エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ひとり秋を歩く

2010-09-30 | 自然観察
                   【真っ赤なナツアカネ】

  
 天気予報では雨降りだったが、外れた。
いい陽が射していたので、昼前の2時間ほど里山を巡った。

 しばらく行かなかった磐梯町方面、稲の刈り取りが始まっていた。
 林道に入ると、道端に止まっていたトンボが舞いあがった。
 ほとんどが、ナツアカネ、アキアカネ、マユタテアカネ、ノシメトンボなどだ。

磐梯山麓 稲刈り始まる

 
アメリカセンダングサのつぼみに数頭のアカタテハが無心に蜜を吸っていた。
 いずれも羽化したばかりの新鮮な個体に見えた。それにしても、裏面の幾何学模様が美しい。彼女らは成虫のまま越冬するのだろう。
 あちこちでキチョウがひらひら舞い、ときどきミドリヒョウモンが訪れ、足早に去って行った。

 アカタテハ



足元からハンミョウが飛び、道案内をしてくれた。

 いつもきれいだ

 陽だまりの倒木にシマヘビの抜け殻を見つけた。
 これも破れのない状態で、尻尾をつまみ垂らしたら、やはり1.5メートルくらいあっただろう。
 そこに、シータテハが舞い降りた。秋型の特徴の裏面が見たかったが、全開の翅の色合いから秋型だろう。
 近ずくと矢のように飛び去った。

 シータテハ

 さわやかな吹く風に、ススキが銀色に揺れ、キンエノコロも逆光に輝いていた。
 そこここに秋の深まりを感じながら、日々の生活を振り返った。
 いつもながら、ひととき、人生に思いを巡らす静かな里山巡りとなった。 




30日
  相田みつをの日めくりには
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うばい合えば足らぬ
 わけ合えばあまる
 うばい合えば憎しみ
 わけ合えば安らぎ
              みつを

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深まりゆく秋の庭

2010-09-29 | 自然観察
【サンショの真っ赤な実】
キンモクセイの香り 孫たちの声 澄み渡る

今、キンモクセイの香りいっぱいの庭には、濃紫の友禅菊。鮮やかな黄菊、真っ赤なミズヒキと、ランダムに色どりの秋が咲いている。
 キンモクセイは、ここ数年のブログを見ると、昨年からは1週間遅れだが、ほぼ例年と同じようだ。
それにしても、あれほど暑かった夏は、どこへ行ってしまったのだろう。敷物や布団を変えるなど、簡易な冬支度だ。
しばらく雨模様、穏やかな秋の陽はこれからだろうか。
 朝方、少しの間陽が射すとヤマトシジミが舞い始めた。



 シオンにはイチモンジセセリがアイの花には秋型のキタテハが訪れ蜜を吸っていた。

 イチモンジセセリ

 キタテハ秋型

 フランネルに群がっていたキアゲハの終礼幼虫も、いつしか一匹残らずに姿を消した。
近くをじっくり探したが、蛹は見つからなかった。

 庭を巡ると、サンショの真っ赤な実がはじけて黒い種が出ている。
スズランのだいだい色のビー玉ほどの丸い実が目立った。
名の知らぬ白い花が今年もきれいだ。これは春から夏にかけて葉が紫色、数年前に名前を知ったが、失念してしまった。


名も知れぬ花

 盆栽のハゼの葉がきれいに色づいてきた。
斑入りのツワブキの花が見えないのでかき分けたら、大きなつぼみが沢山、これから続々首を伸ばすところだった。
晩秋の白い綿毛まで、庭を楽しませてくれることだろう。

 ふと、秋という漢字の成り立ちを思った。
のぎヘンに火と書く。火のように葉っぱが燃えるからか?・・・。それは単純だった。
 手元の角川漢和中辞典を引いてみた。
「秋」の文字の成り立ちは『形声、原音シュウは、取り入れる意の語源収からきている。
禾(カ)(いね)を収穫する意から、ひいて、その時期の意となった。』とあった。

