Bさん、お疲れさまでした。
よくがんばったね。
高校野球県大会準決勝。
あなたのチームは、甲子園まであと2勝に迫っていた
だけど、残念ながら、今日の試合であなたのチームは敗れてしまった。
そして、Bさん、あなたの出場もかなわなかった。
控えメンバーとして、出場メンバーを支えることしかできなかったのは、歯がゆかったかもしれないね。
それでも、そこに、あなたのすばらしい成長を見ることができたとも思っているんだよ。
だって、あなたの所属した野球部には、何十人もの部員がいた。
それなのに、あなたはちゃんとベンチ入りを果たした。
出番は回ってこなかったけれど、大事な戦力として認められていたということだ。
3年生として最後の大会だから、きっとチームメートと力を合わせて、自分ができることをしっかりとやってきたのでしょう。
だって、あなたの高校は、各種のスポーツで強豪校。
野球だって、かなりの強さをもっている学校でした。
そのチームで、背番号をもらってベンチ入りまでできたのだから、よくがんばってきたよ。
ただ野球がいくらかうまいだけで、自分のことしか考えられないようなら、多人数の中でベンチ入りまではできないはずだ。
だから、人間的にも大きな成長を見せているのだろうなあ、と思っていたよ。
Bさん、あなたとかかわりがあったのは、11年前からの3年間。
あなたが小学校1年生から3年生までのきわめて子ども子どもした時代でした。
あなたは、気持ちをうまくコントロールできず、自分の感情をほかの人にすぐぶつけてしまうことがよくありましたね。
そして、そんなことをする自分や注意する周囲の大人が嫌いでしたよね。
だから、人とのかかわりではよくトラブルを起こしていたあなたでした。
そんなあなたが好きだったのが、野球というスポーツでした。
小学校に入学してから地域の野球チームに入り、野球はいつも真剣にがんばっていました。
野球は、チームスポーツですから、自分のことだけでなくほかの人のことまで考えられなくては、そのチームは強くなれません。
あなたは、きっと野球に一生懸命に取り組むことで、野球の技術だけでなく人とのかかわり方や人間性も高めていったのでしょうね。
8年前、別れのときが来たとき、あなたから花束を受け取ることを切望した私でした。
あのとき、「ガンバレ」という私の言葉に目をうるませながらうなずいてくれたあなたでした。
そして、この夏、高校野球のチーム紹介の雑誌にあなたの名前を見つけました。
それだけで、この8年間、あなたが自分にできる努力を続けてきたことがわかりました。
今日の試合で、高校野球生活は終わりだと思います。
でも、野球で努力してきたことが、きっとあなたのこれからの人生の力になるはずだと信じています。
これからきっと、さらなる活躍をしてくれることと信じています。