都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
今回は「邯鄲」を描きました。
『鳴く虫の女王』と言われている虫です。
秋になると夜に鳴きだします。その鳴き声はルルルルとかよわく儚い何とも言えない風情があります。
邯鄲が鳴きだすと、秋も本番となります。
邯鄲は草の色と同じ色をしていますので、見つけるのは至難の業です。
「鳴く虫の女王」と呼ばれるほど昔から人気のある虫であるが,江戸末期の虫譜という昆虫図鑑に「邯鄲(かんたん)ぎす」として現れたのが最初であるらしい。
万葉のころから詩歌に詠われてきたコオロギやキリギリスと比べ日本での歴史は思いの外新しい。この「邯鄲」という漢字は,人生の栄枯盛衰の儚さを説いた「邯鄲の枕」あるいは「邯鄲の夢」として知られる中国の有名な故事から取られたようだ。その河北省邯鄲市にカンタンはいないらしいが,中国ではこの虫を「天蛉」と呼ぶ。体長14-18mm,翡翠細工のように透き通った淡緑色の美麗種である。クズなどの大きな葉の切れ目から顔を出して鳴くことにより音を増幅する。3パルスからなるチャープの連続音で,基本周波数は3kHz前後と他の鳴く虫に比べ低音で,ルルルルルと聞こえるその声に悲哀を感じる人は少なくない。この夢の様に儚い鳴き様から「邯鄲ぎす」の名を冠したものと考えられている。 |
邯鄲(かんたん)
コオロギ科の昆虫に『邯鄲(かんたん)』という虫がいます。その美しい鳴き声から『鳴く虫の女王』と言われているそうです。合本俳句歳時記第三版(角川書店)には以下のように解説があります。
~ 体が長細く、淡い黄緑色をしている。長さは 1.5センチ前後だが、その3倍に達する線状の触角を持っている。8月ごろから草の間で多く鳴いている。その鳴き声はルルルと夢みるような美しさで、情のこもった感じがする。~
その姿と鳴き声を視聴できる動画(YouTube)がありますので、見てみましょう。
・カンタン(邯鄲)秋の鳴く虫 カンタンのカンち鳴く - 邯鄲の鳴き声 - oecanthus longicauda
さて、この邯鄲という虫の名前は、『邯鄲の夢』(あるいは『邯鄲の枕』)という中国の故事に由来します。
― 邯鄲の夢 ―
趙の時代に『盧生』という若者が人生の目標も定まらぬまま故郷を離れ、趙の都の邯鄲に赴く。盧生はそこで呂翁という道士(日本でいう仙人)に出会い、延々と僅かな田畑を持つだけの自らの身の不平を語った。
するとその道士は夢が叶うという枕を盧生に授ける。そして盧生はその枕を使ってみると、みるみる出世し嫁も貰い、時には冤罪で投獄され、名声を求めたことを後悔して自殺しようとしたり、運よく処罰を免れたり、冤罪が晴らされ信義を取り戻ししたりしながら栄旺栄華を極め、国王にも就き賢臣の誉れを恣にするに至る。
子や孫にも恵まれ、幸福な生活を送った。しかし年齢には勝てず、多くの人々に惜しまれながら眠るように死んだ。ふと目覚めると、実は最初に呂翁という道士に出会った当日であり、寝る前に火に掛けた粟粥がまだ煮上がってさえいなかった。
全ては夢であり束の間の出来事であったのである。盧生は枕元に居た呂翁に『人生の栄枯盛衰全てを見ました。先生は私の欲を払ってくださった』と丁寧に礼を言い、故郷へ帰っていった。 (以上、Wikipedia より転載)
すなわち、『邯鄲の夢』は人の栄枯盛衰は所詮夢に過ぎないという、その儚さを表す言葉なわけです。そして、私たちの先人たちは、ルルルと夢みるような美しさゆえに、その鳴き声にもはかなさ、哀れを感じて虫の名を『邯鄲』と命名したのでした。 |
尚、中国でカンタンは天蛉という名で呼ばれており、その美しい鳴き声と短命な成虫の儚さが中国での人気の主な要因だと言われています。
したっけ。
#NO WAR #STOP PUTIN
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