしくてならない。



 6月の陽光にイチモンジチョウが日向ぼっこしていた。羽を一杯広げじっと止まっている。近づくとスイスイと、羽ばたかずに飛んで、すぐに葉上に止まる。今度は羽を閉じてきれいな裏面を見せてじっとしていた。何を考えているのだろうか、しばらくじっとして写真のポーズをとってくれた。後翅裏面の基部の模様がきれいで、なつかしかった。
 色づいて来たサクランボの梢に、同定できないが、何かゼフィルスが飛んでいる。のどかなひとときがゆっくりと流れていた。

 ほどなく梅雨を迎えるが、今年の梅雨は短いとの予報だ。すぐにあの夏の暑さが巡ってくる。

緑を楽しんだドライブ

2007-06-11 | 自然観察
昨日、梅雨空のもと、大峠を越えて、米沢の手前の田沢へ不動そばを食べに行った。
 途中、喜多方の山野草園芸店をのぞいたり、沿道に見つけた花や虫をデジカメで撮影しながらのんびり車を走らせた。今、大峠の山峡には、フジの花や、ホウの白い花が今咲いていて、矢張り寒いのだと思った。

ヤマボウシもきれいだった。花付きのいい木と、ぽつりぽつりとしか咲いていない木があった。そう言えば、我が家のヤマボウシは昨年はよく咲いたが、まだ小さいからか今年は花を付けていない。





 そして道路沿いにはハナウドがきれいに咲き出していた。花アブが数匹、蜜を吸っていた。ハナウドは1~1.5mで、夏に多くのヒョウモンチョウやアゲハの類が集まっている花に似ていたが、それは背丈以上に高かったのでシシウドではないだろうか。







 121号を逸れて山沿いの細い測道に入ってみると、そこはヒメシジミの乱舞する楽園だった。ちょうど羽化したばかりの数十頭がヨモギの葉ごとに静かに止まっていた。ここではヨモギを食草にしているようだった。きれいな空色で、外縁の白い鱗毛があまりに美しすぎた。ほとんど雄だが、幸運にも1頭だけペアになった雌がいた。
 私が写真撮りの間、妻はワラビを見つけ一回分楽しめるほどを採った。



 田沢の道の駅は、日曜日で結構賑やかだった。でも、昼前で、そばを食べる人はわずかだった。ここの「不動そば」は、これまで食べた中で、最も美味しいそばだと思っている。時々わざわざ出かけていたが、春先から体調も悪く久しぶりの遠出だった。本当に美味しいそばに舌鼓を打った。売店でワラビを一束求めた。

 雨上がりの曇り空に、沿道のみどりを楽しみながらのそばを求めてのドライブとなった。


ニシンの山椒漬け

2007-06-09 | 食文化
 ニシンの山椒漬け

 今年もニシンの山椒漬けを楽しんでいる。
 例年は身欠きニシンを丸ごと切らずに漬け込んでいたが、今年は自作の織部の緑色釉の、冷蔵庫に入れやすい小型のニシン鉢にした。
 身欠きニシンを適当な大きさに切って漬けた。漬け込みは、醤油、みりん、酢を適当に入れ、緑の実を付け始めた山椒の葉をニシンの間にふんだんに入れた。毎年私の仕事だ。
 10日ほど前につけたニシンを、数日前から食べ始めている。毎晩、夕食時に冷蔵庫のニシン鉢から器に盛るのも私の仕事になっている。
 好きな自作の陶器に取って味わう山椒漬けは本当に美味しい。いつも冷酒で贅沢をしていたが、しばらくドクターストップが続いている。でもたまにはお猪口1杯だけを隠れて飲むこともある。

 ニシンは、昔は北前船で日本海から新潟へ、新潟からは阿賀川を船で会津に運んだ。海のない会津で乾物の海産物は重要なタンパク源であった。また、会津本郷焼のニシンを漬け込む「ニシン鉢」は会津の嫁入り道具の一つだったようだ。
 季節感を感じる身欠きニシンを味わいながら、郷土の豊かな伝統文化を有難く、素晴らしいと思わざるを得ない。


 (参)昨年の拙ブログ 「ニシンの山椒漬け」(2006.5.19)