575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

蝋梅や一輪咲いて一周忌  麗子

2025年02月13日 | Weblog

父の一周忌に実家に帰りました。去年、亡くなる寸前、もう話せなくなっていたのに「庭の蝋梅が咲いたか?」と指で文字を書いて聞いた父でした。そのことを去年2月の句会で詠みました。

        蝋梅は咲いたかと聞く父の指

一年経って、今回の蝋梅の句はその続編という感じです。今年は寒さのせいか開花が遅れていましたが、一周忌の朝、庭に出ると一輪だけ咲いていました。法事に来た甥や姪にも蝋梅の花を父が好きだったことを話しました。

いただいたコメントです。

能登さん:花を見て、一年の時間経過を知らされる。 この一年は作者にとって、どのような時間だったのでしょうか。

千香子さん:同じ一でも一の持つ意味が異なるのが気に入りました。

竹葉さん:一輪と一周忌の二つの一が句を引き締めて蝋梅を浮き立たせてる感じがします。 

亜子さん:蝋梅は香りがよく下を向いてひっそり咲く。一周忌にぴったり寄り添っている。

           ★★★

ありがとうございました。あれから一年。折りに触れて父のことを思い出します。毎年、立春を過ぎると必ず「お雛さんを出したよ!」と電話がありました。もう電話が鳴ることはありませんが、先日、義姉が満開になった庭の蝋梅のこの写真を送って来てくれました。これからも毎年蝋梅を見ると父のことを思い出すと思います。         麗子

 

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中日歌壇

2025年02月10日 | Weblog

先月24日、当ブログでご紹介した遅足氏の短歌を覚えていらっしゃるでしょうか。

中日歌壇でまた、紹介されるといいですねと結んだあの歌が、見事昨日(2/9)の中日新聞に掲載されました。

 

 初雪の描きあげたるわが庭にあかりのごとしふたつの蜜柑

 

 ◆初雪に四年ぶりなり夫の歌

初句会の佐保子さんのこの一句が物語となったように思います。

 

【小嶋ゆかり選 評】

初雪が庭一面を覆ったのだろう。二つの蜜柑の存在が浮かび上がる。

 

  なんだかお二人がうらやましいな。おめでとうございます。  郁子

 

 

 

 

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冬ぬくし受話器に残る友の声  竹葉

2025年02月07日 | Weblog

今期一番の寒波の影響で災害級の豪雪に難儀をされている方が大勢いらっしゃいます。大丈夫?どうしてる?そんな電話があると嬉しいですね。

麗子さん: 受話器に残る」がなんとも暖かい感じ。人は人によって救われます。

亜子さん: 今まで友と電話で話をしていて、電話を切ったあとも会話の余韻が残っている。余韻を詠んだところがよい。「冬ぬくし」という季語とその余韻がぴったりあっている。

須美さん: 季語が良い。幸せな気分が伝わる。

泉さん:  最近、電話でしゃべることが少なくなってきた。冬にゆっくりと友と話をしてその余韻が残っている。

  私もいただきました。

友から電話があったというシンプルな出来事ですが、冬ぬくしという季語によって、友との関係性、温かい言葉のやりとりがあったのだということを想像させてくれます。また受話器というアナログな質感が人情味を強調するようです。 ずしっとくるあの受話器の重さ、ダイヤルまわしてジーッと戻る感覚。。今の子は知らないだろうし、私も忘れかけています

 

 スパイスに七草がゆは無国籍  郁子

晴代さん: 無国籍が言い得て妙です。

千香子さん: 無国籍か多国籍か?七草とスパイスの取り合わせが新鮮です

泉さん: 七草粥は昔から日本人にとってみじかなものだ。最近は料理もバラエティに富んでいる。七草とスパイスはどうもしっくりこないかもしれないがおもしろい。

 

  

子どもが幼い頃、朝ごはんに、残り物やあり合わせでよくおじやをつくってやりました。登校前の忙しい朝にお鍋ひとつでできるレシピです。まさに無国籍。「今日はリゾットにしたよー」とかもっともらしく。。

ホームルームで、今朝は何を食べてきましたかと聞かれた日があったそうです。うちの娘は「ムッソリーニ」と答えました。聞き慣れない「リゾット」が変換されてしまったのですね。