 長期予報では、今年の秋は短いという。わずかな期間の美しい秋を鑑賞したいと思っている。


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「天から送られた手紙」 -雪・氷のふしぎと理科教育-

2010-09-28 | 教育を考える
  
 【重いクモの巣】

 昨夜遅くに、昔、勤務校が一緒だったT先生から電話をもらった。
今日、加賀市の「雪の科学館」の神田館長先生がお見えになり、講演があるとのお誘いだった。
 むかしT先生から、神田先生は喜多方出身のご親類で、信州大学のご卒業とお聞きしていた。
そんな縁で、以前雪の科学館を訪ねた折に、直接お会いしお話を伺ったことがあった。

 時間に、会場の文化センターへ行くと、駐車場は満杯状態で「県高校教育研究会理科部会」との看板が目についた。
受付に行くと、勿工時代の懐かしいO先生に出会った。20年振りだろうか。
特別に大会資料をいただき、ロビーで講演時間を待った。
そこでもまた、会工で一緒のE先生に会いしばらく歓談した。
普段の隠遁生活で、あまり他人と口を利くのもなかったが、当時を思い出し堰を切ったように言葉が出た。懐かしさがこみ上げてきた。

 神田館長の演題は 【 「天から送られた手紙」 -雪・氷のふしぎと理科教育- 】
 約1時間、実験中心の分かりやすいお話を聞くことができた。
 中谷宇吉郎について、その人柄や業績にあらためて胸を打たれた。
 講演を聞きながら、いつか科学館を訪ねた折に覚えた感動がよみがえってきた。

 大会の研究主題には『わかる授業・納得する実験および授業』とあった。
 日々授業を工夫し、その実践に明け暮れていたころが懐かしく思い出された。
 ホールの片隅で講演を聞きながら、現職でいろいろ勉強していたころを思った。
 大会の事務局の先生方は大変だろう。午後からは分科会があるようだ。

 講演後、神田先生に御挨拶することができた。
先生にとって懐かしい常念と、故郷の磐梯の雪景色のスケッチを差し上げた。
あわせて、7年前に北国新聞に投稿した≪「雪の科学館」見学の感想記事≫(*)を探して持参した。
あらためて、こうした縁で、宇吉郎により深く触れることができたことを嬉しく思った。

 アウトサイダーですっかり忘れていたかつての教職の世界を傍観し、昔を思い出し懐かしかった。
 雨の中を文化センターをあとにしながら、老いた今、年をとることがさびしいことを実感した。
 やがて訪れる雪の季節、また、天からの手紙をしっかり読んでみたいと思っている。

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(*) 感銘受けた 雪の科学館  (北国新聞 2003.4.1)

 先日、加賀市の雪の科学館で、雪の研究で知られる中谷宇吉郎の世界を垣間見た.
 神田館長さんじきじきに冷凍庫の中でダイアモンドダストをつくる実験をして下さった。
後から、館長さんが高校時代の恩師の一言から宇吉郎に出会い、特別な思いを寄せながら雪の研究に関わり続け、
いろいろな縁で現在に到ったことを知り、その劇的な人生に感動を覚えた。
 これまで宇吉郎について学ぶ機会がなかったが、これを機に「中谷宇吉郎随筆集」を求め読み始めた。
彼に多大な感化を与えた恩師、寺田寅彦の追憶の文章からは、同時に二人の自然観、科学観を学ぶことができた。
「雪は天から送られた手紙である」と言った宇吉郎は、また雪について「何時までも舞い落ちてくる雪を仰いでいると、
いつのまにか自分の身体が静かに空に浮き上がっていくような錯覚が起きてくる。」と書いている。
まさにそんな体験をした覚えがあるが、私は大好きな雪景色にどれほどこころ癒されたか知れない。
 科学館を訪れ中谷宇吉郎博士からさらに大きな感動を貰うことができた。
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誰もいない里山の秋 

