昨日の夕方、いつもお世話になっている深海エビ船の方から電話があり、真っ黒でザラザラの初めて見たサメが獲れたと連絡を貰う。真っ黒でザラザラと言う事でヨロイザメなどの深海ザメだろうと思い、急いで受け取りに伺う。港に着き、見せて頂くと魚種名はわからない深海ザメである。元々、深海ザメは馴染みがないのであまり種を知らない。その場で写真を撮るが時間が遅く、辺りはもう暗くなってしまう。深海魚らしく眼が緑色に光っている。当然初確保のサメなので直ぐに大学へ運び写真を撮ってもらいたいが、今日はもう時間が遅く大学へ走るのは諦める。家に帰り自分で同定出来るだろうかと不安になりながら検索図鑑で調べると体高や背鰭の高さなどの特徴で他に似た種がおらず、あっさりとオロシザメであることがわかる。分布を調べると駿河湾がメインで遠州灘でも確認されている。更にネット情報では沖縄でも記録があるみたい。だが、鹿児島海域での記録はなく、遠州灘と沖縄との分布域の空白を埋めるかたちとなるのだろうか。と言う事で今日はオロシザメの標本登録に鹿大へと走る。綺麗な状態が保てるかと心配していた眼も大丈夫そうで安心。大学に着くと早速学生がオロシザメに飛びついてくれ、標本登録作業をしてくれる。オロシザメはネット上では結構画像があるのだが、学生曰く駿河湾産でも標本は少ないみたいである。ザラザラの体表には多くのゴミが付着しているみたいで、撮影前にそのゴミを除去するのに苦労されていた。更に水槽内で魚体を固定させるのも難しそうであった。そして撮影が始まると妻から電話が来て、家のトイレが詰まったとの事。最後まで居たかったが途中で帰る羽目となる。オロシザメも気になるが夜なのでトイレを直す業者も呼ぶことが出来ず、明日までトイレが使えないのだろうかと不安と心配しながら帰路に着く事になる。
オロシザメ
鹿児島大学へ
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