ステップアップ

今日はアパートの101号室に住んでいた、N君の引っ越し。

2012年からアパート経営を始めたのだけれど、N君はアパートの最初の住民。
今年31歳になる彼も、これまで3回更新して、来年の7月で丸々8年。
最近はたまに彼女が遊びに来ているのを見かけたから、
『そろそろ結婚かな？』なんて、余計な事を考えたりもしていた。

2週間ほど前に、ワゴン車にソファなどの荷物を積み込んでいた処に遭遇して、
そろそろ引越しを考えているという話を、本人から聞いていたので、
今日はその日が来たんだなぁ････なんて思ったくらい。

部屋が片付いたようなので、顔を出したらN君と彼女が居た。
実はこの部屋は、募集してすぐに決まってしまい、中を見るのは初めて。
改めて、無駄に金をかけた部屋だなぁと思ったかな？

ここを引き払ったら中野の駅から8分くらいの賃貸マンションへ引っ越すらしい。
『おぉ、ステップアップだね』と僕が言うと、照れ笑いしていた。
敢えてここで『ステップアップ』と言ったのには意味がある。
部屋数が増えたり、駅からのアクセスが近くなったり、都心に近付いたり、
そう云うのはステップアップでグレードアップでは無い。
部屋のグレードは、ワンルームとは言え、相場の倍以上も金をかけて作った
天井高４mの木造アパートですから、そこらの部屋には絶対に負ける気がしないですからね。

『住み心地はどうだった？』と訊いたら
『静かで天井が高くて開放感があって、収納スペースが半端じゃないので済み易かったです』
と言ってくれて、大家としては嬉しい言葉だったかな？

大家として、管理人としてアパートに住んでいる関係で、住民とのコミュニケーションは取れている。
また一人、アパートを出て新しい生活を始める人が出て、何だか卒業生を送りだす先生のような気分。
新しい生活をして、『あの部屋、良かったなぁ････』って思い出してくれたら嬉しいですね。