エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

岩宿の発見

2009-09-30 | エッセイ
【岩宿の発見 表見返し】

今朝の朝刊の一面に「日本最古の旧石器か」と載っていた。島根の砂原遺跡の12万年前の地層から発見されたという。まさしく刃に加工したような小石の写真だ。専門家によると、石器か自然石かの可能性は半々らしい。

 相沢忠洋著の「岩宿の発見」を思い出した。そして、拙著のエッセイ集を開いた。20年も前の秋の深まったころに岩宿遺跡を訪ねたときの一文だ。そう言えば、そのころ発掘ねつ造事件で大騒ぎだったことが浮かんできた。

***********************************
念願の岩宿遺跡を訪ねる
 北西の赤城下ろしが吹き始めた頃、念願の岩宿遺跡を訪ねた。戦後まもなくの頃、相沢青年がそれまで未知の地層であった関東ローム層から石器を発見した。これは日本にも旧石器時代があったことを示す一大発見であった。静まりかえる丘陵の切り通しの石器発見場所に立ち落ち葉を踏みしめた。そして二、三万年の昔、ここで石器をつくり狩猟に明け暮れた家族を思い、その団らんに思いをはせた。相沢青年が赤土の崖面から発見した黒曜石の槍先形の石器は、いまなお美しく神秘的に輝いている。
 小旅行から戻り、学生時代の感動を求めて三十数年ぶりに「岩宿の発見」を読み返した。恵まれない生い立ちの一青年の、考古学への豊かなひたむきな情熱が新鮮に蘇ってきた。と同時に、最近の旧石器発掘ねつ造問題の取り返しのつかない罪を思った。この耐えられなくつらい出来事を知ったら、今は亡き相沢さんは何と嘆いたであろうか。  (2001.11)          *************************************
        
ふたたび、10万年も前に石器をつくり狩猟に明け暮れたであろう家族を思い、その団らんに思いをはせた。


日記@BlogRanking

ミカンがなった

2009-09-28 | 日々の生活
2009-05-23のブログに「ミカンの花が咲いた」を書いた。
 純白の花、高貴な香りを何度も楽しんでいるとある。

   
 【ミカンの花 2009-05-23】

あれから4ヶ月、大きなミカンがなっている。いつも同じ枝ばかりを楽しみにながめていたが、裏の方や下の枝にもなっているではないか。数えたら合計13個の色付いたミカンを見つけ嬉しくなった。

 かつて実のなっている柚子やキンカンの苗を何度か求めたが、冬を越せなかった。その後求めた鉢植えのミカンは、毎冬室内へ入れ大事に育てていた。今年は春先に初めて地におろしたら、真っ白な花が咲き、ほのかな甘くさわやかな香りを放ってくれた。
 やがて付けた実は順調に育った。もうすぐ食べられそうだ。孫たちも味わって食べる日を心待ちにしている。

ミカンの耐寒性はどうなのだろうか。冬は無理だろうから、鉢に上げて家に入れたいと思っている。

幼稚園の運動会

2009-09-27 | 日々の生活

曇り空で肌寒い。今日は日曜だが、萌香ちゃんの運動会のお弁当作りか、妻は早かった。
 8時半には、妻と娘、孫たちは車で出ていった。気が乗らないので後から自転車で行こうと思っていた。10時過ぎたころから薄日が差してきたので、途中に里山を巡るつもりで車で運動会を見に行った。

 丁度、親子玉入れをしていた。年中の萌香ちゃんの出番は5つもあり、忙しい。お遊戯、綱引き、かけっこと、親子一緒の玉入れにダンスだそうだ。

 ころを見計らって里山へ、でも陽がかげって、磐梯山もほとんど雲に隠れていて、残念ながら虫たちもあまり出てこなかった。
 コスモスが街道にきれいに揺れていた。ボロボロに傷んだヒョウモンチョウが羽を休めた。発光麟だけはまだしっかり残っているミドリヒョウモン♂だろう。

 
 【揺れるコスモス 後ろは磐梯】

 
【痛々しいミドリヒョウモン】

 
 【真っ赤なナツアカネ】

 ナナカマド、サクラが少しずつ色づきはじめ、ニシキギが真っ赤にきれいだった。栗のイガもかなり落ちていて、いよいよ深まり行く秋を感じた。
 コブシの紅い実にカメムシがきていた。汁を吸うのだろう。
 顔まで真っ赤な唐辛子のようなナツアカネを撮った。

