大和三名園の一つといわれている。
後二つは、吉野の竹林院、郡山の慈光院の庭園である。
「池泉回遊式兼鑑賞式庭園」というらしい。
心字池に東塔の影を浮かべ、苔むした燈籠や、池を囲む大小の石組みが、心を鎮める空間を作り出している。
飛び石伝いに回遊すると、書院や茶室の建物も庭から鑑賞できる。
特に、茶室「丸窓」席の大きな丸窓は印象的だった。
客殿の絵天井には150枚の絵が、描かれているとの事だったが、写経をする人がいて、縁側の窓が閉められているため見ることが出来なかったのは、心残りである。
燈籠についての知識はないけれど、その場所にその燈籠がなければならないという存在感が素人目にも理解できる。
いくつもの時代を超えて庭石と共に、庭園の主のような美しい姿の燈籠は見飽きない。
そんな燈籠ばかりをカメラに収めてきた。
牡丹の花の季節には、人でいっぱいになる庭園も、今は訪れる人もなく、私一人の楽しめる場であった。