お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ボロ?ニセ?ナミダ?

2008年12月08日 | 日記

 今日は港を歩いていると、よく標本を提供して頂いている刺し網漁の漁師さんに声を掛けられる。船に行くとクーラーからニセボロカサゴかなと思う魚が出てきて標本用に頂いた。魚ボラの先生はこの魚の研究中で以前にニセボロカサゴの中から新種がどうのと聞いたことがあったので喜んで持ち帰る。直ぐにでも先生の所へ持って行きたいが現在海外出張中。自分はこの類いを知らないので持ち帰り調べてみる。するとニセボロカサゴの類似種のナミダカサゴというのが見つかる。背鰭棘間の鰭膜が切れ込むのがニセボロカサゴとなっている。この個体はそれほどでもない。となればナミダカサゴだろうか。ネットで調べてみるとダイバーの撮った写真がたくさん出ているが、ニセもナミダも混ざっている感じで当てになりそうもない。ネットで調べていくとよく似た普通のボロカサゴが見つかった。ボロカサゴは今までは全てが全身マダラ模様と思っていた。模様のない個体もいる事を知り、再び同定すると胸鰭軟条数が16であった。さらに背鰭軟条部後半に明瞭な1黒班が確認できる。同定結果はボロカサゴとなった。だが、ネットを見ると上顎に大きな皮弁があるにがナミダカサゴとなっているページも見つけた。何が何だか分からなくなってきたので先生に見てもらうのが一番だと思い同定を諦め、先生の帰国を待つことにする。ひょっとしてという事も考えられるので、今回は展鰭にホルマリンを使わず、ピンで固定したまま撮影する。


*ホウセキカサゴRhinopias eschmeyeri(Conde, 1977)と同定されました。

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待ち望んだミヤカミヒラアジ

2008年12月08日 | 市場

 今日は時化明けという事で定置網ではたくさんの魚種が混ざって獲れ、探せば何か面白い魚が見つかりそうであるが忙しくそれどころではない。そんな中、隣の定置網の漁師さんが変わった魚がいたと持ってきてくれる。この方は普段見掛けない魚を見つけるといつも持って来てくれる。その魚を見ると思わず鳥肌が立つ。ミヤカミヒラアジであった。ミヤカミヒラアジは今、特に探していた魚であった。昨年、お隣の宮崎で捕れたと情報を頂いていたので鹿児島でも捕れる可能性が高いと思っていた。うちの定置網ではなかったが標本を手に入れることができてとてもうれしい。恐らく、日本で4番目の記録と思われ、1番目・2番目の記録は写真のみで標本が無いそうなので、日本からの2番目の標本に基づく確かな記録となる。それにしても、今日はミヤカミヒラアジによく似るクロボシヒラアジがたくさん獲れていたにも関わらず、普通の漁師さんがその中からよくぞ見分け、見つけてくれたと驚くよりもむしろ感心してしまう。今度はうちの定置網でも捕ってみたい。昨年宮崎で捕られたのも12月だそうなので、今月はまだまだ目が離せない。

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