 
 【紅葉したニシキギ】 

  
 【コブシの実にカメムシ】

 運動会に寄ってみると午後の部が始まるところだった。観覧席で昼食をつまんだ。お重にばーちゃん手作りのご馳走だった。萌えちゃんは胸にかけっこ3着のリボンを付けていた。よかったねと頭を撫でてやった。
 家族に囲まれながらの一つの行事が終わった。これからもこの年中行事が数年は続く。いろいろ大変だし、年々身体も疲れるだろうが、子どもの成長が楽しみだ。

日記@BlogRanking

キャッチボール

2009-09-26 | 日々の生活
 
 ときどきこころ悶々として眠られない夜がある。
とかく、過ぎた日々を悔いながら焦点が定まらない日々を過ごすことがある。
一日一日、時を刻み、昨日も暮れ、新しい今日が始まった。
来し方をふり返り、悔いながら負け組人間を認め、涙が伝う。

 ほぼ真東の山の端から太陽が神々しく昇った。
 庭に立って、水やりをする。
 見上げるとジョロウグモが巣の修繕に忙しい。何を思いせわしく動くのか。
 そんな精一杯に生きているクモを見つめながら、自分も、こんなことではいけないと勇気をもらう。
 

 
朝ご飯が終わると、孫と短大グランドへ。グローブとジュースを持ち、二人とも自転車に乗る。長い連休中に習慣付いた楽しみだ。
 キャッチボールは必要だとおもう。武琉は大分上手になった。萌えちゃんも負けずに競ってボールを追っていた。飽きると、自転車乗りだ。
 萌えちゃんは夏休み前にお兄ちゃんの補助輪のない自転車を譲り受け、すっかり乗り回せるようになり楽しくて仕方ない。広い大学構内を風を切って乗り回していた。
思えば、孫たちの純真さ、一生懸命さにこころ救われる日々である。




人生の秋の1日 

2009-09-23 | 日々の生活
 


今年も秋彼岸がきた。朝方、雨は上がったが、終日お日様は見えなかった。
暑さ寒さも彼岸まで、午後は肌寒さを感じた。

 妻と娘は孫を連れて会津まつり藩公行列を見に出かけた。
 誘われたが、気が進まず行かないことにした。朝方TVで「アルプス縦走」番組を見終わったところで、感動の余韻に浸っていたかったこともあった。

 番組はNHK総合の『夏の北アルプス あぁ絶景!雲上のアドベンチャー』
 三春町出身の田部井淳子さんとNHK内多アナウンサーとの、この夏23日間にわたる、北アルプス縦走の記録だった。
大自然の景色に感動の連続だった。また田部井さんの人柄が良くわかり、一緒に苦しい楽しい山登りを体験している気持ちになった。
*****************************
【番組紹介ネットより】
立山や槍ヶ岳など3000メートル級の山々が連なる北アルプスを、登山家の田部井淳子と内多勝康アナが、3週間かけて縦走する。道中、大雨に降られ登山道が水没するなど厳しい自然の洗礼を受けながらも、難ルートとして知られる槍ヶ岳から穂高連峰、ジャンダルムの縦走に挑戦。登山歴1年の内多アナも、垂直に近い岩壁に命綱をつけて臨む。
*****************************
チョウを求めてワンゲル程度だが山は好きだった。学生時代は浅間山系の烏帽子岳や湯ノ丸へは数十回登った。北アルプスでは上高地から涸沢にテントを張り奥穂高へ登ったことが思い出された。
もう高い山へ登ることはないだろう。もう一度青春のころに戻れたら、そしてあの高山の空気を吸ってみたいが・・・。

雨が上がったので、自転車で藩公行列を見に行くことにした。去年が久しぶりに行列を見物したが、去年に比べると人出はかなり少ないように思えた。
 いつも西郷頼母役で威風堂々馬上にまたがっていた早乙女貢さんが見られなかったことは寂しかった。氏はこの春お亡くなりになった。
  (参)拙ブログ
   ○「会津秋まつり・歴代藩公行列」2008-09-23
   ○「会津を愛した早乙女貢さん」 2008-12-26

