ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

父と娘で2kmのジョギングを楽しむ~娘よ(93)~

2020-06-05 22:26:57 | 生き方
30年前、小学校低学年の娘と、平日の朝は走ることにしたのだった。
近くの運動公園まで。
距離にして1km余りだっただろうか。
天気の悪い日や休みの日、冬などはもちろん走らなかったのだが。
娘が高学年になると、2kmくらいを走るようになった。
そのかいがあって、小学校時代のマラソン大会は、6連覇だった。
全国60か所で行われるSBちびっこ健康マラソンでは、当地の大会で5年・6年と連覇した。
6年の3月に東京で行われた全国大会に出場した娘に付き添って、泊まりがけで応援に行ったのも懐かしい思い出だ。

走り始めたころから、30年。
あっという間の30年。
娘は娘の、父は父のまま、関係は変わらない。

小学生時代、走ることでは栄光の日々だった娘だが、7年前に急性の脳炎で倒れてからは、足腰も弱ってしまった。
退院してからも、よくよろけて倒れることがあった。
走ることについては、3年ほど前に一度ジョギングしてみたことがあった。
が、よほどつらかったせいか、その後は走ることはいやだと敬遠していた。
しかし、ここ数年、毎日スクワットをしたりステッパーをしたりすることによって、だいぶふらつくことはなくなった。

「そろそろ少しジョギングしてみるか?」
と聞いてみると、
「だって、私、走るための靴、ないんだもん。走るためのタイツみたいなのもなくて、ぶかぶかのジャージしかないから。」
「じゃあ、買えば、走ってみるか?」
「…そうだね。」
このような会話が交わされた。
先日、一緒に大型スポーツ店に行き、シューズ、ウエア、帽子などを買ってきた。

今日、さっそく私と娘とでわずかながらジョギングに出かけた。
昔走った運動公園の一角へ。
最初は、上下に飛び跳ねるような娘のジョギングだったが、少しずつ格好がよくなってきた。



1kmほど走ったところで、「休憩するか?」と聞くと、「休むとまた走るのがいやになるからこのまま行く」との返答。
帰る途中で気温標示を見に行くと、31℃。
そんななかではあったが、2kmの距離を休むことなく、走り切った。
要した時間は約18分。
1km9分の速さというわけだ。
速く歩くのと変わらないスピードではある。
でも、速さが問題ではない。
本人が結構やる気でやっていた、というのがいいのである。

今回は、走るのがきつい、やりたくないという声は一度も出なかった。
よかったなあ、と思う。
2kmのジョギングをした後でも、非常に清々しい表情をしていた。
夕方には、笑いながら尻の筋肉が筋肉痛だと言ったが、「もうしたくはない」とは言わなかった。
できれば、定期的に一緒に走れるようにしたいと思ったし、娘も口には出さないがそのつもりがあるのが見える。

父と娘で走り始めたのが30年前。
そして、今また一緒に走れる時間が持てた。
そのことがとても貴いと思えた今日であった。

コメント (2)
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