今回、芝居の中で女性二人との三人で唄う場面がある。
ところが、前にボイストレーナーの石崎先生から
『テクニックじゃないよ、気持ちをどう伝えるかだよ』とアドバイスを受けて、
それまで三人がバラバラだったのが、少しだけ改善された。
それでも、やっぱり何処かしっくり来ない。芝居も何となく小ぢんまりしちゃって、
何かが足りない気がしていた。
そして今日の稽古。
ダンスの振付けをして頂いている河岡先生からも
『伝わって来ない』と指摘された。
それで河岡先生が、体をぐにゃぐにゃしながら、音程が狂おうが
構わず唄えと言う指示が出た。
初めての経験で戸惑いながらも、唄っているとなんだか身体中から
声を出しているような感じがした。
上手く唄おうとか、格好良くとか、マイクを使ってカラオケで唄うのとは訳が違うなって…
身体全体が自分の出している声に包まれるって云うのかな?
とにかく、初めての感覚でびっくりした。
唄で気持ちを伝えるのって、台詞で表現するより遥かに難しい気がします。
これは今後、バンドの活動にも生かせるだろうな。
それと振付けの河岡先生のアドバイスが、なんと的確なことか…。
考えてみれば河岡先生も、色々なミュージカルに出演されている、
プロのミュージカル俳優。
ダンスだけじゃなく、芝居の歌に関しても、プロなんだよなあ…
そういえば、僕も会社で似たような事を若い連中に、言っていたなあ。
『自分がどう作りたいのかを表現するのが図面だ』って。
自分一人が解っていても、それを見た人に伝わらなければ、意味がないと…
何だか色々な意味で、考えさせられた、稽古でした。