2010-09-27 | 自然観察
  
 ほぼ1週間振りだろうか、朝から青空が広がりさわやかな秋の1日だった。
 昨日3人で行った里山を一人で巡った。あれほど生き生きしていた林や森には、寒い季節を迎える寂しさが漂っていた。

 池では、しばらく木陰でじっといていたトンボやチョウが、おだやかな秋の陽に元気に舞っていた。
 アキアカネに交じって、キトンボ、ノシメトンボが舞っていた。

 キトンボ

 池のほとりでオオルリボシヤンマが産卵を繰り返していた。




 お昼を回るころ、マダラナニワトンボがどこからともなく登場、いつものようにペアで産卵する姿を見せてくれた。
また、♂の額には、マユタテアカネのように眉がはっきり見えた。





 数は少ないが、オオアオイトトンボが連結してカンガレイに産卵していた。
これから、秋の深まりと共にもっと数が増えるだろう。

 池の端で、驚きの光景に出合った。よく言われるが、シマヘビが大きなカエルを呑み込んでいた。
 直前に頭から呑み込んだようで、ヘビの太さよりはるかに大きいカエルはまだもがいていた。
しばらくして見ると、ヘビはカエルを締め付けるようにとぐろを巻いていた。
呑みこみやすくするためだろうか。
近ずくと、警戒しているのだろう、しっぽを小刻みに震わせて威嚇しているようだった。
弱肉強食の世界を見せつけられた。

また、近くでシマヘビの抜け殻を見つけた。
何度も脱皮中のヘビを見ているが、今までになくきれいで、尾から頭までがまっすぐに完全な形で残っていた。
持ち帰って計測したら147cm、目玉もレンズのように残っていた。





 今日で彼岸が明ける。午後はお墓に詣で、生花を供え線香を焚いた。
 急に涼しくなり、ひさしぶりに風邪をひいたようだ。(2010.9.26)
  

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深まる秋の寂しさ

2010-09-25 | 日々の生活
          【秋の実りを収穫】

 昨日、武琉は会津まつりの代休でお休み。婆ちゃんと3人で里山へ。
雨降りが続き、しばらくぶりにトンボの様子が見たかったが、ちょっと覗いたお日様も暑い雲に隠れてしまった。
トンボもチョウもほとんど顔を出さなかった。
栗のイガやクルミの実があちこちに落ち始めていた。
キノコがあちこちにはえていた。 松の木の下のきれいなアミタケを採った。
時折飛び出すクロヒカゲの傷んだ翅がとても痛々しかった。
急に深まった秋に、さびしいものを感じた。


 
 今朝も寒かった。庭の気温が14度、肌寒くセーターを着込んだ。
 遅かったキンモクセイガほころび始めた。
 いよいよ秋の深まり、物置からストーブを出した。





萌ちゃんお手伝い。

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新しい生き方

2010-09-22 | Weblog

昨日の新聞の『生まれ月による運勢』欄に、気になるコメントがあった。
 4月生まれに「一大転機だ。今までの生活を再検討して新しい生き方を」とあった。
 何時にないコメントに、はっとさせられた。一大転機とは大ごとだ。

 昨日1日、特別なこともなくおだやかに過ぎ去った。
 でも、この運勢はいつも心してみたいコメントだ。
 新しい生き方がどうあるべきかが問題になるだろうが、新鮮な日々を過ごさなければと思った。
 いつも、【今までの生活を反省し、日々新しい生き方を心がける】
 そんな日々を過ごしていきたい。

