二泊三日で出かけた大船渡。
実は主の目的は大船渡ではなく、ちょっと山の方に入った住田。
大船渡から車で20分もあれば到着する山間の町。
ここに古い土蔵が沢山あって、その一つを改造した
『住田クラッチ』というライブが出来るスペースがある。
このスペースは地域振興の一環で、この場所をを拠点にして、
誰でも音楽を楽しめる環境づくりと言う事で、町役場の助成を受けて、
3年間、90万円の補助金で楽器やアンプなどを準備して
会費制の『音蔵(ネクラ)』というサークルが中心になって運営している。
今年も、6回目に当たる東北復興プロジェクト『The North Journey』が開催され、
その中で、僕が企画したイベントを提案したら、承認されて枠を貰った。
そのイベントで、地元のバンドやミュージシャンに協力して貰って
出来れば僕は、単なるプロデューサーで終わらせようと企んでいる。
東京からバンドを引き連れて演奏して、僕がボーカルをやるのが、
一番手っ取り早いけれど、それでは僕の意図する企画ではなくなってしまう。
被災地のお年寄りに、元気を出して笑顔で居て貰いたい。
5年間、大船渡へ出向いて演奏して帰って来たけれど、
実際は東京の人間が、向こうで騒いで帰って来ただけ・・・・
地元の人たちの関心は、殆ど得られなかった。
行くたびに『何か違うなぁ…』と思いながらも、行かないよりは行く方が良い。
何もしないよりは、何かやった方が良いと思いながら続けてきた。
今年の劇団公演は『今を生きる』と言う事について、脚本家からお客様へ
明確なメッセージがあって台詞や、挿入歌に演者である僕が心を揺さぶられた。
その時に何か感じたものがあって、モヤモヤしていたのだけれど、
6月に音楽担当の大塚先生のプロジェクトに参加して、そのモヤモヤガ晴れた。
僕が発信したかったのは『歳をとっても、元気に生きよう』と言うメッセージだった。
そんな訳で、大船渡の世話人、平山さんという方とコンタクトを取っている。
電話やメールじゃ駄目。まずは手書きの手紙を送って、それから電話、メール。
面倒なようで、こういうプロセスは大事です。
そして600㎞離れた東北まで直接会いに行く。
直接出向いて、顔を見せに行く事で、こちらの意気込みや本気度を見せる。
そうしないと、信用されないというのは、なにも東北の人に限った事ではないですからね。
先月から大船渡へ出向いて、住田の音楽仲間と会って話をしたけれど、
正直なところ、まだ自信が無いのか?強い手応えが無い。
こちらは最悪、僕が一人でやるしかない・・・・
復興支援住宅のおばあちゃん達は、余り出歩きたがらないと言う事も判った。
計画も考え直さないとならないかなぁ?
でも、そういう課題が見えたことは凄く大きいかな?。
大船渡の世話人、平山さんにある青年を紹介された。
今年の7月から、若者を中心に地域振興するためのプロジェクトで
東京からやってきて、市から住宅と農地を無料で借りて、
ITを利用した野菜作り等を模索していると言う。
そんな立場だから、人を集めたりすることは比較的簡単にできる。
そんな彼の力を借りようかと、平山さんに相談したら紹介してくださった。
その彼と色々と話をしていたら、なんと僕が定年退職した会社の元社員だと判明。
つまりは僕の後輩だったのです。
しかし、こんな場所で、遭遇するなんて本当に奇跡に近い。
逆に、出会うべく運命だったのかも知れません。
なにか、ちょっと流れが変わりそうな気がしてきました。
今回の大船渡行きは、色々な人と出会って収穫がありました。
『The North Journey』よりも、何だか人生の流れが変わる予感がします。
20170828大船渡