今日、定置網で久々にUpeneus poriが獲れた(2個体)。U.poriは昨年の5月にうちの定置網で採集して、日本初記録種として日本魚類学会年会で発表したヒメジ属の魚である。まだ、雑誌投稿をしていないため、標準和名を提唱していない。ヒメジ・ヨメヒメジに似るが尾鰭の暗色帯のパターンが違う。私は最初に下顎のヒゲの色を見る。ヒゲの色は当てにならないと言われるが、ヒゲの黄色くないヒメジ・ヨメヒメジを見たことが無い。U.poriのヒゲは白いのでこれでまず区別している。魚類学会発表前まではヒメジ属で背鰭が7棘なのはヒメジのみであったが、U.poriも7棘であるため2種になった。ヨメヒメジの背鰭は8棘であるが、第1棘は非常に短い個体もあり、レントゲンを使わないと確認できない場合があるので7棘と間違えやすい。日本での分布ははっきりしないが、魚類学会発表後に高知大学と宮崎大学も標本を所蔵していることがわかった。また、魚ボラに届けられた大隅半島側の定置網の漁獲物の標本の中にも混ざっていた。今後、分布がはっきりしてくると思われる。
*後日、未記載種とわかり、標準和名サクヤヒメジと提唱されました。
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