 庭のシオンが咲き始めた。今日の最高気温24度、一番過ごしやすい候となった。


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9月の誕生日

2010-09-19 | 日々の生活

 月初めには紗英ちゃん、一昨日はママ、明日は武琉くんの誕生日だ。
 まとめてやろうと言っていた誕生会だったが、結局3回になった。
いつの間にか大きくなった孫たちの成長を見つめながら、ごちそうをいただいた。
 あらためて、自分が健康であることを幸せを思った。
3回豪華なデコレーションケーキを食べた。
いづれも市販のケーキだったが、今のケーキは見た目にもきれいだ。
アンパンマンまでデザインされていたのには驚いた。
 爺ちゃんはケーキはほんの少しなめる程度だが、みんな大好きだ。



めっきり涼しくなり、ビールよりもお酒がおいしい季節となった。
 末娘の嫁ぎ先からいただいたお酒、普段は飲めない大吟醸酒の封を開けた。
 記念に写真まで撮った。やはりおいしかった。
さんざん飲んできたので、これからはいいお酒を味わいながら、と思っている。
 
庭に出ると、ピンクのトラノオが咲きはじめていた。
明日は秋彼岸の入り、ふと、父、母の顔が浮かんできて目頭が熱くなった。
明日の午前中に届くように、何軒かにお供えのお菓子を送った。


茶碗の絵付け

2010-09-18 | 文芸
また、会工同窓会のN先生から、記念品に使うという茶碗の絵付けを頼まれた。
 いつもの、湖水に浮かぶ秀峰磐梯のスケッチだ。
 昨年も頼まれたが、今度は数えたら60個もあった。
  1週間くらいでゆっくり描こうと思っていたが、今日一気に30個ほどを描きあげてしまった。
1時間くらいだったろう。1個当たり2,3分の早業だ。
 座布団に座って呉須を適当に薄めて、下書きなしに直接描く。
ラジオを聞きながらの、こういう仕事も嫌いではないと思った。

折角なので、無断で自分用のデザインを2個描いた。
 ひとつは、良寛の「生涯」の漢詩の一節を、もうひとつには、麗しの磐梯のスケッチに「風の道」の詩を添えた。
 焼きあがったらいただこうと思っている。


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コガタスズメバチの巣

2010-09-17 | 自然観察
  
今日は事件があった。
娘の家の裏庭のコガタスズメバチの巣が撤去されたのだ。

大きなグミの木の植え込みの中に大きな巣を発見したのは、つい最近だった。
 草を刈りに入ったらスズメバチが出入りしていて、しばらく近づかないでいた。
先日別の用事でいとこが来て、ハチの巣の話をした。
その時、大きな巣があることを確認した。

 来客を送りに家を出たら、娘の家に従姉弟の車が止まっていた。
従姉弟は雨の中を、合羽姿で、もうすでに巣を撤去したところだった。
驚いたことに、もうひとつ、2階の廊下の換気扇のフードの中に同じような巣があったと言う。
そういえば、何度か、娘に2階に行くとぶんぶんハチの羽音がすると言われていた。まともに受けていなかったが、理由が分かった。

 うまいものだ、10分足らずで危険なハチの巣を捕ってしまった。
すでに撤去された巣は直径20センチ以上あった。
横で、殺虫剤で仮死状態のスズメバチがたくさん落ちていた。

 実は、大きい声では言えないが、網戸越しに、ときどき観察を楽しみにしていたアシナガバチの巣も処分されていた。
少し残念に思えたが、言い出せずにお礼を言った。
 コガタスズメバチの巣も、ハチが姿を消す晩秋にでも撤去するつもりでいたのだ。
でも、従姉弟は子供もいるからと、気を利かせて天候を見て捕りに来てくれたのだ。

巣がなくなってしまったハチが行き来していた。何かかわいそうな気がしている。
 


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会津まつり 古に思いを巡らせたい 

2010-09-16 | 日々の生活

来週、9/22~24に会津の秋の風物詩、会津まつりが繰り広げられる。
22日は提灯行列、22~23日に会津磐梯山踊り、メインの会津藩公行列が23日、24日は日新館童子行列、鼓笛隊パレードなどが計画されている。


(昨年の会津まつり風景)

