年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

坂本竜馬が福神漬の資料には出ないと思っていたが

2016年04月20日 | 福神漬

 

海援隊規約

民権演義情海波瀾, 戸田欽堂 [著] ; 山田俊治校注. 汗血千里の駒, 坂崎紫瀾 [著] ; 林原純生校注

明治政治小説集の本を借り出し、戸田欽堂のことを調べていたが、図書館へ返本する時間があったので坂崎紫瀾の小説を読んだ。この作品は坂本竜馬を題材とした小説で事実と異なる部分が多い小説として知られている。従って資料としては役に立たないと思い込んでいた。ただ坂崎がコレラで死んだ花香恭次郎の葬儀に参加していたことが記憶に残っていた。この小説に海援隊規約の所がある。「凡嘗テ本藩(土佐)ヲ脱スル者及佗(他)藩ヲ脱スル者、海外ノ志アル者此隊ニ入ル。
  運輸、射利、開柘(拓)、投機、本藩ノ応援ヲ為スヲ以テ主トス。 」

福神漬の資料を読んでいると輸送、開拓、商業、移民の歴史の資料と重なる。海援隊の会計をしていた岩崎弥太郎の意志が日本郵船に伝わったと思われる。大正の関東大震災の直前に三菱商事の会議室で日本缶詰協会の会合があった。どうして三菱商事が缶詰を商っていたかを知ると海援隊規約にたどり着きそうだ。坂本は広く世界に出ようとしていた。日本の中の競争に勝つことより世界の中で生きようとしていたと思われる。三菱商事の社史によるとロシア革命で北洋漁業が混乱している時缶詰の取り扱いを始めたようだ。これは日露戦争で発達した日本缶詰業界への参入が遅い。三菱が缶詰に手を出さねばならない状況にあったようだ。

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