『錬金術師』を池袋の芸術劇場まで観に行ってきました。
金田さんは、今から40年前に豊島区の東長崎に有った豊島区民プールで
ライフガードのアルバイトをしていた時のチーフ。
偶然、稽古場で遭遇して、俳優を目指していた事を知ったと言う不思議な関係。
最近はテレビや、コマーシャルで活躍されて、お顔を拝見する機会が多くなり
去年の公演『ワーニャおじさん』を観に行った時に、奥さんを見かけて声をかけたところ
公演後の楽屋に連れて行ってもらえて、約35年ぶりに再会。
若い頃と全然変わって居ない金田さん。
俳優って言うのは、若さを維持すると言う事も仕事の一つなんだ・・・・・と感心した。
楽屋で話をした時に、『お得意のコメディーをやってほしい』と金田さんに話したら
この芝居をやるんだ・・・・と嬉しそうに話していた芝居が『錬金術師』。
僕は公演スケジュールを調べて、チケット売り出しと同時に予約して楽しみにしてきたのです。
この『錬金術師』
劇団のHPによると、四百年もの長きにわたり、ギリシア悲劇や
シェイクスピアの陰に隠れながらも、ずっと息長らえて来た戯曲らしい。
更に、HPには
『それには何か理由がある、いやあるに違いない、あるに決まっている!
と古今東西の演出家、名優、怪優、愚か者が、何度も謎の解明のために上演を試み、
しかし結局、誰一人答えは分からずじまいという、もの凄い戯曲なのであります』
と、書いてあって、この一節は芝居の冒頭で口上としても使われていた。
芝居の方は、あれこれ書いても書き切れない。
とにかく橋爪さんと金田さんの台詞のやり取りは、見事と言うしか無い・・・・・
台詞の活舌の良さ、間、やり取りのテンポ・・・・
プロの芝居も、沢山観て来ていますが、こと『コメディータッチ』の芝居は
ただ騒がしかったりで、台詞が良く聞き取れなかったりする事も
間々あるのですが、今日の芝居はそう云う意味でも別格と言う感じ。
主役の二人から出る『オーラ』のようなものを感じた芝居でした。
今日はその余韻を、稽古に出そうと思っていたのだけれど、やっぱり違う。
何が違うのかな?って、色々考えてみたのだけれど、芝居の台詞が
普段、我々が会話や、馬鹿話をしている時のような自然な流れで喋る。
我々の芝居はと言うと、「はい、私の台詞の順番です!」と言う感じの人が多い。
唄に関しても、芝居のツールの一つになって居ない。
今日まで座長や振付の河岡先生、歌唱指導の石崎先生、作曲の片野先生が
口を揃えて仰っている事を、プロの芝居で見せつけられた感じでした。
まぁ、逆にプロと同じように上手くなったら『素人芝居』の良さが無くなって
ある意味、面白くなくなってしまうのかも知れませんが・・・・・
肩の力を抜いた芝居が出来るようになりたいですねぇ・・・・・