

今日は風もなく穏やかである。そんな中、定置網を起こしていると水面下にいろいろな種の稚魚が確認でき、何か変ったものがいないかと探す。すると浮いているゴミの中の小さな枝が動いて行くので、さらに目を凝らしてみるとタツノオトシゴの仲間であった。見失わないように急いでタモ網で掬う。掬った網の中を覗くと最初は見当たらず、個体が小さいのでタモ網の網目から抜けてしまったのかと思ったが、あまりにも小さ過ぎたので見つけ出さなかっただけで、よくよく見るとしっかりと入っていた。見失わないようにというか無くさないように確保し持ち帰る。この個体、高さが2センチ程で本当に小さく顕微鏡を使わないと同定できない。とりあえず撮った写真を拡大してみると躯幹輪数は10で、背鰭基底下の突起の数は1となり、そうなるとタツノオトシゴとなる。だが、躯幹輪数が11であれば吻も短いのでサンゴタツとなりそうである。どちらにしろ初入網であるが、やはり両者とも同定に自信が無い。幼魚でもあるのでここはしっかりと魚ボラで調べてから答えを出した方が良さそうである。今回はあの大きな定置網の中からこれだけ小さな魚を見つけ確保できたことがラッキーであった。裏を返せば最近不漁続きで漁獲物が少ないから成し遂げた業績である。