帰りにお城に廻って墓参りした。父母の墓前でしばし我がこころを見つめた。
 お墓に入り口に、彼岸花が咲いていた。なぜか寂しげにみえた。



 帰り道は、30数年通い慣れた懐かしい道を辿っりながらゆっくり自転車を走らせ帰宅した。

今日は、山の素晴らしさを思い、父母と再会し、少し我が人生の秋を感じた1日だった。


日記@BlogRanking

秋本番へ

2009-09-22 | 日々の生活

         【色付き始めたサラサドウダン】

 秋の大型連休、割引1000円効果で、高速道路の渋滞はひどいようだ。
 そんなニュースを聞きながら、ゆっくり時が流れる庭に出た。

珍しくオオアオイトトンボが来ていた。近くに池はないが、どこから飛んできたのだろうか。翅を半開きにして長時間ミズヒキの先に止まっていた。特にブルーの目玉はきれいで、光沢のある緑色をした♂をじっくり観察した。よく似たアオイトトンボとは粉が吹くので区別できる。

 【オオアオイトトンボ】

 
 毎日、アイの花に来ていたるチモンジセセリの数が減った。天気のせいだろうか。アキアカネやノシメトンボも見られるようになった。ヤマトシジミがカタバミの廻りを賑やかに舞っていた。オスは一回り小さく秋型、翅表のルリ色をとりたいが、なかなか羽を開いてくれなかった。雌の濃い青がきれいに輝いた。

 【ヤマトシジミ♀】
  
 
 【イチモンジセセリ】


 ハーブミントにはハムシのペアがきていた。図鑑で調べたら、ハッカハムシとあった。この香り成分を好むのだろう。

 【ハッカハムシ】


 キンモクセイは去年より大分早く満開になった。甘い香りが庭中に漂っている。ミセバヤ、サラサドウダン、ドクダミなどが早くも紅く色付き始めた。秋本番を迎える。

 【キンモクセイ】


 【ミセバヤ】




 愛おし マダラナニワトンボ

2009-09-20 | 昆虫
        【連結して打空産卵を繰り返す ナニワマダラトンボ】



「じいちゃん自然を見に行こう!」と1年生の武琉君
 連休中の宿題の作文を書くと言う。
二人でマダラナニワトンボを観察してきた。
今日は武琉君満7歳の誕生日だ。

 連結してホバリングしながら産卵を繰り返していた小さきいのちを見つめた。
 池の畔のわずかな恵まれし環境空間に営々と生き延びてきた黒いトンボ。
 土の上で打空産卵を繰り返すマダラナニワトンボ。
 常緑樹、広葉樹の林に囲まれたこの水面の立地環境はまれだ。
 絶滅が危惧されるこの小さな黒い赤トンボが、どうかいつまでも棲息して欲しい。
 この生態系が保全されることを心から祈っている。


 流れる風に泳ぐ黒いトンボ 愛おし
 波立つ水面、揺れる緑、そよぐ秋風に
 か弱き黒いトンボ 麗し 愛おし 切なし
 マダラナニワトンボよ いつまでもいつまでも残れかし










庭の秋の彩り

2009-09-17 | 日々の生活
              咲き出したシオン

 日だまりのアイの花をセセリチョウがせわしく飛び交っている。イチモンジセセリは新鮮な個体、チャマダラセセリは夏の疲れが見え、鱗粉の落ちた個体が多い。ミドリヒョウモンが吸密に訪れ、忙しそうに去っていった。

 
  キクイモモドキにオオチャバネセセリ

 キンモクセイのつぼみも大分目立って、今日にも淡い黄色い小花を開きそうだ。じきに庭中に香を放つことだろう。
 あれから丸6年になる。9月の今ごろは、生死をさまよっい、最悪の辛い病状だった。寝たきりの病室にキンモクセイの香りが満ちた。ほとんど毎週、400キロの道のりを見舞いに駆けつけてくれた息子や娘が、庭のキンモクセイを手折ってきてくれた。人目を憚らず、涙が込み上げた。静かな庭に当時を思い、健康を取り戻した幸せをかみしめている。



そうそう、キンモクセイと言えば、ブログ仲間のデンさんが好きな花。毎年この時期にブロブにコメントをいただいている。「キンモクセイは2度咲くか?」で、よく観察したものだ。今のつぼみは一番花で、2番花よりも色が淡くクリーム色だ。1番花の枯れた後に本番の2番花が咲く。2番花は花の色はオレンジが濃く、その香りが庭中に香るのだ。そんな観察の記録だったと思うが・・・、今年もよく見ていようと思う。

