今日は定置網漁を終え、帰港すると鹿大ではなく宮崎大学の学生が来ている。4年前に宮崎で開催された魚類学会年会でお会いした学生である。調査の為来ると連絡を受けていた。そしてもう一人同じく宮崎大の初めて会う学生も来る。自分の水揚げを済ませ、一緒に来ていた初めて会う学生と話をすると、市場に水揚げされている魚を確保することが出来ないかと尋ねられる。何か面白い魚でもいたのかなと思い聞くと体のスレた小さなタチウオが揚っており、そのタチウオを指さす。なんでこんなタチウオをと思うもよく見ると顔付が違う。頭部の形状が平たく長い。ひょっとしてと思い尾を見ると普通のタチウオと同じく尾鰭が無い。するとその学生からカンムリダチだと指摘され、更に尾はタチウオと同じ形状と教えられる。タチウオ科の中でタチウオ属以外は皆尾鰭があるものと思っていた。カンムリダチは市場だけでなく漁獲もしたことが無く初めて出会う魚である。自分では市場に揚っている魚をサッと見るだけで普通のタチウオだろうと思ってスルーしていたと思われる。宮崎大学の学生に感謝である。漁協の職員に話をして標本用に確保する。だが、見つけたのは宮崎大である。確保した標本を宮崎大に取られてしまうのかと思うが、標本はこれから鹿大へ行き、鹿大総合研究博物館に登録してくれるというので喜んで標本を渡す。自分で確保するとなると小さいタチウオとはいえ、冷凍保存となると結構なスペースが必要であり大変である。宮崎大学の学生さんのお陰で魚も見つけられ、更には鹿大に標本登録までしてくれるとは本当に助かり、ありがたい。今回は宮崎大学のお陰で新しい魚を確保することができ良かった。
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