エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

猪苗代湖周辺の 貴重な水生昆虫

2016-11-26 | 環境問題

 

午後1時、猪苗代町で開催された「猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全フォーラム」に参加した。

   

 日頃、猪苗代湖周辺の池沼を巡りながら、絶滅が危惧されているトンボの保護を訴えていたので、

この地域における底生動物相についての福大の塘教授の講演は実に興味深いものだった。

驚いたことに、この地区での調査研究は始まったばかりだと聞いた。

今後、詳しい調査結果から生息の実態や問題点が指摘されるだろうが、

それを待つまでもなく貴重な水生昆虫トンボ類の保護は一刻の猶予もなく、その具体的実践が急務と考えている。

文化遺産も大切だが、例えば猪苗代湖周辺の貴重な水辺環境などの自然遺産にもっと目を向けなければならないと思う。

時を同じくして、福大に新設計画の農学類に4つの教育研究領域が発表された。

その中の1つ「循環・環境学」に期待している。

そこでは、特に経済と結びつかずとも、是非とも自然保護を中心に据えた学究的な研究内容を期待したい。

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フォーラム前の午前中、久々に崎川浜へコハクチョウを見に行った。

赤井を過ぎると、田んぼに群をなして休んでいた。わずかに残る水辺で何かを啄んでいた。

崎川浜には、白鳥は全くいなかった。オナガガモも少ない。まだ、これから渡ってくるのだろう。

田んぼの落ち穂や草などを食べているようだが、昨今のコンベアーでの刈り取りでは、ほとんど落ち穂はないだろう。

よく、コハクチョウが湖で逆立ちして潜っている光景を見るが、あの長い首はそのためだろう。

数年前からは鳥インフルエンザ発生のため、近づいてのエサやりは止めようとなった。

以来、崎川浜でもエサやり風景はないようだ。でも、最近長浜ではパンくずを売っていて、エサやりが見られるようになった。

田のコハクチョウを見ているとかわいそうで、玄米でも持って行ってやろうかとも考えているが、本来は野生のままにすることが必要らしい。

  

 

  崎川浜 オナガガモも少ない

   

 愛おしい水鳥にふれあい、諸々の感慨に打たれた。   時間も来たので、一路、猪苗代のフォーラムへ向かった。

 

 


奥穂高

2016-11-21 | 日々の生活

 日曜日の朝のTVは欠かさず見ている。 7:45から「さわやか自然百景」と 8:00からの「小さな旅」の2本立てだ。

 昨日の小さな旅は、「山の歌 秋 “彩りの谷へ ~北アルプス 涸沢~”」、なつかしい気持ちでいっぱいになった。

 もうあれから実に半世紀にもなる。大学生の頃、研究室の仲間と涸沢にキャンプを張り、翌日、奥穂高へ登った。

  

  

 この道を間違いなく登った青春があった。

 

しばらくして、女房の実家から宅急便。今年も、なつかしい地元「市民タイムス」に包まれた野沢菜が届いた。

小春日和に、早速、妻は半日がかりで野沢菜を漬け終わった。

     

一夜明けた今朝、もう、切り漬けを美味しく戴いた。 冬中楽しめる、何よりも嬉しいふるさとの味だ。

妻の漬け物作業中に、晩秋を撮りに出かけた。

車の中でラジオを聞いた。奥飛騨からの放送中に、芹洋子の「穗高よさらば」のリクエストが流れた。

なんと重なるものか。なつかしい青春の信州が浮かんできた。  

 

穂高よさらば   芹 洋子

  https://www.youtube.com/watch?v=MLE4Zwp9aNE

作詞:芳野満彦・作曲:古関裕而

 一.穂高よさらば また来る日まで
  奥穂に映ゆる 茜雲
   かえり見すれば 遠ざかる
  まぶたに残る ジャンダルム

 ニ.滝谷さらば また来る日まで
  北穂へ続く 雪の道
   かえり見すれば 遠ざかる
  まぶたに残る 槍ヶ岳

 三.涸沢さらば また来る日まで
  横尾へ続く 雪の道 
   かえり見すれば 遠ざかる
  まぶたに残る 屏風岩

 四.岳沢さらば また来る日まで
  前穂を後に 河童橋 
   かえり見すれば 遠ざかる
  まぶたに残る 畳岩

 


晩秋を撮る

2016-11-21 | 日々の生活

 日曜日、最後の里山だろうか。寂しくなったいつもの道を歩き、晩秋を撮ってきた。

キタテハ、アキアカネを数頭見かけた。   

   

  

     

   

   

    哀れ。

   

         

    いつもの疑問 雌雄異株?