 ハゼやナンテンハギ、ツタの盆栽が色付き始めた。つぼみを膨らませていたシオンが開き始め、夜の間忙しく動き回っていたのだろうセスジツユムシが眠っている。トラノオや菊も咲はじめた。庭はすっかり秋だ。 


日記@BlogRanking

絶滅が危惧される虫たちを守りたい。  その3

2009-09-15 | 昆虫
麗しの磐梯

 明け方、強い雨音に目が覚めた。今日は終日降る予報だ。
 昨日は、朝方は磐梯山も雲に覆われていたが、徐々に晴れ天高い青空に恵まれ、久しぶりに静かな林を歩いた。
 絶滅危惧種のマダラナニワトンボの生息していそうな場所を探したいと思っている。 毎年観察しているポイント近くの池や沼のいくつかを巡った。
 地図にはないが、小さいため池はいくつもあるようだ。地形が分からないので付近の草刈りをしたり、田を見回っている人に尋ねながら歩いた。教えられた道を行くのだがなかなか見つからなかった。
 普段よく通っている国道をはずれると、まだまだ自然豊かな里山が広がっていた。黄金に実った田のむこうには雄大な磐梯山が見えた。

 どこも赤トンボが飛び交っていた。側溝のミソソバにはイチモンジセセリが飛び交い、畦にはウラギンヒョウモンがさかんに産卵に訪れていた。近くにスミレを確認した。
 ペアになったノシメトンボが、波打つ黄金に実った稲穂に産卵する様子を目撃した。打空産卵なのか、初めて見る光景だった。
 満開のソバ畑にはアカタテハやメスグロヒョウモン、オオウラギンヒョウモンなどがのどかに密を吸っていた。


 産卵するウラギンヒョウモン


 連結し産卵するノシメトンボ

 どこも池の畔はマダラナニワトンボの生息するような環境ではなかった。その生息環境が特異なため、なかなか条件の揃う場所がないのだろう。ほんのわずかの恵まれた限られた場所でしか生息出来ない。明日の保証はない、絶滅が心配されるトンボだ。

 赤井谷地の周囲も巡ったが、周囲の農道の所々に、「天然記念物境界」と刻んだ境界石をいくつも見た。湿原そのものが天然記念物【赤井谷地沼野植物群落】で、入れそうなところには立ち入り禁止の立て札が立っていた。いつも湿原全体をながめられるところからも、最近はクマザサが背丈以上に伸びて入っていけなくなった。湿原の水環境の様子は全く分からない。

 家を出たのが10時前、昼過ぎに戻るつもりが、途中で気づいたらすでに1時を廻っていた。いつものポイントを巡り、彼女に会うことにした。ようやく見つけた国道沿いのセブンでおにぎり1個を調達、身体の心配をする妻に電話を入れた。妻はいつも心配していろいろ持たせる。保冷剤入りのバッグにリンゴとキュウリ、ジュース、甘いお菓子まで入っていた。他に温かいポットだ。

 そのポイントでマダラナニワトンボを初見したのが9/3、その後数日おきに会いに行っている。先日も相変わらず数は少ないが、ペアで産卵する姿を見ることができ、少し胸をなで下ろした。きょうも、数匹が暖かい陽を浴びて枝や水草の茎の先端に止まっていた。
 マダラナニワトンボは比較的近づかせてくれる。飽きずに何枚も写真を撮るが、どれもピントが甘い。大体は200~300mmの望遠だが手ぶれだろう。三脚を使ったことはない。
 
