気象・天気に関する興味が、去年のNHKの朝ドラ「おかえりモネ」でだいぶ高まったことがあった。
清原果耶演ずる主人公の永浦百音(通称モネ)が、気象予報士に憧れを抱き、猛勉強を始めたところは印象深い。
気象予報士になる試験が難関で、その合格率が5%だと知りながら、チャレンジする。
診療所の医師菅沼に「あなたは、ここから始めた方がいい」と言われて渡されたのは、中学校の理科の教科書だったっけ。
そんなスタートだったのに、百音はがんばって東京で気象予報士になり、やがては地元に帰って地域のために活躍するのだった。
その百音のように猛勉強はできないが、いくらか気象・天気について知りたいと思っていた。
義兄が遺した中に、「大人のための図鑑 ビジュアル版 気象・天気の新事実」(木村龍治監修;新星出版社)という1冊があった。
今回、これを読んで少しは知識を増やそうと試みた。
初版は2014年だったから、その後もっと「新事実」が生まれているのかもしれないと思いつつ。
プロローグでは、「プロローグ1 美しく神秘的な気象現象」と「プロローグ2 宇宙から見た気象」の2つの項目を準備している。
見開き2ページに大きな写真を載せて、興味深い気象現象を紹介してくれている。
オーロラや稲妻、光柱や環水平アークほか不思議なものや美しい現象が次々に出てくるのは、楽しかった。
夜光雲、積乱雲、ハリケーンなどが宇宙から見るとどう見えるのかという紹介についても、同様。
さすがにビジュアル版というだけあった。
そして、本章に進む。
第1章 気象と地球の大気
第2章 気象変化の基本としくみ
第3章 天気図と天気予報
第4章 日本の天気
第5章 世界の気象
第6章 異常気象と地球環境
写真や図を豊富に使って、気象に関するあれこれを丁寧に解説してくれている。
大気と上昇気流の関係、低気圧や高気圧のでき方などについて書いてあるが、昔理科で学習したコリオリの力や貿易風・偏西風などが絡んでくると、昔の理科は苦手という意識が目覚めてきて、簡単に理解しようとしない自分の頭に、あきれてしまった。
それでも、きっと何回か繰り返し読めば、もっとよく分かるようになるのだろう…、たぶん…。
気になるのは、最終章にもふれている集中豪雨や豪雪などの異常気象の発生理由だ。
なぜ起こるのか、その仕組みについても解説が加わっている。
エルニーニョ現象とラニーニャ現象の相違についても、とりあえず理解した。
だが、冬には冬の、夏には夏の、異常気象の発生はない方がいいと、強く思う。
エピローグは、「太陽系惑星の気象」であった。
地球以外の惑星に気象はあるのか、と思ったが、灼熱の金星、砂嵐の火星のほか、木星や土星、海王星まで紹介している。
特に、遠い海王星でも季節があるというのは興味深かった。
ただ、全編読んで、どの辺りが「新事実」なのか、よくわからなかったけれども…。
たまには、日頃読まないジャンルの読書もいい。
ただ、専門的になると頭がついていかない。
本書は写真や図が多いから、まだ少しはついていこうとするから、その点ではよかったけどね。
作り話とはいえ、気象予報士になったモネ(百音)に言いたい。
「モネ、あなたはこんなに難しい分野を対象にして、気象予報士合格だなんてよくがんばったね、すごいよ。」