 戦い利あらず、9月21日ついに白旗を掲げ、翌22日鶴ヶ城は開城となった。
あれから140年余の歳月が流れた現在、毎年盛大に全市を挙げてのお祭り気分だが、本来は戊辰の戦いで亡くなった人々の霊を弔うためのお祭りである。

 開城と共に、松平容保公は滝沢の妙国寺に謹慎、国土を失い、領民を失い、朝敵の汚名を被りさばきを待つ身となった。宿命と言うか運命と言うか、悲劇の主人公の心中を察せざるを得ない。社しょく亡びぬ 我がこと終わる、嗚呼9月22日なのである。

戊辰戦争の歴史を見るとき、白虎隊の悲劇と「愛しき日々」が浮かんでくる。
「愛しき日々」は 1986年(昭和61年)の年末、日本テレビ系で放映された時代劇スペシャルの「白虎隊」の主題歌として作られた。
小椋佳作詞、堀内孝雄作曲で、曲いい、詞といい、的確に歴史の中の会津の心情を歌っていると思う。
 「愛しき日々」のメロディを口ずさみ、その後の会津藩がたどったいばらの道を思い、辛かった先人を礎にした今の会津、そうした歴史の歩みを思っている。
 会津まつりには、そうした古に思いを巡らせたいものだ。



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愛しき日々 作詞:小椋佳  作曲:堀内孝雄

風の流れの 激しさに
告げる思いも ゆれ惑う
かたくなまでの 一筋の道
愚か者と 笑いますか
もう少し 時が ゆるやかであったなら…

雲の切れ間に 輝いて
空しき願い また浮かぶ
ひたすら夜を 飛ぶ流れ星
急ぐ命を 笑いますか
もう少し 時が やさしさを投げたなら…

愛しき日々の はかなさは
消え残る夢 青春の影
きまじめすぎた まっすぐな愛
不器用者と 笑いますか
もう少し 時が たおやかに過ぎたなら…

愛しき日々は ほろ苦く
一人夕日に 浮かべる涙 
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今年も会えた マダラナニワトンボ

2010-09-15 | 自然観察
 

9月13日(月) 
 しばらく雨降りが続き、すっかり秋めいた。
昨夜来の雨が上がり曇り空、1週間のご無沙汰で里山へ。
目的はマダラナニワトンボの撮影。経験上、晴れた昼ころがいい。
 雲が多くて、なかなか晴れ間が来なかった。
約1時間、薄日が差したと思ったら、どこから来たのか目の前でホバリングしているトンボを見つけた。マダラナニワトンボだ。
付近にはノシメトンボやマユタテアカネが舞っていたが、瞬間的にマダラと分かった。
動きが素早く、次の瞬間にはどこえ行ったか見逃してしまった。
何とか数枚シャターを切ったが、ほんの一瞬だったので何か夢の中の出来事のようだった。



 カンガレイの生える池の端では、オオルリボシヤンマ3頭が産卵を繰り返していた。
そのうち1頭が翅が水面にとられたため、しばらく飛び立てず、おぼれそうになっていた。





 池の畔のこぶしの木に、カメムシの幼虫の集団を見つけた。実も赤く色づき始めていた。
いよいよ本格的な秋到来だ。
 
9月14日(火) 
 昼近く、発生が心配で今日もマダラに会いに行った。
池の畔で2組のペアが連結で産卵していた。こうした時の撮影は比較的簡単だ。
ほとんど移動することなくホバリングして、打空産卵する。きまって、水面でなく池のほとりの草地や石の上に卵を落としている。
落ちる卵は肉眼では確認できるが、なかなか瞬間の写真が撮れなかった。





  
 落下する卵が写っていた↑



いつも、連結しながらの産卵の様子を見ていたが、今日はメス単独での産卵も見ることができた。
 昨日まで、発生を心配していたが、今年もこの静かなひっそりした池で、絶滅が心配されているトンボを見ることができて嬉しかった。
どうかいつまでも生き延びてほしいと願っている。 (2010.9.14)

