今日は定置網漁後に市場で水揚げ作業をしていると、知り合いの漁師さんが来て、こんな魚が釣れたと生きた状態でバケツに入れて見せてくれる。見るとヌノサラシである。ヌノサラシは定置網や市場に素潜りなどでもまだ見たことのない魚であり、探していた魚でもある。ヌノサラシは皮膚からグラミスチンという粘液毒を出す事で有名であり、更にサイズが小さいので標本用にという事で持って来てくれた。有難く魚ボラの標本用に頂く。体色的には地味であるが、体側に数本のラインがあり、ちょっと派手さもあり、標本写真を撮りたかった魚である。家に持ち帰り、早速撮影に取り掛かる。標本を展鰭する為、最初に標本のヌメリを洗い流す。素手で体や鰭を水でよく洗うが、ヌメリがなかなか取れない。取れないどころかベタベタして来て、手にもこびり付いてくる。何とか標本のヌメリは取れたものの、自分の手にこびり付いたヌメリが取れない。石鹸や洗剤を使っても洗い流すことが出来ず、ベタ付くだけである。最初にも書いたが、このヌノサラシは皮膚から粘液毒を出す魚である。この手に付いて取れないヌメリには毒があるのだろうかと少々焦る。今後、手が荒れないか心配しながらの撮影となってしまう。魚を触ってこのような体験は初めてである。本当に今後、手が荒れないか心配である。
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