エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

マダラナニワトンボの産卵

2013-09-17 | 昆虫

時折強い風が吹いています。

そんな中、台風一過の晴天に誘われてマダラナニワトンボが連結して打空産卵のピークだった。

池の水から1,2mの湿地にばらまかれたタマゴは越冬して水温む頃に孵化、7月頃に羽化して林の中で過ごす。

少し涼しくなり水辺に現れ産卵する。

まずは、孵化したヤゴは水へたどり着かなければならない。一見水草の少ないこの池、餌はあるのだろうか。

産地は局所的で減少し、西日本ではほとんど絶滅しているという。

適した産卵場所が確保され、無事にヤゴが育ち羽化するまでには、幾多の条件を克服しなければならない。

今日は、これまでにない5~6ペアが、落ち着いて無心で産卵を繰り返していた。まずは胸をなで下ろした。

また来年の再開を祈った。

 ♂   ♀

 

 

            ↑ 落下する卵

       

 

いつも愛おしさがこみ上げてくる。願わくば、100年、1000年、永久に生き続けて欲しい。

 


何トンボ?

2013-09-04 | 昆虫

  

市内のため池で、見慣れないトンボを見かけた。 いろいろ考えているが、何トンボか分からない。

何頭も撮影したが、完璧なものはなく、またすべて♀のようで、♂らしき個体も見かけない。

色合いから、モートンイトトンボ♀によく似ているが、時期的には遅いし、ブルーの小さな眼後紋がある。モートンイトトンボ♀ならば独特の縦紋があるはずだ。

肩黒条はほとんど見られず、他に考えられるキイトトンボよりはずっと小型だ.

アジアイトトンボにも似ているが、♀の眼後紋はつながっていない。 また、アジアイトトンボはこれまで付近で見かけたことがない。

よく分からないときはSPPに投稿して尋ねるが、最近はかつて賑わった閲覧者がいないみたい。

 トンボの尾園先生に教えていただこうと思っている。

 

 

 

 

 


オオルリボシヤンマの産卵

2013-08-29 | 昆虫

 

  今年のE地点の池、ちょっとした異変だ。

  まずギンヤンマ、チョウトンボが極端に少なかった。いつもギンヤンマより多いスジグロギンヤンマも少なかった。

  春から池の水が極端に少なく、水質の悪化もヤゴたちには良くなかったと思っている。

  ちょっと前から、オオルリボシヤンマも出てきたが、これも少ない。

6月から、池の水の管理について管理者の行政に提言してきたが、どうもらちがあかない。

 

 今日は、近くのA地点へ行ってみた。清らかな水が流れ込む山間の池では、E地点の池に比べてオオルリボシヤンマの天下だった。

 オオルリボシは、何度もきれいな写真を撮っていたが、また、じっくり観察してきた。

♂のルリ色が何とも言えずきれいだ。

 ♂   ♀

なかなかホバリングしてくれず撮りにくいが、産卵の時期には産卵中の♀に何頭もの♂が集まり、♀にまとわりつき比較的撮りやすい。

♀は単独で、あちらこちらで抽水植物や朽ち木の組織内に産卵していた。

 

 

   

 

♀の斑紋はオニヤンマのように鮮やかな黄色ではなく、とても地味だ。

図鑑によると♂のように青い斑紋の変異もあるようだが、未だ見たことはない。

 産卵風景は、これから10月末まで見られる。

 しばらくぶりに、数年に一度しか出くわさないウラギンシジミに出会った。

 足下をキラキラしながら給水活動をしていた。一瞬、美しいオレンジ色が見えた。♂だ。

 

 


生きとし生けるもの

2013-07-10 | 昆虫

 

坂村真民の詩「一心」を思い出す。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

限りある命だから
蝉もこおろぎも
一心に
鳴いているのだ
あんなに
一心に
咲いているのだ
わたしも
一心に
生きねばならぬ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日もいのちの営みを見つめた。
チョウ、トンボ、虫たち、草花・・・みんな精一杯に生きている。

オオムラサキを心配して、例年何頭かに会える林を訪ねた。
大きなミズナラの根元にアオカナブンやルリタテハと一緒に食事中だった。なかなか羽を開いてくれなかったが、♂1頭の雄姿を記録に残した。

 

  

カブトムシは未だ来ていない、これから続々夏の虫たちが生まれてくるだろう。
季節は間違いなく巡ってきた。そして新しい世代のいのちが生まれている。

   