先生も??と首をかしげながら、他の生徒たちのパン、目玉焼き、みそ汁などに並べて「ムッソリーニ」と黒板に書いたという思い出話。

我が家の、今でも笑えるテッパンネタです。  郁子

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まあたらし箸一膳の淑気かな  亜子

2025年02月06日 | Weblog

自由題でトップ賞の亜子さんの秀句。亜子さんお気に入りの季語「淑気」を詠まれました。淑気とは、漢詩からきた言葉で、お正月の天地に漂う清くめでたい気配や空気、気分を指します。

毎日使うお箸と違ってお正月に使う箸袋に入った柳箸。身近なものにも、そこはかとなく淑気が感じられます。「新しき」ではなく「まあたらし」とひらがなにされたのは、漢字を控えやわらかさを出したかったからだそうです。

「箸一膳」というのが少しさみしげな感じがしますが凜としたお正月の雰囲気が伝わって来ました。一膳でも淑気を放つ新しいお箸。新年に新しいものをおろすのは気持ちが引き締まります。作者が明るくこの一年を過ごそうという気合いが感じられました。

能登さん:箸一膳にも宿る空気感、鋭い感性。

晴代さん:輪島塗でしょうか。

千香子さん:淑気という言葉がとても気品もあり、それだけですべてを表しているようで好きです。

須美さん:箸一膳の淑気が好き。

童子さん:淑気、知りませんでした。句が引き締まりますね。

       ★★★

これまでも新年の初句会にはこの淑気で俳句を作られている亜子さん。

   磨かれし昭和の薬缶淑気満つ (2024年初句会)

   独り居の花一輪の淑気かな  (2022年初句会)

ひとつの季語で毎年俳句を作るというのもいい練習になるかも知れません。

私も来年の新年は「淑気」にチャレンジしてみたいと思いました。麗子

 

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初日の出己が刃を研ぐ剱岳  童子

2025年01月31日 | Weblog

剱岳(つるぎだけ)は、北アルプス立山連峰にある標高2,999メートルの山。山好き憧れの名峰で百名山のひとつだそうです。

富山にお住まいの童子さんは、そんな山々が臨める恵まれた環境にいらっしゃるのですね。

いただいたコメントです。

能登さん:初日に輝く剣岳の厳しい姿が、目に浮かびます。ただ、剣は眺めるだけが良いようですが。

亜子さん:先日テレビで剱岳登山の険しい様子を見た。初日の出を仰ぐと剱岳の尖ったところがひときわ尖って見える、一枚の写真のよう。

須美さん:,己が刃を研ぐが好き

 私も今回、初日の出の句を提出させていただきましたが、断然こちらがいいといただきました。

国内では一般登山者にとって最も危険度の高い山といわれている剱岳、まさにその名のごとくといったところなのでしょう。切り立った峰を見ながら作者はご自分を奮い立たせていらしたかもしれませんね。

 

 初日の出目と目細まり初笑顔   郁子

少し推敲不足となりましたが、中七を「目の細まりて」にした方がよかったかもしれません。

日が出る瞬間は本当に眩しくて目も細くなる。と読んでくださった泉さんありがとうございました。

  

私の見た初日の出は、新しく建ったマンションの隙間からでした。

近くの公園に集う人たちはまばらで口数少なくその時を待ちます。嬉しくて笑顔が出るのか、眩しくて笑顔に見えるのか・・

今年は、飼い猫のお世話もあり、一人の年越しでした。早いもので一月も今日で終わりです。 郁子

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初刷りや能登の家族の腕相撲  千香子

2025年01月30日 | Weblog

「初刷り」は新年になって初めての印刷物。その代表は元日の新聞です。

いつもより分厚い初刷りの新聞。くつろいで初新聞に目を通す朝。インクの匂いも新しい感じがするでしょう。

ちょうど一年前に能登を襲った大地震。まだまだ復興にはほど遠いですが、そんな中にも初刷りの新聞に腕相撲に興じる能登のご家族の写真があったのでしょう。多くの票を集めました。

晴代さん:家族の笑顔が新聞からあふれるよう。

亜子さん:初刷りは新聞だと思う。地方紙の新聞に載った写真でしょうか?能登で被災された一家族が笑顔で腕相撲をしている。厳しいことがある能登の人々がこれから元気に暮らして欲しいという祈りが込められた一句だと思う。

