年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

明治35年10月21日東京朝日新聞

2007年07月18日 | べったら市
べったら市の様子
明治35年10月21日東京朝日新聞
夷講と魚類
昨日も例の二十日夷とて旧習を守る商家にて今尚夷講を催して商売繁盛を言祝ぐ(ことほぐ)なり。されば昔よりの式は追々廃れしも当日の立て物である飾り鯛のごときは相変わらず呼び声高く相場は魚市(の値段)に跳ね上がり。買い人の顔色を見て取っては千円万円とも吹っかける勢いで、ことに目下赤十字社大会出席のため地方より上京する社員数を知らず料理屋旅館とも魚類の需要頗る多きところより一般品は沢山にも拘わらず高値を唱えて売惜しみたり。さて夷講に用いたる鯛は本日少し下落の傾向があるけれど諸方より入荷した物を選ばずして大物尺以上一貫目二円五十銭,小五六寸物同金三円二三十銭にて夷講には小物の売れ行き多いため(日本橋魚)河岸相場はかえって安くない。このほかの魚類にて上等刺身用カジキ十貫目二十円より十五円に下落し次ぎ物の北海マグロの骨取の箱入り氷詰にて十貫目七円五十銭、ボラは養魚池産四五銭、伊豆イカは品物沢山にて一杯二銭二厘、ソーダ鰹は大十二銭小五六銭、鯖は沼津ものにて大八銭五銭、次物五銭、サンマは房州の大物四五銭、鰮は江戸前二三銭、カマス一銭十二厘、鮫はかまぼこ用の品は少なく撞木(しゅもく)鮫十貫目八円くらいなるが以上は魚河岸相場にて小売は東京市中まちまちなれば此処には挙げず、とにかく夷講当日としては無理なき相場であるという。


佐野常民(日本赤十字社の創立者)が明治35年10月、日本赤十字社創立25周年式典において、皇族以外に例のない「名誉社員」におされた。
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