叔父は今年80歳になる。
子供に恵まれず、僕が養子になる話が過去に2度ほど
持ち上がっては流れたという経緯もある。
叔父のところへ居候して、会社の跡を継ぐという話も有ったのだけれど、
僕はまだ若くて好き勝手なことをして、我侭なことを散々やった挙句、
結局は、叔父のところを飛び出して今に至ったという
僕自身、叔父に対して後ろめたい気持ちが今でもある。
そんな叔父に何かがあった時に、頼れるのは僕なのかな?
なんて、勝手に思い込んでいるのだけれど、実のところ
これは亡くなったお袋が、ずっと気にしていた事でもある。
お袋はいつも『何かあったら、面倒を見てあげてね』
と、僕に言っていたのだ。
叔父の家は、数年前に会社を廃業して、かつて珈琲の焙煎をしていた
1階のスペースは、何も使われないで空きスペースになっている。
それなら僕に貸してよ・・・という話をしたら、叔父が真面目に考えて
僕に声をかけてきた。
秋葉原の駅から歩いて数分という、絶好のロケーションで
叔父と一緒に何かできないかな?って、僕も真面目に考えている。
会社の定年まで2年。
定年後の準備をするにもちょうどいい時期でもある。
叔父への借りを返さなくちゃいけないし、僕にとってもいい転機。
会社への愛着がすっかり無くなって、今は弟子が育つこと以外は
何も考えていないし、それ以外のことをやる気も無い。
叔父と色々話をして、具体的な話はまだ決まっていないのだけれど
何よりも、そういう話をしているときの叔父夫婦の嬉しそうな顔が
すべてを物語っている気がした。
人生の第2ステージ。
いよいよ始動準備に入った・・・・というところかな?