    


病院の待ち時間 

2016-11-19 | 日々の生活

 

先日、生まれて初めて肺炎を患った。

怖い病気の認識はあったが、どうしても抜けられない町の行事があり入院勧告を断った。症状も、咳が止まらないだけでさほど苦痛ではなかったこともあった。

一週間おいて再診、結局入院した。でも、お陰様で1週間ほどの点滴治療はまたとない静養となった。

地区の行事も名前だけで、ゆっくりさせて貰った。

退院後の再診で、治癒を告げられた。

深呼吸する胸に聴診器を当てるK先生、あまりに慎重に時間をかけて聴いてくれた。

また、X線写真、CT写真を無言でじっくり見つめていた。ちょっと不安がよぎった。

一言「いいでしょう。また咳が出たら来て下さい。」と。

通院の際はいつも待ち時間を有効にと、本を1冊、メモ帳を準備するが、今回は大変だった。

時間の指定のない予約だったこともあり、驚きの待ち時間となった。正直、こんなにいらいらして待たされたのは初めてだった。

朝8時過ぎに病院へ。でも受付は既に66番、嫌な予感がした。

順調に9時過ぎにはレントゲン撮影、採血を済ませたが、それからが長かった。11時に中待合室へ呼ばれ安堵するも、それから2時間が経過した。

隣の診察室の呼び出し回転は速いが、K先生の部屋はなんとも時間がかかっていた。

いよいよ限界、業を煮やして看護婦さんに聴いた。  「次の次です。」

診察を終えて会計を済ませ病院脱出が2時近く、実に6時間病院に居たことになる。

病気にならないこと!。またも行き着いた人生訓だ。

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今朝は-3℃、この冬一番の寒さだった。霜を撮した。

  カナムグラ

 

庭の紅葉

  ツタ麗し ツタの実

 ドウダン  トウカエデ

 ナナカマド   ブルーベリー

うらを見せおもてを見せて散るモミジ

  

 アオツヅラフジ                            杉球果成熟                                          会津大で すずちゃんと

(2016.11.18)


里山の自然 荒廃を憂う

2016-11-17 | 環境問題

晩秋の庭の日だまりに、じっとして動かないアキアカネを眺めながら、この一年の里山を巡りを振り返っている。

今年も徐々に自然環境の荒廃が進んでいる。

そんな警鐘を発することはできても、その達成への具体化は難しいと痛感している。

行政にも応援を期待して要望や提言をしてきたが、積極性は見られず残念だ。

身近に絶滅寸前の小さな虫たちを見るとき、それらを拒む方策は皆無と言って良い。

例えば身近な池でも、長い間にそこに棲みついたトンボを始め、貴重な水生生物の生息が脅かされ消えていった。

世の中、いつか叫ばれた自然環境保護の機運は今はない。

盛り上がる観光会津の声も、経済優先でなくもっと豊かな自然環境に目を向けて欲しい。

里山の自然環境は数十年単位で明らかに貧しくなり、既に見られなくなった幾多の虫たちを取り戻したい思いで一杯だ。

地域の開発にももっと小さな自然をおもんばかる、きちんとした環境アセスメントが大切と思っている。  

 

以下は、勝手に呼んでいた”トンボ池の変容だ。

 今は・・・→

    今は・・・ → 

  今は・・・ →   

左側の写真は、2007~2009年の写真   それが今や→  右は今年20016年の写真へ   カヤがはびこり、ほぼ池の9割を占めている。

もう5~6年前までは毎年見られたマダラナニワトンボも、チョウトンボもすっかり姿を消した。

トンボだけではない、水生生物も見られ無くなった。6~7年前からポンプが故障、一時水量が減り、水面に油も浮いて、池の水温は42℃にもなった。

一昨年、長年訴えてきたポンプの修理がされ、6年ぶりに水量は確保された。でも、池の植生の変化への対応も考えなければならない。

いま開放水面は1割程か、周囲から池は見えなくなてしまった。

専門家に参画してもらい、ふさわしい水辺環境を検討して欲しいと思っている。

 

さらに、数年前に確認した「要注意外来生物」に指定されるアメリカザリガニがかなり増えている。

雑食性のため、水生生物のみならず水草も食べつくし豊かだった生態系も崩壊の危機にある。

取り返しのつかない状況になる前に、駆除を急ぐ必要がある。

行政には、気づいたときに要望を繰り返してきたが、かつての水辺環境復活が急務だ.。日々悩んでいる。

以前見られた水生生物

 マダラナニワトンボ  もう見られない

チョウトンボ 最近見られなくなった

 オオアオイトトンボ集団産卵  今はめっきり減った 

ゲンゴロウ オオルリボシヤンマ捕食  コイムシ  マツモムシ ・・・・・

   

   きれいなビオトープだった。

 

 


頑張らない!