 ・キマワリ                       ・朽ち木にナガゴマフカミキリ           ・クスベニカミキリ?                 ・シロコブゾウムシ

【トンボたち】

  

・オオシオカラトンボ ♂                            ・オオシオカラトンボ ♀                           ・アオイトトンボ

 

・ハラビロトンボ ♂成熟

   

・大分傷んだ春のトンボ ヨツボシトンボ                     ・ショウジョウトンボ                          ・キトンボ

  

・いつも目が覚める美しさ アマゴイルリトンボ

   

   モートンイトトンボ 成熟♀            未成熟♂    

 今日もいろいろなチョウに出会いました。

  

・羽化したばかりのミドリヒョウモン                          ・夏型になったベニシジミ                             シロツメクサにツバメシジミ♀

    

・ウラギンヒョウモンの交尾                   オカトラノオにオオチャバネセセリ                         ・ウラギンスジヒョウモンも

  

  ・鮮やかなヒオドシチョウ                           ・ほぼ正常な斑紋のヒメシジミ♀                           ・スジグロシロチョウ


    

・オモダカの白い花が開いた                          ・ノアザミも種を飛ばし始めた                      ・クララ ああ、オオルリシジミを思い出す

 真民のもう一つの詩「二度とない人生だから」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

二度とない人生だから
一輪の花にも
無限の愛を
そそいでゆこう
一羽の鳥の声にも
無心の耳を
かたむけてゆこう

二度とない人生だから
一匹のこおろぎでも
ふみころさないように
こころしてゆこう
どんなにか
よろこぶことだろう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日も、生きとし生けるものから大切なものを学ばせてもらった。

 

 

 


虫たちの絶滅危惧 一刻の猶予もない

2013-03-21 | 昆虫

  虫たちの写真を整理していた。

  また、昨年の夏、環境省が公表した「絶滅のおそれのある野生生物の種についての最新のレッドリストを見ていたら、

これまでの準絶滅危惧種だったヒメシロチョウが今回は絶滅危惧1類に指定されていた。

近い将来に絶滅の危険性がより高まった訳だ。

他には、大川沿いで見られたミヤマシジミが絶滅危惧ⅠB類(EN)に、まだ見られるウラギンスジヒョウモンが絶滅危惧Ⅱ類(VU)に、

また、東山地区でずいぶん見かけていたヒメシジミ(準絶滅危惧種)も、最近めっきり少なくなった。

 

ヒメシジミ                                                 ヒメシロチョウ

 


 同じく、会津の里山に生息する絶滅危惧1類のマダラナニワトンボやコバネアオイトトンボも、生息環境の変化で年々少なくなっている。

 

マダラナニワトンボ                                         コバネアオイトトンボ

 


 会津の里山に細々と生息するこれらの希少な虫たちが愛おしく思われた。

  数十億年の生物の進化の歴史が幾多の生物をはぐくんできたが、毎日驚くほどのスピードで多くの種が絶滅している。

これらはすべてが人間の行為によるもので、手をこまねいてはいられない。自然との共生を実現する実効的な保全対策が急務である。

 厳しい冬も終わり虫たちの活動が始まる今、小さな虫たちの命を守るための行動を起こしたいと思っている。

 

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絶滅が心配されるトンボ

2012-10-11 | 昆虫

  思いがけない場所でマダラナニワトンボの産卵をみることが出来た。
今年は心配だった。時期が来ても、昨年まで決まって姿を現していた池でその姿を見ることが出来ないでいた。思いもかけないところで、待ちに待った産卵するマダラナニワトンボの姿を眺め、多少の安堵感が湧き感無量だった。

    

  

          ↑   落下する卵が見える

  

 先日ソバ畑で今年初めて一頭の♀を目撃したのは2週間前、そこは卵を産める環境ではなかった。今回産卵している池は、より生息条件がいいと思った。

 水辺のアオイトトンボを撮りながらあきらめて帰ろうとしたとき、ふと黒いトンボが眼に入った。マダラナニワトンボは飛翔が早く、しかも身体が黒いので見失いがちだ。付近を探していると、今度はペアが飛んでいてホバリングしながらいつもの産卵をしていたのだ。時刻は正午を回ったところ。じっくり観察しながら、数十枚連写を繰り返して撮った。カンガレイだろうか、その細い草の間を縫って、高さ2,30cmのところから卵を落としていた。ときどき卵が落下するのが見えた。水際約1,2m付近で、孵化した幼虫が水に入りやすい場所に思えた。池は水質はどうだろうか。また、水中の植物が少ないようだが、エサになる虫はいるだろうか。ほんの限られた条件の場所でしか明日のいのちは保証できない。それにしても嬉しかった。どうか、無事に冬を越し、孵化し成虫まで育って欲しいと祈った。