 静止するマダラナニワトンボ♂


 単独で産卵する♀


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ヒマラヤシーダの球果

2010-09-13 | 自然観察

 近くの山の公園にかなり太いヒマラヤシーダが30本近くある。
 いずれも大木で、球果が色づき、雄花の球果も大きくなり、遠くからもわかるようになった。

 雌花の球果

雄花

 前から疑問に思っていたが、図鑑にはヒマラヤシーダは雌雄同株、雌雄異花とある。
 あらためて周囲の大木を確認してみたが、どの木も雌花(球果)だけか、雌花だけであった。
 また、受粉のメカニズムがいまいち理解できなかったが、今大きく膨らんでいる球果は昨年受粉した雌花なのだろう。
 今見え始めた雄花はこれから秋の終わりに花粉が飛び散り、雌花と受粉するのだ。そして来年大きく膨らむことになる。
 実は雌花は約5ミリくらいらしい。しかも高いところなのでなかなか見ることができないのだ。

雌雄異株の植物はイチョウが知られるが、果物のキューイフルーツやサンショなど。
 また、雌雄異花は一つの個体(株)に雌しべと雄しべを咲かせる植物、キュウリやカボチャ、スイカなど。
 ブナ科のクリ、コナラ、クヌギ、カバノキ科のハンノキ、シラカバ、シデの仲間、マツ科のマツ、スギ、カヤの仲間などがある。

 ヒマラヤシーダについては、何年か前から山形、羽黒の黙想さんと話題になり、関心があった。
 この冬には、わざわざ黙想さんの庭のシーダローズ(ヒマラヤスギの球果)を贈ってもらった。 
 乾燥した球果はパラパラとりん片を落とし、先端のシーダローズが落下して、軸はしばらく枝にくっついている。
 シーダローズを崩れないように加工してみたいと思っている。



(参) 拙ブログ
  「シーダー・ローズ」   2010-04-12
  「シーダーローズ(その2) 2010-04-14


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 藍が咲く

2010-09-11 | 日々の生活
 いつも書棚から適当に持参する、病院の待ち時間用の文庫本、今日は 永六輔の「職人」だった。
モノ作りの職人さんたちの名言をあらためて味わった。
その一つに
「甕覗き、水浅葱、薄浅葱、浅葱、薄縹、浅縹、中縹、濃縹藍 減藍、藍鼠、濃藍、鉄藍、紺、濃紺、鉄紺、茄子紺。 ・・・とまア、藍というにも、
これだけ種類がございまして、ハイ。これがまた、職人にとって一人づつ感じ方が違うので、そこが大変です。」

今年も庭の藍が咲き始めた。
 あれから30年になるだろうか。草木染めの研修の際、川俣の染織家山根さんからいただいてきた種が広がり、毎年清楚な花を咲かせ続けている。
 一時代、磐梯を描き、良寛の書をまねて藍染めのろうけつ染めに凝った。
今もそのころ染めたハンカチンを使っている。また、岩手に藍の里を訪ねたこともあったな~。
 ようやく過ごしやすくなった庭にピンクの花穂が風に揺れている。


 月一度の検診日、診察前に測った血圧が低く驚いた。多少貧血気味な自覚があるし、先日のトラブルも自分では起立性低血圧と思っている。
血液検査のデータでいつもコレステロールはL値で、手術後、一向に改善されない。また、心配な項目は相変わらずH値、変わりなかった。
 少し高かった肝機能も良好、暑い夏を乗り切った自信も手伝って、
「ぬばたまの歯にしみとおる秋の夜の 酒はしずかに飲むべかりけり」
お酒の美味しい季節、少し楽しめそうだ。