泉さん:能登の地震から1年、なかなか元に戻らない生活、その中で家族の腕相撲の明るいニュースに少しホッとする。

 

能登さんは自由題でなかなか進まない能登の惨状を詠んでおられます。

     能登の海潰れ屋で泣く虎落笛  能登

亜子さん:能登の地震で潰れた家屋。片付けられずそのままの家に虎落笛が吹いている。荒廃した景色をそのまま詠まれた。悲しい風景だが、能登のことを忘れないためにも句に詠んで残していくことも大切だと思う。作者に敬意を表する。

竹葉さん:はじめは海が引っかかりましたが、能登を「能登の海」で表した方が詩的で違和感なく、何よりあの災害の悲しみを「泣く虎落笛」でよく表してる句だと思います。

      ★★★

現状は実際にその目で見ないとわからないことが多いと思います。腕相撲の家族も心の内は悲しみでいっぱいかも知れません。それでもなんとか前を向いて生きていかなければならない。少しでも希望が見つかる年になりますよう願ってやみません。麗子

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初雪に四年ぶりなり夫の歌  佐保子

2025年01月24日 | Weblog

この冬、名古屋に初の積雪をみたのは今月1月10日と記憶しております。豪雪に悩まされている地域の方には申し訳ないのですが、一面の白い景色は厳かでもあり、何か違ったスイッチを入れられるような気持ちになります。

能登さん:私の直感、「雪やこんこ・・・」の歌だったのかな。思わず、微笑んでしまう一瞬を切り取った佳句。

晴代さん:雪にちなむ歌かしら?

麗子さん:初雪で心が動いたのでしょう。何かのきっかけで歌が出来ることがあります。4年ぶりに短歌を詠まれた夫に捧げる喜びの俳句。

千香子さん:雪に苦しむ地域があるけれど、名古屋あたりでは久しぶりに積もるとうれしくなってしまいます

郁子:雪が降るとテンションがあがります。初雪ならなおさら。夫はこのところ歌を詠むことから遠ざかっていたのかな。初雪の感動に思わず口をついて出たのでしょうが、4年ぶりという具体的な数字がリアルで少し楽しくもあり効果的。何より妻の喜びが感じられます。

亜子さん:初雪で「夫の歌」というと「雪やこんこん」と歌ったのかも知れない。4年前に大病を患って久しぶりに歌を歌っているのを聞いてほっとしているのかも。これが短歌を詠んだということなら「初雪に歌詠む夫や四年ぶり」としてはどうか?

 ご紹介したように、選者の捉えかたも童謡か短歌で分かれました。亜子さんの添削の句もいいですね。

作者、佐保子さんからは

(ここ何年も俳句は辛うじて詠めるものの、歌は詠めなかった遅足が、先日の雪の積もったうちの朝の庭を見て短歌が生まれびっくりしました)とありました。 その短歌がこちら。

 

 初雪の描きあげたるわが庭にあかりのごとしふたつの蜜柑

 

ふたつの蜜柑に仲睦まじいご夫婦の姿が重なりました。

中日新聞「中日歌壇」の常連だった遅足さんの短歌がまた登場しますように。。   郁子 

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初富士や車窓いっぱい裾を引き  麗子

2025年01月23日 | Weblog

初句会はいろんな「初」が登場しました。

私は今年、お正月に初めて旅行しました。箱根駅伝をテレビではなく一目この目で見たいと上京しました。新幹車の車窓から見えた初富士は神々しく美しく窓いっぱいに裾を引き、何度も写真を撮りましたが、列車が動いているのでなかなかうまく撮影できず。。。でも心のアルバムに収めました。一度富士山を俳句に詠みたいと思いながら、雄大な富士山を詠むのがなかなか難しくて見たままの俳句にしましたが、思いもかけず多くの票をいただきありがとうございました。

郁子さん:車窓いっぱい裾を引き」がとてもいいです。車から見るには収まりきらない大きさがよくわかります。⑪も⑫も目の前の実景、それも絶景というのが「初」のお題にふさわしい

須美さん:光景がパッと目に浮かぶ。裾を引きが好き。

童子さん:裾を引きが良いですね。

竹葉さん:新年の景色の一番は富士ですね。間近に見られた富士の大きさがよくわかります。

         ★★★

ありがとうございました。富士山が見えると幸せな気持ちになるのはなぜでしょうか?思わず手を合わせました。

東京では芝の増上寺前から駅伝ランナーを応援しました。あっという間に通り過ぎていきましたが夢がかないました。今年はフットワーク軽く動くを目標にしています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。麗子

 

 

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2025年初句会 結果発表!