  また、ここで新しい出会いがあった。オオアオイトトンボと思いきや、近づいても飛び立たない。

よく見ると翅胸の模様が少し違うようだ。目の色もアマゴイルリトンボのようだった。しっかり写真を撮った。

家に戻って図鑑を開いた。どうもこれは絶滅危惧種、コバネアオイトトンボのようだった。環境省は絶滅危惧Ⅰ類に指定、福島県がⅡ類に分類している貴重なトンボだ。

 

 マダラナニワトンボといい、コバネアオイトトンボといい、全国でその絶滅が心配されるトンボが市内に生息している事実を思った。

是非とも、この環境を保全していかなければならないとあらためて痛感させられた。  (2012.10.11)

 

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待ちに待ったマダラナニワトンボ

2012-09-25 | 昆虫

 

  9月になり、三日にあげずマダラナニワトンボの現れるのを待った。

今日は、月末の検診日、内科と久々に眼科の受診だった。相変わらずだが、年に1度で良かった眼科、2ヶ月後にまた来なさいとのこと。

何とか元気に過ごしているが、すっかり病人であることを再認識させられた。

 

  昼過ぎ、曇り空から晴れ間が覗く。例年からもう3週間も遅れているマダラナニワトンボの姿が浮かんだ。また、いつも見かけるポイントを目指した。
 池の辺に昔の面影を抱きながら近づくと、シマヘビがとぐろを巻いていた。とぐろを巻くシマヘビは初めて見た。すっかり冷え込んできた秋の陽にのどかなくつろぎの姿勢か。

 午後3時近く、アキアカネ、ノシメトンボが少し増えたか、でも、待ち焦がれている黒い赤トンボはお出ましにならない。また、ウラギンヒョウモンが産卵していた。

マユタテアカネ ♂                                    ノシメトンボ ♀

   

 

アキアカネ ♂                                        ♀

 

 場所を変えて、アマゴイルリトンボの里へ回ってみた。まさかここで彼女に会えるとは思ってもいなかった。ヒョウモンチョウを追いながらソバ畑のあぜ道を歩いた。

 秋の静けさを堪能しながら数百メートルのソバ畑の畦を往復した。帰り道、ふと黒く熟してきたソバの実の上の赤トンボを見ると、なんと愛しの君ではないか。

 待ちに待ったマダラナニワトンボが目の前に。 嬉しかった。 よくぞ姿を現してくれた。

 例年より2週間ほど遅い発生だ。ひょっとしたら今年は駄目かと、不安がもたげてきていた。思わぬ再会、15,6分しっかり撮影させてくれた。

  

  


 マダラナニワトンボはマユタテアカネよりまた小さく、翅の基部の橙色斑からメスのようだった。

 先ずは、たった1頭だったが幸運にも出会うことが出来た。発生がこれからで、じきにペアになって産卵する光景を見たいと願っている。

 今回撮影は午後3時半を回っていた。

 

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珍客ツマグロヒョウモン

2012-08-30 | 昆虫

                                【 ツーショット  ツマグロヒョウモンとミヤマアカネ】

 眼に浮かぶススキの原を見たくて、里山へ出かけた。ススキの野に磐梯が美しく聳えていた。

 連日残暑厳しい里山、チョウもトンボも少ない。
 それにしても、いつも思うことだが、信州のチョウ、トンボに比べると、種類も数もなんと少ないことか。

 きょうは、珍客ツマグロヒョウモンに会うことが出来た。

 

 3年前か、会津大学構内でセイタカアワダチソウに吸密するツマグロヒョウモンに会った。 これで2度目だ。

 温暖化が進み、生息範囲を北に広げているようだ。 図鑑によると、長野県や山梨県での越冬が確認されているようなので、福島でも土着可能ではないだろうか。

 人なつっこいというか、カメラを持つ私からほとんど離れずに舞っては止まり、止まっては舞っていた。

 なかなか羽を広げてくれないが、裏面の後翅下部の縁は図鑑に比べてずいぶん黒い。 裏面はヒメアカタテハを思わせる模様が特異できれいだった。

今度は、是非メスのツマグロを拝見したいものだ。

 暑くても季節は移ろい、イチモンジセセリが現れた。              ツバメシジミは産卵に夢中だ。

 