 家に戻ったのが3時半、疲れたが、ずいぶん丈夫になったものだ。


 ナニワマダラトンボ 2009.9.15


日記@BlogRanking

絶滅が危惧される虫たちを守りたい。 その2

2009-09-11 | 昆虫

【キマダラルリツバメ 三島町 2009.6/29】



 【今日のマダラナニワトンボ さびしそうに1頭 2009.9.11】
   
昆虫類のレッドリストに掲げられる絶滅が危惧されるチョウ・トンボについて調べてみた。
 
絶滅危惧種 福島県   ○は市内で確認

--------------------------------------------------------------
ヒヌマイトトンボ      絶滅危惧I類
マダラナニワトンボ   絶滅危惧I類 ○
チョウトンボ       準絶滅危惧種 ○
ネキトンボ 未評価 ○
------------------
ヒメシロチョウ      準絶滅危惧 ○
ギンイチモンジセセリ 注意 ○
ギフチョウ      準絶滅危惧
ヒメシジミ本州・九州 注意 ○
キマダラルリツバメ    絶滅危惧Ⅱ類
オオウラギンヒョウモン 絶滅危惧I類
ウラギンスジヒョウモン  - ○
ミヤマシジミ      絶滅危惧II類
チョウセンアカシジミ   -
スジグロチャバネセセリ  注意 ○
オオムラサキ       注意   ○
-------------------------------------------------------------
○印は、会津若松市内で最近棲息を確認し、写真撮影できた種だ。いずれも年ごとの個体数が減少し、それぞれが限られた場所で、細々と生き長らえている虫たちである。それらの姿を見るにつけ、いつも愛おしさが込み上げてくる。

 今年の春、西会津方面にギフチョウの写真撮影に出かけた。しばらく待って、可憐に咲くカタクリに訪れた1頭を撮影することができた。そのとき他県ナンバーの車を数台見かけた。捕虫網を持った人たち数人に出会った。中には専門にチョウの販売している人が名刺をくれた。希少な種類の発生情報を発信し、全国各地で採集しているようだった。暗い気持ちになった。
 年に一度、厳しい冬を越し、春浅い美しい山地に生まれたほんのわずかな春の女神ギフチョウだ。こうした希少な種の採集は禁止とするべきだ。

 昆虫の採集は、国・都道府県・市町村などが定める天然記念物や、国立公園の特別保護地区や都道府県や市町村の条例によって定めた地域などでは禁止を規定されている。
せめて、絶滅が心配される虫たちについては是非、採集禁止にすべきだと思っている。
是非標本が必要な、学術的に必要なものもあるだろう。でも最近はビデオやデジカメなど、記録も容易になったし、極力、採集は避けるべきである。

(参)拙ブログ 2009-09-02 「絶滅が危惧される虫たちを守りたい。」


日記@BlogRanking

アイとイチモンジセセリ

2009-09-10 | 日々の生活


 庭のアイが満開だ。それに合わせるようにイチモンジセセリが渡ってきた。
 毎年、日だまりの花にイチモンジセセリが無数に飛び交うこの光景がなつかしい。
 このチョウに出会うとき、いつも一文字をよく見てオオチャバネセセリかイチモンジかを確認するのが常である。

涼しい風に、秋の雲が流れている。縁側の水槽にスズムシがさかんに鳴いている。これもいつもと同じ秋のすがすがしさだ。



図鑑によると、イチモンジセセリの越冬北限は平均気温2℃の線とある。世代を重ねながら北へ移動するようで、秋には南下も確認されている。幼虫はイネも食べる。


日記@BlogRanking

自然公園の除草

2009-09-07 | 自然観察
【除草された虫たちの楽園】

 里山散歩の足を伸ばしてときどき会津レクリェーション公園を歩く。
 一面の芝生のわきに小川が流れ、境の土手には豊かな秋の草むらがあった。ここには数日前まで、紫色のツルフジバカマがきれいに咲き、オオチャバネセセリが花から花へ飛び交うきれいな空間だった。そこには県の準絶滅危惧種に指定されているヒメシロチョウがひらひら舞い、食草のツルフジバカマに産卵していた。
 昨日行ってみたら、その草むらが跡形もなく除草されてしまっていた。これ以上の落胆はなかった。がっかりして、言葉もなかった。
 ヒメシロチョウは、最近では明らかに減っていて、ほんのわずかな空間で生き長らえてきたチョウだ。その食草と卵がすべて失われてしまったのだ。
 里山の公園は、自然の生態系を豊かにするビオトープの意義がある。そこでの除草については、意義を初め、時期や場所など、もっと環境を考慮し慎重であるべきだと思った。