2025年01月22日 | Weblog

 

  1. 読初や遺品の書より故事辞典 (晴代) 竹葉 遅足 千香子 須美
  2. 初刷りや能登の家族の腕相撲 (千香子) 晴代 遅足 麗子 容子 亜子 泉
  3. 初漁や形見の万祝飾る海女 (能登) 千香子 童子 
  4. 哀楽のにじむ遺影や初明り  (亜子) 竹葉 能登 晴代 佐保子
  5. 初場所の鬼にならんか琴櫻 (遅足) 佐保子 麗子 童子
  6. 初場所や小力士巨漢を投げ倒す (須美)
  7. 初蝶や振り袖凛と二十歳顔 (竹葉) 泉
  8. 初お屠蘇吾子の笑顔に福来たる (泉)
  9. 初雪に四年ぶりなり夫の歌 (佐保子) 能登 晴代 麗子 千香子 郁子 亜子
  10. 初日の出目と目細まり初笑顔 (郁子) 泉
  11. 初日の出己が刃を研ぐ剱岳 (童子) 能登 郁子 容子 亜子 須美
  12. 初富士や車窓いっぱい裾を引き (麗子) 竹葉 遅足 佐保子 郁子 容子 須美 童子

 

 

 

自由題

  1. 冬ぬくし受話器に残る友の声 (竹葉) 遅足 佐保子 麗子 郁子 亜子 須美 泉
  2. 蝋梅や一輪咲いて一周忌 (麗子) 竹葉 能登 遅足 佐保子 千香子 亜子
  3. しいいんとしみる奥歯や寒の入 (遅足) 麗子 容子 須美 童子
  4. 福笑い猫片耳で参加して  (童子) 郁子
  5. 福笑ひと同じ顔して夫写る (佐保子) 遅足
  6. まあたらし箸一膳の淑気かな  (亜子) 能登 晴代 麗子 千香子 容子 須美 童子
  7. 洋風の輪飾りふえし近隣家 (晴代) 佐保子 泉
  8. 能登の海潰れ屋で泣く虎落笛 (能登) 竹葉 亜子
  9. スパイスに七草がゆは無国籍 (郁子) 晴代 千香子 泉
  10. カイロ5個振袖の下貼る成人 (須美) 郁子
  11. 過去と悔い雪に覆われ水墨画 (泉) 竹葉
  12. 寒の入り空酒ビンの青さかな (千香子) 能登 晴代 容子 童子

 

 トップ賞は  兼題 麗子さん

   自由題 竹葉さん 亜子さん 

  おめでとうございます 

 

 

 

 

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初句会の投句が揃いました。

2025年01月21日 | Weblog

2025年1月兼題「初」

①        読初や遺品の書より故事辞典 

②        初刷りや能登の家族の腕相撲 

③        初漁や形見の万祝飾る海女 

④        哀楽のにじむ遺影や初明り  

⑤        初場所の鬼にならんか琴櫻 

⑥        初場所や小力士巨漢を投げ倒す 

⑦        初蝶や振り袖凛と二十歳顔 

⑧        初お屠蘇吾子の笑顔に福来たる 

⑨        初雪に四年ぶりなり夫の歌 

⑩        初日の出目と目細まり初笑顔 

⑪        初日の出己が刃を研ぐ剱岳 

⑫        初富士や車窓いっぱい裾を引き 

           

自由題

①        冬ぬくし受話器に残る友の声 

②        蝋梅や一輪咲いて一周忌 

③        しいいんとしみる奥歯や寒の入 

④        福笑い猫片耳で参加して  

⑤        福笑ひと同じ顔して夫写る 

⑥        まあたらし箸一膳の淑気かな  

⑦        洋風の輪飾りふえし近隣家 

⑧        能登の海潰れ屋で泣く虎落笛 

⑨        スパイスに七草がゆは無国籍 

⑩        カイロ5個振袖の下貼る成人 

⑪        過去と悔い雪に覆われ水墨画 

⑫        寒の入り空酒ビンの青さかな 

 