稲穂にオオシオカラトンボ、季節の一コマだ。                   どこにも沢山いたのがオニヤンマ

       

田の脇でミヤマアカネが目立った。                               

 ♂  ♀

ツリフネソウもきれい。                                        いつも迷う、ヘリグロチャバネセセリ♀か?

 

アオイトトンボ 成熟♂

   ノシメトンボも

 

  トンボ池で、期待したマダラナニワトンボは未だのようだ。

 猛暑の中、相変わらずチョウトンボが元気だ。

 特別、珍しく無くてもいい。いつも現れるチョウやトンボ、草木と語らうことが大好きだ。  (2012.8.28)

 

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カマキリの産卵

2011-10-11 | 昆虫

  三連休の最終日、朝からママに促されて嫌々宿題をやっていた。
よく学びよく遊べか、その後孫たちは二人でよく遊んだ。
 最近はサッカー、ボールを蹴り合っているだけだが歓声がすごい。
次は自転車遊び、その後が虫取りだ。
 アリも怖がっていたのに、コオロギやカマキリを手づかみして騒いでいた。
最近、盛んに虫を飼いたいう。昆虫少年の孫もようやく目覚めたのだろうか。
 今年はカブトムシの産卵をさせ、目下孵化した幼虫を飼育中だ。多分20~30匹くらいいるだろう。小さいのはまだ5~6ミリ位だが、大きいのはもう5センチ位ある。
しばらく霧吹きは俺の仕事だ。
 この前捕まえてきたトノサマバッタもケースに入れて産卵させた。

 夕方、雪囲いに忙しくしていたら、孫たちがカマキリが卵を産んでいると報告に来た。
一緒に産卵の様子を見た。地上1メートルくらいの雨樋と壁の隙間でお尻を振りながら産卵していた。「すごーい」と言いながら写真を撮っていると、萌香ちゃんに「65年生きてきて初めて見たの。」と言われた。カックシ。
 やはり雪は結構積もりそうだ。 
  今朝見たら、まだおしりの先を付けたまま、カマキリは産卵姿勢で止まっていた。

 

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オオシオカラトンボ

2011-08-01 | 昆虫

今年も庭にオオシオカラトンボが来た。
 好きなトンボだ。我が家の庭が好きなのだろうか。

♂はシオカラに比べてずっと青みが強く、腹部の黒の部分が小さい。
成熟すると白粉を吹いてくる。
複眼は黒で、後翅の付け根が黒いのが特徴だ。



♀の黄色は鮮やか黒とのコントラストが強い。これも老熟すると黄色が地味になるようだ。
腹端部の上付属器は♂に比べ短めで左右に離れている。これは未熟♂と♀を見分けるのに役立つ。



(参考)シオカラトンボ
  ♂








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梅雨明けのトンボ池

2011-07-12 | 昆虫
 

東北地方も梅雨が明けた。
若松もきのうは36.5度、昔はなかった気温だろう。
梅雨明けと聞くと、いっそう暑さが感じられる。

きのうは、そろそろチョウトンボが発生したかと、自称トンボ池に行ってみた。
池はスイレンが美しく咲き、黒いチョウトンボがアシの間をひらひらと舞っていた。
ショウジョウトンボ、ギンヤンマ、チョウトンボなどが賑やかに飛び、クロイトトンボ、オゼイトトンボが盛んに連結産卵していた。まさにトンボ天国だった。


【ショウジョウトンボ♂】

チョウトンボの翅は普通は濃青藍色、ときどき黒色の個体もみる。金色に光っている黒いのは産卵しているから♀のようだ。
反射角度により、金属光沢の翅も飛び方もチョウのようだ。翅の先端は透明で、色の部分の広さは個体差がありそうだ。
ときどき、尻尾をあげて逆立ちをするトンボをみかける。これは、直射日光が当たる面積を少なくする体温調節の知恵らしい。







