父の一周忌に実家に帰りました。去年、亡くなる寸前、もう話せなくなっていたのに「庭の蝋梅が咲いたか?」と指で文字を書いて聞いた父でした。そのことを去年2月の句会で詠みました。
蝋梅は咲いたかと聞く父の指
一年経って、今回の蝋梅の句はその続編という感じです。今年は寒さのせいか開花が遅れていましたが、一周忌の朝、庭に出ると一輪だけ咲いていました。法事に来た甥や姪にも蝋梅の花を父が好きだったことを話しました。
いただいたコメントです。
能登さん:花を見て、一年の時間経過を知らされる。 この一年は作者にとって、どのような時間だったのでしょうか。
千香子さん:同じ一でも一の持つ意味が異なるのが気に入りました。
竹葉さん:一輪と一周忌の二つの一が句を引き締めて蝋梅を浮き立たせてる感じがします。
亜子さん:蝋梅は香りがよく下を向いてひっそり咲く。一周忌にぴったり寄り添っている。
★★★
ありがとうございました。あれから一年。折りに触れて父のことを思い出します。毎年、立春を過ぎると必ず「お雛さんを出したよ!」と電話がありました。もう電話が鳴ることはありませんが、先日、義姉が満開になった庭の蝋梅のこの写真を送って来てくれました。これからも毎年蝋梅を見ると父のことを思い出すと思います。 麗子