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雪嶺がビルの隙間にぬっと立つ  能登

2025年01月17日 | Weblog

送っていただいた選句コメントで、句をあらためて鑑賞する楽しさを感じています。

思いもよらぬ新しい景の開けるコメントを今年もよろしくお願いします。つぶやきでも、疑問でも、長文でも何でも有難いです。ということで12月句しめくくりは寄せられたコメントを紹介します。

麗子さん:雪を頂くまではそこに山があることがわからず、白い雪が積もって初めて山の存在に気がつきます。「ぬっと立つ」がまさにそんな感じでした。私も遠くの雪山を詠みたいと思いながらなかなか作れないのですばらしいと思いました。

容子さん:地方の都市に行くと、真近にあまりにきれいな雪山がそびえていて驚きます。

千香子さん:隙間に見えたという意外性。隙間が面白く感じました。

泉さん:今年は富士山があちこちで問題になって、せっかく建ったマンションが壊された。今はよく見えていることでしょう。

 

 ゆれているないしょばなしの冬帽子  遅足

童子さん:近所のオバちゃんたちを言い得ています。ワタシも仲間ですが  w  あっ子供たちもかな

麗子さん:どんな「ないしょばなし」でしょうか?ひらがななので子供たちの内緒話のようですね。冬帽子のぼんぼりが揺れている気がしました。

郁子:ないしょ話は耳元に口を近づけて、聞いた方も驚いたり頷いたり。揺れる冬帽子は年配の二人かなと想像しました。

 

 杖つきつ闊歩の老婆冬の草  竹葉

 晴代さん:冬草も青々心持もまだまだと闊歩の一語につきます。

泉さん: 杖つきながら一歩づつ老婆が人生をかみしめながら歩いているのがわかる。

亜子さん:よく見る光景だが、「冬の草」は枯れずに青々とした常緑の草。おばあさんの姿を「冬の草」で終わったところがしゃれている。ぴったりの季語を探して来られたと思う。

 

女性のお年を明かすのは失礼かもしれませんが、おめでたいのでよしとします。亜子さんは米寿を迎えました。おひとりで何でもされていてバレエ、サーカス、コンサートなど、行きたい催しは積極的にチケットを購入してお出掛けになります。感想をきらきらした言葉で語ってくださる姿はとてもチャーミングです。

まさに冬の草、いや若草です。見習いたいと思います。  郁子  

 

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だんまりのひと日となりぬ枇杷の花  晴代

2025年01月16日 | Weblog

枇杷の花を見たことがありませんでした。調べると黄味を帯びた白い小花で、バニラのような濃厚な香りがするそうです。花は大きな葉に隠れるように咲いているので気がつかないことも多いとのこと。11月から2月にかけて房状に咲くそうです。

そんな「枇杷の花」という季語に、誰とも会話しない一日を重ねたトップ賞の句です。

竹葉さん:あー、一日話すこともなく過ごしたなー、とは一人で寂しかったのかそれとも相手がいながら平穏無事の日常でこんなもんだわの心なのかー、それは実を付けるために冬にそっと白い花をポツポツと咲かせる枇杷の花が語っています。寂しそうに見えてそうでもないと。。かな?

千香子さん:他の果物の花は春に咲くのにビワは冬に咲く珍しいと知りました。さみしさが出ていると思いました。 

容子さん:枇杷の花は寡黙な雰囲気がよく合います。けんかでもしたのでしょうか。

郁子さん:びわの花が、誰とも口をきかなかった一日と合っているように思った。奥ゆかしい物静かなイメージの花だからだろうか。

須美さん:だんまりのひと日が好き。

亜子さん:一日誰とも話さなかった日がある。目立たない「枇杷の花」は淋しげな花でよく合っている。

          ★★★

だんまりの一日。そういえば今日は誰とも話さなかったという日もあるでしょう。高齢化社会。単身の人にはその傾向もあると思います。そんな時そっと寄り添う枇杷の花。花が咲いてから実ができるまで半年以上かかるのですね。初夏の枇杷は甘く、果実にばかり目が行き、花の存在を気に留めたことがありませんでした。それほどまでに存在感を消す花も珍しいですね。でも晴代さんが俳句にすると見事な存在感となった枇杷の花でした。まだ咲いているかな?  麗子