チョウトンボの飛翔を観測していたら、尻尾を垂直に立てながら飛ぶチョウトンボを見た。
初めて見る滑稽な飛翔だった。


【尻尾を垂直に立てながら飛ぶチョウトンボ】

 帰りに別の環境の場所に寄ると、ぬかるんだ農道でアマゴイルリトンボが盛んに産卵していた。干え上がったらどうするのだろう。


【アマゴイルリトンボ】

産卵

連結

モートンイトトンボの棲む田は水が抜けていた。ついこの前まで泳いでいたイトトンボのヤゴやオタマジャクシはどうしただろう。
 ここで、珍しいムラサキシジミをみつけた。田の畦の脇のミズナラの林だ。
食草はコナラ、ミズナラなどで、成虫で越冬する。
会津では初めて見るチョウにとんなところで会えた。

ムラサキシジミ

なかなか翅を開いてくれず、裏面は地味な模様のねずみ色、飛ぶとき美しく見える美しいルリ色を撮ることは出来なかった。
 炎天下は避けたいが、体調に留意して、汗びっしょりになって里山を巡ってみたい。

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研究誌 キマダラルリツバメ 改訂版

2011-06-24 | 昆虫
   【今年もキマダラの季節】2010.6.26撮
2010.6.26撮

 キマダラルリツバメの発生の時期に合わせて、三島町の角田伊一氏から『研究資料 キマダラルリツバメ 改訂版』が送られてきた。

 数年前、三島町の角田さんに案内していただきキマダラルリツバメに会った。
また、昨年の今ころ「キマダラルリツバメシンポジュウム」が開催され、参加させていただいた。
 昭和57年、キマダラルリツバメは三島町の天然記念物に指定された。
その保護、環境整備への角田さんの献身的な努力に敬意を覚えている。
もちろん、今回のキマダラルリツバメの報告書に見る、長年の調査・研究活動は素晴らしく功績は大きい。
キマダラルリツバメは、東北地方では岩手県久慈を北限にした陸中地方、三島町を中心とする会津の限られた地域に生息している。
その幼虫はハリブトシリアゲアリの巣中で給餌されて育ち、まだその生態については解明されない点も多い。
 角田さんは報告書の編集後記に、「私のキマダラルリツバメ研究の集大成と言うよりも、むしろ鎮魂歌というべきものかも知れない」と書かれ、
また、この貴重なチョウの保護、生息環境の保全を訴えておられる。
早速礼状を認めた。

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三島町文化財報告書 第22集
  『キマダラルリツバメ 改訂版 』
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目次
Ⅰ キマダラルリツバメの概要
  1. 分布と地理的変異
  2. 研究小史
  3. 三島町のキマダラルリツバメの概要
Ⅱ キマダラルリツバメの現況と保護
  1. 分布の概要
  2. 生息地の現況
  3. 消滅産地の現況
  4. 保護と今後の課題
参考文献
編集後記

編集/発行 三島町教育委員会
         只見川流域自然誌研究会
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キマダラの保護が進み、いつまでも生き続けさせことを願わざるを得ない。
報告書を読みながら、オオルリシジミに思いをはせた。
 戦後まもなくのころまで、会津地方に棲息していたチョウである。
ときどき里山でその食草の「クララ」を見かけると絶滅してしまったオオルリシジミを思う。
ヒメシジミが舞うのを見ながら、オオルリシジミの絶滅を切なく思うのが常である。
気の遠くなる年月を生き抜いている蝶やトンボが愛おしくてならない。
いつもそんな気持ちで虫たちと接している。
またできれば角田さんを訪ね、キマダラルリツバメに合いたいと思っている。


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飛翔するサラサヤンマ

2011-06-14 | 昆虫





昼前にトンボを見に行った。
 曇り空からときどき陽が差すがイトトンボ類が少ない。
 アマゴイルリトンボに誘われて茂みに入ったら、サラサヤンマがついてきた。
 はじめはなにサナエか?と思ったが、木立の狭い空間をホバリングする姿にサラサとわかった。
 このトンボ、実に人なつっこい。林道に戻ると、またついてきて周りを飛んでいた。
なかなか止まらないので、飛んでいるところをマニュアルでピントを合わせて連射した。
 後ろ姿や前向き、横向きと・・・数打てば、何枚かはピントのあった写真が撮れるだろう。
 図鑑には、「和名は腹部の黄色斑紋が更紗模様に見えることによる。」とあったが、
そもそもサラサ模様とはどんな模様なのだろうか。













