お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

メジロザメ属

2012年04月23日 | 市場



 最近はサメ類のネタが多いが、今日も市場内を散策していると、水揚げされたメジロザメ類が1トンタンクにたくさん入れられていた。その中に1個体だけ大きなものが混ざっている。見ると各鰭の先端が黒く、他のメジロザメ類とは種も違う感じである。取り出してみると第一背鰭、胸鰭が非常に大きい為か、吻詰まった感じである。吻詰まった感じでも鰭が大きいとカッコ良く見える。メジロザメ類は種類が多く自分は詳しくは無いので、同定のキーとなる鰭の位置や歯などが分かるように写真にだけ収め、家に戻ってから調べることにする。帰宅し、早速検索図鑑で調べてみると、第一・二背鰭間に背中線隆起は確認できない。そこでかなり絞られ、最終的にハナザメにたどり着く。だが、ハナザメはたまに獲れるし、水族館に搬出したこともあり知っているが、自分が知るハナザメとは顔つき、体つきが違うように思う。一応検索図鑑を使っての同定結果であるがどうも信用できない。それか自分が知るハナザメが違う種とも考えられる。今回は標本を確保していないので迷宮入りである。今回のように大きなサメ類を標本用に確保するにはタイミングが重要である。大きい為、海水に浸けての冷凍は不可能である。となるとその日に大学まで持ち込むか、手の空いている学生にここまで引き取りに来てもらうかである。稀少種であればどうにか確保しようとするのだが、そうでもなければ諦めてしまう。先ずは自分の知識を高め、現場で同定できるように努力せねば。
*コメントでカマストガリザメと教えて頂きました。ありがとうございました。
コメント (4)
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