【ツルフジバカマに産卵するヒメシロチョウ】
4月末、例年になく多く発生したヒメシロチョウに驚いた。
あれから10日になる。土手一帯、自転車で上流から下流へ数㎞を駆け巡りヒメシロチョウの分布を調べた。
その間、ヒメシロチョウの産卵場面を中心に撮影したが、いろいろな不思議な場面に遭遇し新しい発見もできた。
他に、ツバメシジミ、ベニシジミ、ルリシジミ、モンキチョウ、モンシロチョウを見た。
ツバメシジミ♀ 初見
ブチヒゲカメムシ
ヒメシロチョウの発生はやはり局所的で、生息ポイントを外れると生息していないことを再度確認できた。
これは土手の植生の関連から、ヒメシロチョウは食草ツルフジバカマの分布域からそう遠くへは離れないことを示している。
益々、ツルフジバカマの移植作戦に意欲が湧いた。かつて土手に生息していたミヤマシジミはもういない。
そうならないうちに、広い範囲の生息をと思う。
ツルフジバカマのない土手にはカラスノエンドウやスズメノエンドウなどが結構分布していた。
スズメノエンドウに吸蜜
カラスノエンドウにベニシジミ♀
ポイントから離れるに従いわずかに飛来するヒメシロチョウを観察していると、カラスノエンドウに産卵する個体を確認した。
しかもエンドウ豆のサヤに産卵するものもいた。新しい発見だった。
カラスノエンドウにも産卵
卵が見える
文献には、ヒメシロの食草はツルフジバカマのみとの記述があるが、一部にはクサフジの記載もある。また、クサフジは誤りとの記載も。
カラスノエンドウは驚きの発見だった。でも、産卵したことは事実である。しかし孵化後、幼虫が食するのかは疑問だ。
もしもカラスノエンドウで育つならば、ヒメシロチョウの絶滅の心配はないのではないだろうか。そのうち飼育して確かめたい。
さらに驚いたことに、マメ科とは縁遠いバラのような葉に産卵する個体を撮影した。これは何という植物だろうか。
何という草?
よくヒョウモン類が食草以外の場所に産卵するようだが、何故だろうか。
付近にたくさんの食草ツルフジバカマがあり、心配なしに産んだのだろうか。
また、初めて交尾態を撮影した。数十年観察していて、よく求愛行動は見かけていたがペアは初めての出会いだった。
雌が雄をぶら下げて飛翔していった。
もう一つ不思議な殺虫事件に遭遇した。草むらに動かないヒメシロチョウを見つけたのだ。
探偵コナン少年が推測するに、一頭のヒメシロチョウ、今日の就寝場所にきめたのはタンポポの花。
やがて日が暮れタンポポは花を閉じた。熟睡中の彼女は、徐々に胴体を挟まれ逃れられずについに死に至った。
新鮮な♀
黄色いのは花粉か。 タンポポで吸蜜したのだろう。
今日、庭にコミスジが飛んできた。また、トラフシジミが庭の地面で吸水していた。オナガアゲハが咲き出したライラックの花を訪れた。
いよいよ初夏の雰囲気、チョウの季節到来だ。
ライラック咲き出す。オナガアゲハ飛来。
今日もいろいろな不思議に出会った。
思えば、目にする自然のすべてが不思議の世界だ。
自然の中で不思議を見つめ、何故か考える楽しさの虜になっている。
老いを迎えてのやすらぎのひとときだ。 2017.5/9
良い季節になってきました
先生の活動範囲がますます広がっていきますね
たんぽぽに挟まった写真には驚きました
自然は面白い!美しい映像に感謝です
ヒメシロチョウ幼虫本来の食草以外の近縁種や全くの別種の植物にも産卵する。なぜでしょう??
本人に聞いてみたいですね、「あなた間違いしていませんか?」
地球上に異常なまでもにはびこった生物・人類が、劇的に改変してしまった自然生態系、これに適応し種の存続とさらなる繁栄のために新たな食草を求める飽くなきチャレンジの一場面なのか?
ダメと思いながらも、一縷の望みを託し涙とともに自身の卵を産み付けたのか?
はたまた単なる間違えなのか?
振り返って、雑食性の人間といえども、極めて多種多様の物を食べてきた。
過去にはそのチャレンジによって膨大な数の命が失われた上に現在の食生活があるのでしょう。
今回の観察に、生きものの営々とした命の引継ぎと不思議を垣間見た思いです。
これからもヒメシロチョウの生い先をお守りください。
でも、いつも多忙です。
小さな虫たちも、雨、風は苦手。
このところ風が強く撮影には最悪です。
元気なうちにと、忙中の閑を大事にしています。
今日は検診日、雨降りと重なり助かります。
すべて本能が成せる技でしょうが、不思議の世界です。
今産卵された卵、そろそろ土手の除草が始まります。
来週、刈り方について河川事務所と相談しに行きます。
いろいろ考えていますが・・・、「いつまでも若くない」と思い始めています。
また会津へお出かけ下さい。