 

 

 

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しぐるるや人待ち顔の赤ポスト  郁子

2025年01月10日 | Weblog

新年初めての投稿ブログに自分の句で申し訳ありません。

嬉しい選句コメントをいただきましたので、さっそくご紹介します。

 

竹葉さん:郵便料金も上がるし年賀状もやめる人が多くなりポストも時雨て涙まで出そうな感じですね。

能登さん:私も赤ポストに人格を感じてしまいます。

童子さん:古書店同様、SNSが主役になりポストも空腹でしょうね。

容子さん:雨とポストも、なぜか似合います。

須美さん:人待ち顔の赤ポストが面白い

晴代さん:ポストの擬人化が面白い。

亜子さん:郵便物そのものが減っているので頻繁に人が来ない赤ポスト。「人待ち顔」の濡れたポスト。時事句の趣きもある。

泉さん:いよいよ冬になり 時雨の多い村では赤ポストが際立って見える。

年末になるとポンポンに膨らむほどのポストは、はるか昔のものになってしまうのでしょうか。

  

近所の集会所にある赤ポスト。わりと大きな桜の木の下にひっそり立っていて、花びらや木の葉が降りつもっても払う人がいないような存在です。いつもは駅のロータリーにあるポストを利用しているのですが、日も暮れかかりハガキも一枚だけだったので家から近いそのポストに投函しました。そのとたん降り出した冷たい雨。駆け出しながらふと振り返ったときに見たポスト。赤い色がなぜか侘びしく、なんとも言えない寂しさを感じました。

今年も日常でふと感じた思いを素直に俳句にできたらいいなと思います。よろしくお願いします  郁子

 

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包装紙たたむ手際の師走かな  亜子

2025年01月09日 | Weblog

新年も9日目になり日常も戻って来た感じでしょうか?

週末は寒波襲来とのこと、被害が出ないことを祈ります。

さて、先月の句会での自由題のこの句。多くの票を集めました。まずはいただいたコメントからご紹介します。

能登さん:手際の良さに、いつも感心して見つめてしまいます。

童子さん:プロの技に憧れ、子供の頃ちらしや新聞紙でうちにあるもの次々と包装してました…プロの12月はその技が冴える季節ですね!

千香子さん:手際の後の省略が暮れのあわただしさを表しているようです。

郁子さん:歳末の忙しさを、包装紙を包む手際で表現い。最近はセルフレジで自分で袋詰めしたり、お金も機械に投入することもあるが味気ない。

晴代さん:某和菓子屋さんで手際に見とれたことがあります。

遅足さん、佐保子さん、私も頂きました。

私も大学生の頃、デパートのおもちゃ売り場や紳士服売り場でアルバイトをしていました。クリスマスシーズンはとても忙しく、家で包装紙で箱を包む練習をしたことを思い出しました。まず包装紙のどこに箱を置くかでうまく包めるかどうかが決まります。そして角はきちっとあり上げる。手際の良さが求められるアルバイト先でした。私にプレゼント包装を頼んだお客さま、手際悪くてごめんなさい。

作者の亜子さんはバスに乗って栄までお買い物に出かけられます。お歳暮で忙しいデパートの店員さんの手際のよさやコツにほれぼれしたそうです。

何気ない一瞬ですが師走の風情をよく捉えたトップ賞の句でした。私も今年はフットワーク軽く動くことを目標にしたいです。 麗子    

 

 

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明けましておめでとうございます。 遅足

2025年01月05日 | Weblog

明けましておめでとうございます。

 今年もゆったりとお正月を過ごしています。

 お昼過ぎにようやく初詣に。と言っても一人ではでかけることはできません。

 帰省中の息子に車椅子を押してもらって出発です。

ひげを剃らずにマスクで顔を隠して。ゆったりではなく、自堕落ですね。

わが地元のお宮さんも、年々初詣客が増えているようです。

甘酒をいただいて帰宅。いいお参りでした。

 年賀状をいただいてお返事がしていない方があります。

この場をお借りしてお詫びいたします。

申し訳ございません。ほんとうはここで一句詠めるといいんですが、、、。

           遅足

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