定年後に始めた新しい仕事。
設計業務なんて、まず無いと思っていたけれど、
意に反して全く未知の装置を作ることになった。
そして、紆余曲折を繰り返しながらも、何とかものになった。
エンドユーザーのお客様の立会の時に
『これ、欲しがる人がいると思うよ』
と言われて、ちょっと良い気分になった。
それならば、製品としてもしも受注が有ったときの為に、
今回はその装置で使ったオリジナルの技術のパテントを、
ダメ元で出してみようと『発明考案提案書』を作成した。
この『発明考案提案書』
前の会社の本社でも年間2通の提出ノルマがあって、毎年書いていたから、
そんなに苦労はしなかった。
本社に居る頃は普通にやっていたけれど、子会社に出向したら、
そんな文化が無いので驚いた。
考えてみれば、設計と言っても新規技術の開発などやったことが無い連中。
開発と言っても過去のものをコピーして、見た目を替えるだけの新製品の開発。
いわゆる開発・設計の部署ではなく、ほぼ生産技術的な設計でしかない。
それでも設計検討して、いろいろ試してたどり着いたならまだしも、
何も考えず『今まで通り』と、自分の考えを入れたり、新しいことにチャレンジしない。
そういう人達に、『発明考案』なんて書けるわけがない。
この時に、本社と子会社のレベルの違いを見た気がしましたね。
さて今回書いた『発明考案提案書』。
詳しいことは書けないけれど、要素として4件ほどのものになった。
パテントが取れるかどうかよりも、実際に実施居ているということを
世間に公示して、他社からパテントのことを言われないようにする。
一種の『抑止力』の意味合いもあるのです。
最初は、今の会社の申請書類の書式が判らず、
とりあえず前の会社で使っていたフォームに下書きした。
それを書き終えたところで、今の会社のフォームを貰ってみたら笑っちゃった。
何のことはない、記載することは
1.技術分野・背景
2.従来例と問題点
3.発明のポイント又はクレーム案
4.実施例(図を添付)
5.発明の作用・効果
6.応用・その他
と、形こそ違うが申請に必要な項目を書くという内容はほぼ同じ。
考えてみれば『パテント申請』という目的は同じなのだから、当たり前の話ですね。