白川郷の景色でしょうか?合掌作りの茅葺き屋根にこんもり雪が積もって丸みのあるフォームとなり、本当は寒いのだけれど、なぜかそこに温かみを感じるという俳句ならではの世界感です。「フォルム」という言葉も新鮮でした。でも今年の大雪では当地の方はさぞかし大変だったことと思います。
能登さん:茅葺の雪のフォルムは暖かい。なるほど、納得。
郁子さん:茅葺屋根に積もった雪は丸みをおびて見えます。温みのあるフォルムという表現がよい。
亜子さん:「ぬくみのあるフォルム」と読みました。雪おろしなど大変で時には人の命を奪う残酷な雪でもあるが、茅葺きの屋根に積もった雪は丸みを帯びている。写真家の目のような独特の感性だと思った。
続いてはちょっと厳しい春の雪
朝課諷経心ふるえる春の雪 能登
朝課諷経(ちょうかふぎん)とは永平寺など曹洞宗の法堂の朝のおつとめ、荘重な男声斉唱だそうです。
「朝課諷経」という言葉を全く知りませんでした。雪深いお寺の僧侶たちの荘厳なお経が聞こえて来そうです。春の雪。底冷えする寒さの中、心もふるえるのでしょう。
郁子:「朝課諷経」という言葉を初めて知りました。寒さ厳しい早朝、座禅をくんでいるのでしょうか。澄んだ空気を感じます。
亜子さんは「なぜ心がふるえるのかそれを詠んで欲しかった」とおっしゃっていました。
続いては都会の雪景色の句。トップ賞でした!
異国めく住み慣れし街雪の朝 亜子
名古屋に1センチくらい積雪があり自然に心に沸いた一句だそうです。雪で街が覆われると絵はがきのような景色になりまるで異国のように思えたとのこと。
異国めく」が素敵な表現だと思いました。雪の日の朝は住み慣れたところでも全く違う様相の街になりますね。まさに自然のなせるマジックです。
容子さん:雪の積もった街は本当に異国のようです。「異国めく」という言葉が自然に入りました。
能登さん:たしかに雪は街に魔法をかけます。
晴代さん:街に積もる雪は本当に異国めく景色に変えますね。
さて、同じ雪でも住んでいるところで本当に違って感じられます。雪国の方にとっては雪おろしは大変な作業。命にかかわる大仕事です。
牡丹雪足腰痛し日本海 泉
泉さんは投句の際「今年の雪は重いといわれている。特に日本海側は湿気を含んで重い。そこで生活している人達はその雪の処理をしなくてはいけないので腰や膝などを痛めてしまう。」とコメントをくださいました。
「雪が重い」という体感を「牡丹雪足腰痛し雪重し」なんていかがでしょうか? 麗子