退職して、いわゆる再就職して、色々と不本意な生活になったけれど、
ここ数日で、モノづくりをすることが楽しくなってきた。
設計と言うのは、図面を描くことではない。
前の仕事では、図面を描いているのが仕事だと思い込んでいる若者が
余りにも多いので、ちょっと不満だった。
与えられたテーマに、自分なりの考えを入れる。
これは決して新しい回路を考えることではない。
自分がやりたいことを実現するのに、まずは自分の考えをまとめる。
そして必要な要素を、整理する。
整理した後に、過去の図面を見て自分の考えに合った回路をコピーする。
これは単純なコピーではなく、設計したのと同じなのです。
ところがそのプロセスを省略して、コピーする。
そりゃ、動くわな・・・・
それでグレードアップしようとしたら、理屈が判っていないから
新しいものが創作出来ない・・・・。
こんな連中ばかしでした。
それでも、製品が出来てしまうし、お客様には解らないのかも知れないから
問題はないのですよ。
製品も出来るし、とりあえずは売れる。
会社としては何にも問題がないのかも知れない。
でも、それを問題だと思わない体質がどうにも我慢できなかった。
僕にすれば、そういうのは設計じゃないですからね。
製品の性能を上げようとするには、細かいところまで理屈を理解しないと
現状の問題点や、改善点を打破できないのですよ。
前の仕事で、本社に居た頃は製造部のメンバーとそういったやり取りを
頻繁にしたものです。
だから、結果が悪くても現場なりに考え対応してくれた。
そういった関係で、僕自身が育てられ、信頼関係が育まれた。
だから現場の人間にはいつも感謝していました。
そういう意味で、今の仕事は面白い。
何一つ、解るものがないから全て勉強する。
勉強して現場の経験者に質問する。
明快な回答が返ってくる場合もある。
そうじゃない時もある。
明快な回答が返ってきても、『こうしたらどうだろう?』
と疑問を投げかける。
こういったやり取りが、現場との信頼関係になる。
そんな物づくりの楽しさを、久しぶりに味わっている今日この頃です。