2016-11-15 | 日々の生活

                                                   豊後梅、ナナカマド、イロハモミジ、ハクモクレン、クマシデ

退院して2週間になる。明日は再診日、思わぬ肺炎、なんとか癒えたようだ。
退院後も何やかや、結構忙しかった。
今朝はさほど寒くなかった。風もなく久々の穏やかな晩秋だ。

思いついて、庭の桐の大木の枝を落とした。
色付いたモミジがきれいに見えるようになった。
ばーちゃんとすずちゃんと、庭で落ち葉を集めた。

こんなゆったりしたときがいつまでも続いて欲しい。  ふと、「頑張らない!」とつぶやいた。


晩秋の里山

2016-11-14 | 自然観察

何とも魅力的な晩秋の落葉松を見たかった。

カラマツの幹は真っ直ぐに立ち、枝は水平に張りだしている。

 見上げる紺碧の空と黄金の枝のコントラストは実に素晴らしい。

からまつは落葉松と書く。なるほど、緑色は徐々に黄色し黄色い針が山道を敷き詰める。

やがて雪の季節を裸で過ごし、春の芽吹きは絶品だ。そして、夏の球果も魅力的。

あれはどこだったろうか、白秋の思いを抱き、踏みしめながら歩いた黄金の林・・・。

   からまつの林を過ぎて   からまつをしみじみと見き。
  からまつはさびしかけり    たびゆくはさびしかりけり。

  からまつの林を出でて   からまつの林に入りぬ。
  からまつの林に入りて   また細く道はつづけり。 

  

   少し早い紅葉

 田の畦や土手には、キタキチョウが元気に舞い、数頭のヒメアカタテハ、キタテハ、ヤマトシジミを見た。

   

ナツアカネ  アキアカネ

   まだ羽化したばかりのように新鮮。でも冬は越せない。

  

コンバインに刈り残された田の端に稲穂が頭を垂れていた。

      カマズミ 

 日だまりにスミレが  ツルウメモドキ

遠くから落葉松かと近づいた慧日寺資料館の林はメタセコイヤの林だった。

  メタセコイヤ

久々に野の道を進むとアキアカネが舞い立ち、小春日の木々の幹には無数のテントウムシ(ナミテントウに混じりカメノコテントウも)が這っていた。

 すべてが愛おしかった。過ぎにしそれぞれの季節の小さな命を思い浮かべた。

  尾の長いハチが交尾していた。 コアシナガバチか手を近づけても逃げない   晩秋のオオアオイトトンボ 


   会津慈母観音

 取り残された柿たわわ 飯豊連峰

 

 


道端の雑草 豊かな自然

2016-11-11 | 環境問題

市道から我が家までの100mほどの私道は、今どき市内ではほとんど見られないデコボコ道だ。

雪の季節の並々ならぬ苦労を思い、市道への編入を訴え続けているが、いまだに実現されない。

でも、道の両側に雑草が生い茂るこの道がコンクリート化されずに良かったと思っている。

   

いま晩秋の道端には、最後の花を咲かせるカタバミにヤマトシジミが吸蜜し、

黄色い草モミジにヨモギハムシの小さな命の営みが見られる。

色づいたブスは宝石のように美しい。

雪解けにはフキノトウも顔を出し、オオイヌノフグリが元気に咲き、ツクシが背比べをする。

小学生の孫のタンポポ観察のフィールドになったこともあった。

このデコボコ道の草むらは小さな生き物のすみかだ。

ときに佇み、ときにみずみずしい草むらに踏み込み、毎日新しい発見をする。

四季折々に豊かに輝いているその道ばたの雑草を楽しみながら、味気ないコンクリートの文化を反省している。

 

 ナナカマド   カリンまだ葉は緑色

  日一日濃くなるモミジ

 

 


刈り残されたツルフジバカマ

2016-11-09 | Weblog

  大川から 飯豊連峰

9月に土手の刈り込みに疑問を感じて新聞に投稿した。

その記事に行政が反応、相談に見え土手の一部にツルフジバカマを残してくれた。

その後、残した区域にヒメシロチョウの終令幼虫を多数発見でき喜んだ。

でも、少しはいのちが救われ安心したが、その草刈りについては、いろいろ心配している。

この土手では年2回大がかりな一斉草刈りが続いている。そして、これまで何とか生息し続けてきた現状は素晴らしい。

だから、この絶滅が心配されるヒメシロチョウ保護活動も、本当に正しいのかは分からない。

つまり、草原性のチョウであれば、全く刈らないでおくことが的確とは言い難い。

近くに所用があり、久しぶりに土手を覗いた。種を採取しようと思った。

そこで先ず、驚いたことは、食草を刈り残した区域のセイタカアワダチソウだ。

    刈り残された食草 

      種

 

