今日、定置網で大きなクロマグロが獲れる。だが、そのクロマグロの腹部に穴が開いている。この穴のお陰でキズもの扱いされ、値も半減してしまう。この穴であるが大きな市場に並んでいるマグロ類では良く見られる穴に良く似ている。市場のマグロに開いている穴はダルマザメの仕業である。ダルマザメは小さい体ではあるが、マグロ類やその他の外洋性の大型魚類、更にはイルカ、クジラにまで噛みつき、このような穴を体に開ける。うちの定置網やここの市場に揚がっているマグロ類にこの穴が開いているのは見た事がなく、これが初めてである。ダルマザメがこのように噛みつくのは延縄に掛って泳げなくなったマグロ類に噛みつくものと思っていた。ところが定置網で獲れたマグロにこの穴があるとはどのような事だろうか。定置網内にダルマザメはいなかった。延縄には掛ったもののダルマザメに噛みつかれた後針が外れ逃げたのだろうか。疑問が残る出来事である。マグロを傷ものにして値段を下げたのだから、せめてダルマザメを標本として確保したかった思いである。


