遠目には田植えの後の株が少し張った時のような田の状態に見える。
しかし初夏の色は、これから育っていく勢いの色彩であり、晩秋から初冬に掛けての田の色は、枯れ草色になる前の最後のかすれた緑といえそうである。
この田のことを穭田(ひつじた) と言って俳句の季語であることを知ったのはつい最近のことである。
『ひつじ ひつぢ
〔室町時代のころまでは「ひつち」〕刈り取ったあとの株からのび出す稲。ひこばえ。[季]秋。』
こんなに草丈が小さくても、ちゃんと籾がついている。
この田圃が褐色に変わってしまう日も間近であろう。