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トンボの交尾

2010-09-07 | 自然観察
  

 もう40年も前になる。結婚式の主賓のK教授から色紙をいただいた。
 先生のデザインした色紙には、真中にトンボのハート型の交尾姿勢が描かれ、出席者がお祝いを寄せ書きしてくれた。
 生物学教室のK教授とは専門外だったが、虫を通してまた剣道部の顧問でもあり、よく教授の研究室に出入りさせていただいた。懐かしい。
 当時、トンボについてはよく分からないでいた。トンボの交尾姿勢について、最近やっと理解できたところだ。

 『オスは腹部2または3節目の腹面に副生殖器をもつ精子を作る生殖器は腹部の先端寄りにあるため、
オスは交尾の前にあらかじめ精子を副生殖器に移しておかなけれあbならない。
メスは交尾の際に腹部先端をオスの副生殖器にあてがって精子を受け取る。
このときオスの尾部付属器によって頭部または前胸を支えられているので、雌雄はトンボ独特の環状の交態を形成する。』

 小学校からの興味対象はチョウだった。トンボや甲虫は勉強が始まったばかり、いつも、未知の世界のあたらしい不思議に驚いている。 


 シオカラトンボの交尾 2010.6.26 


 キイトトンボの産卵 

 アオイトトンボの交尾  2010-09-06

アマゴイルリトンボの連結  

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黒い赤トンボ

2010-09-06 | 自然観察
 何をするでもなく、束の間に一日一日が過ぎていく。
朝夕は大分涼しくなったが、日中は相変わらずの暑さだ。
早朝、資源ごみを出しついでに、スニーカーを履いて短大グランドへ足を伸ばした。
3,4人がそれぞれにグランドを歩いていた。いくら暑くとも、ほとんど動かない生活を反省しての思い付きだった。
 トラックを3周して帰宅、シャワーを浴びての朝食は久しぶりに気分爽快だった。しばらく続けようと思っている。

 今日は、里山巡りを決めていた。マダラナニワトンボが気がかりだったし、ヒメシロチョウやアマゴイルリトンボも確認したかった。

 林道にはハンミョウが道案内をしてくれた。それにしても美しい。立ちあがり、遠くを眺める姿勢がとてもかわいかった。
 獰猛なハンミョウがなぜこんなに美しい色合いをしているのだろうか。

 ハンミョウ

 なぜ立ち上がる



 夏の初めにわずかに刈り残されたツルフジバカマがところどころできれいに咲いていた。
その近くをヒメシロチョウがちらほら飛んでいた。ヒメシロチョウの食草だ。
 春型に比べると少し力強い感じがした。
 しかし、昨年、産卵直後にすっかり刈り取られた別のポイントでは、やはり春につづいて今日も見ることはできなかった。しばらく見られないだろう。

  ヒメシロチョウ アカツメクサ

ついこの前までハグロトンボが乱舞していた小川のポイントでは、ハグロトンボもすっかり少なくなったが、そこにアマゴイルリトンボ♂2頭にまだ会うことができた。
また、日陰の林道にはクロヒカゲが給水にあつまり、オニヤンマが悠々と飛んでいた。

 絶滅が危惧されている黒い赤トンボマダラナニワトンボがそろそろ出る時期、いつも大丈夫か心配している。
しばらくすると1頭だけだったが会いにきてくれた。嬉しかった。元気で生き延びろよ!エールを送った。
 そのうち、例年のように、連結して産卵する風景を見たいと思っている。

 マダラナニワトンボ

そこでアオイトトンボの交尾を見ることができた。

 アオイトトンボの交尾

満開のソバの花にイチモンジセセリが飛び交い、ときどきヒョウモン類が訪れ急ぎ足で去って行った。

 ソバの花に吸蜜するミドリヒョウモン

 ミヤマサナエ、マイコアカネ、マユタテアカネはいずれも真っ赤に成熟していた。また、オナガサナエの新鮮な個体を見かけた。

  ミヤマアカネ 暑さ対策姿勢

  マイコアカネ

 オナガサナエ

今日も最高気温は35℃近くまで上がったろうが、里山には秋の気配が忍び寄っていた。


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