一面、ツルフジバカマと混生するように黄色い花に覆われていた。このまま放っておけば、セイタカアワダチソウの勝ちだろうと思った。

この花はすごい。秋になって目立つが、オオハンゴンソウの駆除には行政も一生懸命だが、今やあきらめ半分のすごい繁殖状況だ。

  ウマノスズクサも

あらためて、ヒメシロチョウの生息にとってどんな草刈りが良いのだろうかと思い巡らせた。

帰りに、この土手にいままで見つけなかったウマノスズクサを見つけた。

ジャコウアゲハの食草だ。めっきり減ったジャコウアゲハを思い、これも殖やせばいいと思っている。

  河川敷もいろいろな開発が進んでいた。

 


越冬前のテングチョウ

2016-11-08 | 自然観察


 

窓の内側にテングチョウがじっとしていた。

羽根をつまんで外へ、イチョウの葉に止まりじっとして動かない。

柔らかな日差しに、羽を広げたが、手をさしのべても動かない。

   

我が家の庭で一番温かい植え込みに移してやった。1日経ったが、じっと止まっていて微動だにしない。

元気に冬を越して欲しい。

チョウの約1割が成虫で越冬するようだ。

春先一番に翅の少し傷んだキタテハ、ヒオドシチョウ、テングチョウなどを見かける。

成虫越冬はタテハチョウが多いが、最近見られるウラギンシジミやムラサキシジミも成虫越冬だ。

このテングチョウは多分♀だろう。

どうも越冬は♀らしい。オツネントンボなどは冬を越してから、成熟個体が交尾して産卵するが、

チョウは秋に交尾をして、♂は死んで♀だけが成虫で越冬して産卵すると思われる。


入院の顛末

2016-11-06 | 日々の生活

 

 それは、9月末、喉の痛みから始まった。
市販の薬を飲んでいたが、咳が出て38度の発熱、その後微熱が1週間ほど続き病院へ。

もう何年も風邪での通院はなかった。胸のX線撮影と血液検査で5日分薬を処方された。
まじめに飲んだが効果なし。薬が切れたので、市販薬を飲んでいたが、いっこうに咳が止まらなかった。

しばらくいろいろ仕事(ボランティア)が重なり、医者へ行く暇もなかった。そのうち、咳のせいか左胸が痛くなった。

前の受診から2週間ほどして、とうとう医者嫌いの重い腰を上げ再診へ。CT検査、血液検査、インフルエンザなどの検査を受ける。

初めてK医師にお世話になった。疾患場所にも寄るかも知れないが、これまで何年も聴診器など当てる医者はいなかったが、K先生は、少し違った。

「お孫さん同居ですか?。入院ですね!」突然言われても、・・・大事な抜けられない会議や行事が目白押し、困惑した。

無理です、とお断りした。 細菌性の肺炎が疑われた。

その後一週間、処方された薬を欠かさず飲んだ。多少咳は少なくなったようだが・・・、

再診を受け、また入院治療を宣告された。年一度の元気会や地区の文化祭やらで抜けられない・・・。

でも、結核も、癌の転移も疑われ、ついに責任感より、健康を取ることに決めた。苦渋の選択だった。「明日入院させてください!。」

病名は「非定型肺炎」。ほぼ寝たきりで点滴治療、午前、午後のリハビリですっかり休ませていただいた。

咳も止まり、CTや血液検査の結果、あとは外来で様子を見ましょう。」と、退院させていただいた。
 
この入院、久々に、立ち止まって諸々思い巡らせる安らぎのひとときとなった。

かつて、一度あきらめかけた命なれば、もっと大事にしなければと反省した。

 

退院後、多少ふらつく足で庭を回った。

庭の季節は進んでいた。晩秋を写して歩いた。何もかもが愛おしかった。

入院前の途中だった雪囲いの準備はそのままだ。

黄色いカリンが鮮やかに輝いていた。最後のヤマトシジミが、小春日のタンポポに止まった。キチョウが目の前に吸密していた。

健康に注意しようと、今更のように固く誓った。満開の小菊を手折り、花瓶に挿した。

    

  

   

   

 

 地区の健康マラソン大会も、つくも会の温泉小旅行もキャンセル、しばらくはゆっくりして

また頑張っていきたいと思う。

もう一度、晩秋の里山へも行かなければ・・・・。