帰りに、ハンミョウに会えるかも知れないと、エゾ、オゼイトトンボのポイントに寄った。
ニワハンミョウに混ざってハンミョウがいた。いつ見てもきれいで,愛嬌がある。
しばらく追いかけっこして撮った。



コサナエの連結がいた。やはり、♂の模様は、♀の黄色に比べてかなり緑がかっていることがわかった。



林道にセセリチョウやカラスアゲハが吸水に来ていた。
カラスアゲハはしばらくぶりだった。



コチャバネセセリだろうか、いつも近似種の判定に苦慮する。(2011.6.13)






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ヤマトシリアゲ

2011-06-12 | 昆虫

ときどき見たこともない虫に出会うことがある。
先日、目の前のスイバの葉に、黒い虫が飛んできた。
ガガンボの仲間だろうと思ったが、顎が長く突き出ていて、お尻に橙色の丸い卵らしきものがついていた。
レンズを向けると、根や腹部にも紅いものが・・・、どうもダニが寄生していると思われた。

 帰宅して図鑑で調べると、シリアゲ、別名ヤマトシリアゲと判明した。
 シリアゲムシ目は完全変態をする昆虫で最も古く、2億数千万年前のペルム紀には既に今と同じ形で存在していたらしい。
 図鑑には、トンボを捕まえている写真が載っていた。
食性は肉食性で、あの長い口で他の昆虫の体液を吸うのだ。
 本種は翅の斑紋や体色に変化が大きく、春に出現するものは黒色で、夏に出現するものは少し小さくてベッコウ色で、かつてはベッコウシリアゲと呼ばれて別種とされていた。
現に、手持ちの図鑑にはベッコウシリアゲが、別に記載され、シリアゲの型(色彩/季節型)と書かれていた。
 撮った写真は尾を上に丸めるようにしているので♂と思われる。
♂は名前のとおり腹端をサソリみたいに巻き上げている。

昨年は、アゲハの卵の天敵、2,3ミリのクサカゲロウの幼虫の生態を知った。
(参) 拙ブログ:「ブドウトリバ 不思議の世界」(2010-11-17)
また、ゴイシシジミ観察の折に、クマザサの上に笹につくアブラムシを食べるセグロベニトゲアシガについても知った。
(参) 拙ブログ:「セグロベニトゲアシガ」(2010-08-11 )

 約4億年前に地球上に出現した昆虫、現在100万種ほどが知られ、最近の研究では実際には数十倍の種類が生息しているらしいと推測されている。
 わずかに出会う虫たちについて知ることはとても楽しい。

新しい友に再会 その2

2011-06-11 | 昆虫

Fポイントで、アマゴイルリトンボに会った。
  昨年、この大きなブルーの目玉に初めて会ったのが、7月半ばだった。
 まだ先かと思っていたが、やはりイトトンボの仲間は同じようだ。
 ♀もいたがまだ数は少ない。エゾ、オゼ、オオイトトンボに継いで出てきたところだ。 
日差しの強さは苦手なのか、暗いところが好きなようだ。
 アマゴイという名と関連ありそうだが、確か新潟の雨乞池で初めて発見されたからだと記憶している。
池の水面を,清らかな小川の辺りを,音もなく静かに移動する。小さな虫を求め、かわいい伴侶を捜しながら・・・。
 静かに息づく美しい瑠璃色の宝石だ。

アマゴイルリトンボ






また、今日は水辺で成熟したクロイトトンボ、ヤマサナエ?にも会えた。


クロイットンボ ♂


クロイトトンボ連結


オオイトトンボ(上) クロイトトンボ(下)


エゾイトトンボ連結


ヤマサナエ?

林に入るとクロヒカゲ、ヤマキマダラヒカゲが沢山飛び出した。


クロヒカゲ

ニホンカワトンボ ♂ 成熟橙色翅型


ニホンカワトンボ ♂ 無色翅型


日当たりのいい草原では、ウラギンヒョウモンが元気に飛び回り、アカツメクサに止まった。


コミスジに継ぎ、イイチモンジチョウも出てきた。裏面の模様が何とも言えず魅力的だ。

イイチモンジチョウ




わずか1,2時間の里山だが、静寂の緑に囲まれ虫たちとの出会いは至福のひとときだ。
 気温は28度まで上がり、いよいよ夏本番を迎えた。(2011.6.10)

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