日記@BlogRanking

スパリゾートハワイアンズ

2009-09-06 | 日々の生活

 スパリゾートハワイアンズに行った。昨年5月、初めて孫たちを連れ遊んできた。
味を占めたのは孫たち、夏休み中テレビでさかんにPRを見てはせがまれていた。
 夏休みも終わり混雑も一段落しただろうと、出かけた。多少気が重かったが、孫たちとの約束だったし、一日楽しく遊んできてよかった。
 9月中の期間限定で、1Fのウオーターパークは 「ドラえもんウォーターランド」としてドラえもんでデコレーションされた楽しい空間だった。
 流れるプールや子供用ワイワイオハナを往き来して、二人とも休みもとらずに、潜ったり、泳いだりよく遊んだ。萌香ちゃんは潜ることができるし、上向きに浮かんでバタ足で進める。武琉君もクロールも自分で真似て息継ぎらしきことをして泳いだ。大したものだ。
 3Fプラザで昼食をとって4Fのスパーガーデンパレオへ。ジイは孫を娘たちに任せて、プールの所々に配された温泉に浸かって孫たちの成長をながめていた。
 今回は、去年は入れなかった大露天風呂が楽しみだった。一人で「江戸情緒あふれる世界最大の大露天風呂」に浸かった。普通の温泉旅館の大きな風呂なら10個や20個は優に入る広さだ。ここだけは空いていて、秋の涼しい風に打たれ静かに流れる雲をながめた。いろいろ思いを巡らしひとときの幸せを想った。しばらくぶりの温泉、これ以上の贅沢はなかった。菊の花を蒸気にかざした蒸し風呂でもゆっくり落ち着いたひとときを過ごした。
 いわき湯本温泉は泉質は硫黄泉・塩化物泉、源泉は59.5℃の高温泉で本施設の使用量は毎分3 tで国内最大規模らしい。

 昨年楽しんだトロピカルフラショウは見るどころではなかった。最後に何度も流れるプールに付き合わされ、時間だからと納得させて楽しい夢の世界を終えた。
 一年中こんなにぎわいの世界が繰り広げられているのか、リッチな社会の一端をのぞいた思いでいる。 (2009.9.5)


秋を迎えた里山

2009-09-04 | 自然観察
  
 往く夏を偲ぶピンクの百日紅

 涼しさの中ミンミンゼミがスローテンポで鳴いている。窓越しに、夜中に降った雨に濡れた百日紅の花が咲いている。ああ、夏が行ってしまうのだ。

 昨日、いつもの里山散策で、マダラナニワトンボに再会出来た。昨年夏、環境に人手が入り今年の発生を心配していたので、特に嬉しかった。

 
 マダラナニワトンボの飛翔

 
 マダラナニワトンボ

 池ではオオルリボシヤンマがさかんに産卵していた。飛翔するオスの美しさはたとえようないが、産卵するメスも角度によりルリ色がきれいに光った。例年見るオオイトトンボがかなり少なく感じられた。

オオルリボシヤンマ 
 



 わずかに残るツルフジバカマの葉には準絶滅種で最近少ないヒメシロチョウが、弱々しく舞っていた。紅紫色の花にはイチモンジセセリが飛び交い密を吸い、まさしく秋が実感された。きれいなミソハギにはキタキチョウが訪れ、秋型のシータテハにもしばらくぶりに出会えた。
いよいよ里山も秋本番を迎えた。



 ツルフジバカマのイチモンジセセリ

 
 ミソハギにきたキタキチョウ

シータテハ



日記@BlogRanking

絶滅が危惧される虫たちを守りたい。

2009-09-02 | 昆虫
        【絶滅危惧Ⅰ類 マダラナニワトンボ】

 
県立博物館で企画展示「うつくしま自然展」を見た。
 県内の貴重な動植物が、パネル写真や昆虫標本、はく製などで紹介され、豊かな自然の生態系や環境教育の現状などが説明されていた。

 その中で「福島の標本の今」のコーナーはとても印象深かった。
 他県の多くでは、価値ある標本がきちんと蓄積され、データベース化され、調査研究、教育等々に利用されているが、本県では公的機関での標本の保管はきわめて少ない。ほとんどが個人の管理で、それも失われつつある現状が示され、県内に自然史博物館等の必要性・緊急性を訴えていた。おおいに共鳴すべき主張だと思った。

 絶滅が危惧されている昆虫標本を見ながら、今年も近くの里山で棲息を確認できたギフチョウやヒメシロチョウが浮かんだ。何万年も前から生き延びてきた虫たちや植物を絶滅させてはならない。あらためてこれらの保護・保全が緊急であると思った。



 ギフチョウ 準絶滅危惧


 ヒメシロチョウ 準絶滅危惧

 
チョウトンボ  準絶滅危惧

日記@BlogRanking