NHKの朝の連続ドラマ『べっぴんさん』
最近は朝7時半に起きて、肩のリハビリへ行く前に観ているが、
このドラマは、最初から欠かさず観て来た。
主役の蓮根京子は19歳。
その他のキャストも若々しくて、戦後の時代を力強く生き抜く
それぞれの役柄を上手く演じていた。
http://www.nhk.or.jp/beppinsan/cast/cast-w21.html#norio
ところがここ数カ月、お婆ちゃんになった主役をはじめとして、
何だか若い人の芝居に無理があるなぁって思うようになった。
49歳まで演じる蓮根京子さんだが、風貌はメイクで何とかなっても
芝居にはどこか違和感を感じる。
これは主役だけじゃない、旦那の社長役の永山絢斗も同じ。
その他の出演者のほとんどが、話し方や仕草が若者のものなのだ。
とにかくキャストが若すぎて、セリフに重みを感じないのですよ。
そういう点で生瀬勝久や伊武雅刀、西岡徳馬のようなベテラン俳優は
やっぱり違うなぁ・・・・って思ったのでした。
その中で唯一、若手の役者の中で高良健吾が演じる社長役は、
中年らしく芝居をやって居たくらい。
若い人が年寄りの役をやる難しさっていうものを感じた。
我々の劇団は、最年少が25歳、最年長は90歳のお婆ちゃん。
看板役者で最年長のお婆ちゃんは、足の具合が悪いという事で
今回の公演には出演できないという事を2週間前に伝えて来た。
それで今回の最年長者は80歳を超えたオバチャマ。
総勢10人の男性陣は80代が3名、70代が2名、60代が3名、30代が2名。
30代の二人はプロの世界でも役者をやりながらだけれど、
年齢を重ねた人だからこそできる芝居と言う物を実感しているという。
芝居の上手い下手じゃないのですよ。
歳を重ねて経験してきた事があるからこそ、説得力のある言葉。
そういうものは、若い人が幾ら真似しても上辺だけだという。
『居るだけで、存在感に差が出る。反則だよなぁ・・・・』
なんて若手の二人が言っていた言葉を思い出す。
物事、何でもそうですが、いくら勉強しても最後のところは判らない。
答えがハッキリしている数学のようには行かない。
失敗をして覚える事、失敗をしないと覚えない事の方が多い。
失敗や挫折を知らない人間は、薄っぺらな人生しか送れない。
自分が還暦を過ぎて、少し外から世の中を観るようになって
『歳を重ねないと、判らないことや出来ないことって沢山あるのだ』
と感じるのです。
人生も同じで、生きて来た年数の経験がその人物を作り上げる。
恋愛、仕事、遊び・・・・僕は何度も失敗してきましてねぇ(笑)
今の若者は、失敗を恐れて安全な道だけを行く人が多いけれど
そういう人間は、本当の他人の痛みが判らない。
結果として、そういう人間は人を育てられない。
そんな人生を送って、面白いのかなぁ?・・・・・
なんて思うのであります。
そんな訳で、朝の連続ドラマ『べっぴんさん』は、最終回が近付いたあたりで
何だか薄っぺらなドラマになってしまったなぁ・・・・
そう感じたのは、僕だけなのでしょうかね?