孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

アフガニスタン  タリバン、米大使館・ISAF本部を攻撃  深刻な軍・警察、地域警備団の問題

2011-09-14 21:47:33 | アフガン・パキスタン

(カブール中枢を襲ったタリバンへ応戦するアフガニスタン警察 いささか及び腰のようにも見えますが、実弾の飛び交う現場ですから、ハリウッド映画のようにはいきません。 “flickr”より By DTN News http://www.flickr.com/photos/dtnnews/6144643747/in/photostream

首都カブールの権力中枢への攻撃
アフガニスタンの駐留米軍が7月に撤収を開始しましたが、首都カブールでは、警備が厳重であるはずの施設へのタリバンによる襲撃が相次いでいます。
6月28日には、外国人や政府要人が利用するインターコンチネンタルホテルに少なくとも6人の武装グループが侵入、アフガニスタン治安部隊・NATO主導のISAFと交戦、外国人2人を含む11人が死亡、12人が負傷しました。
8月19日にはイギリスの文化施設「ブリティッシュ・カウンシル」を武装グループが襲撃、アフガニスタン警察や駐留外国軍部隊と銃撃戦となり住民3人が巻き添えになって死亡、9人が負傷しています。

そうしたなか、13日には首都カブールの中心部にあるISAF本部やアメリカ大使館が攻撃を受け、改めて米軍撤退後の治安維持を担うアフガニスタン治安部隊の能力不足に対する懸念が国内外で強まりそうな様相です。

****カブールでタリバンが連続攻撃、7人死亡****
アフガニスタンの首都カブールで13日、同国の旧支配勢力タリバンが米大使館や北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)本部などを攻撃し、少なくとも7人が死亡した。

現地のAFP記者は、同日午後1時半(日本時間同午後6時)ごろ、相次ぐ大きな爆発音を聞いた。10時間に大規模な爆発が少なくとも10回あった。攻撃が開始された建設中の高層ビルにはタリバン兵1人か2人が依然として潜伏するなど、事態は夜になっても収拾できていない。

タリバンの報道官はAFPへのテキストメッセージで、ISAF本部と米大使館、アフガニスタンの情報機関、アフガニスタン国家保安局(NDS)などを標的にしたと述べた。

カブールでは同日、警察と空港を狙った3件の自爆攻撃も発生した。内務省によると、一連の攻撃で警官3人と民間人4人が死亡、警官9人と民間人10人が負傷した。攻撃に参加したタリバン兵は少なくとも8人と見られるという。【9月14日 AFP】
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米大使館の報道官は同日、ロケット弾などで攻撃を受け、大使館敷地内にいたアフガニスタン人4人が負傷したと明らかにしています。
こうした攻撃は、タリバン側の勢力誇示の一環ですが、さすがに首都のアメリカ大使館やISAF本部が攻撃を受けるとなると、今後の治安維持への不安が強まります。

【「問題を解決するよりも、生む存在になるかもしれない」】
治安維持の中核となるべきアフガニスタン軍、警察の能力は以前から疑問視されていますが、軍と警察の能力が向上するまで、村落部の治安維持を担う集団として創設された「地域警備団」に関しても、芳しくない報道があります。

****アフガン地域警備団 暴行や殺人横行****
住民脅威 人権団体、政府に解体・訓練要請
軍や警察の手が届かないアフガニスタンの地方で治安維持を担うアフガン・ローカル・ポリス(地域警備団)や、アフガン政府が支援する民兵組織が、住民の殺人や暴行などに手を染めていることが国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の報告書で明らかになった。

12日に発表された報告書でHRWは、地域警備団が北部バグラン州で13歳の少年を集団レイプするなど、住民を脅かす存在になっていると指摘した。地域警備団の創設を主導した米国やアフガン政府に、不適切な行為を働いている民兵組織の解体や地域警備団の訓練、身辺調査の厳格化を要請している。
特に地域警備団について、「早急に是正しなければ、問題を解決するよりも、生む存在になるかもしれない」と警鐘を鳴らした。

地域警備団は、アフガン軍と警察の能力が向上するまで、村落部の治安維持を担う集団として昨年夏に創設された。2014年の米軍戦闘部隊の撤退後、治安の鍵を握る存在になるとされる。逮捕権のある警察組織ではなく、メンバーは村レベルで選ばれる。主に米国が給与や訓練、武器の提供を行い、今年8月現在で約7千人。3週間の訓練後、治安維持に当たる。【9月14日 産経】
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軍・警察でも、その多くが殆んど教育を受けておらず、字も読めないという状況ですから、地域警備団や民兵組織となれば、推して知るべしというところでしょう。なかなか前途多難が予想されます。

【「バチャ・バジ」(少年遊び)】
本題とは全く関係ありませんが、上記記事で気になったのは、集団レイプの対象が女性ではなく、13歳の少年という点です。

日本でも戦国時代の武将の周囲とか寺院など、女性の存在が制限される環境で少年を対象とした性愛が見られたように、どこの世界にも少年愛は存在するようです。
イスラム社会におけるそうした風習については、ウィキペディア「イスラーム世界の少年愛」に詳しく記述されていますので、興味のある方はどうぞ。私は全く理解できませんが。

アフガニスタンに関しては、北部を中心に、土地の有力者が囲う10代の少年がきらびやかな衣装に身を包み男達の前で踊りを披露する「バチャ・バジ」(少年遊び)という風習があるようで、以前、イギリス制作のTV番組「悲しきダンシング・ボーイ」でも紹介されていました。

****アフガニスタンの踊り子少年、一部が男性客の「愛人」に****
アフガニスタン北部には、少女のような容姿で男性客のために踊る10代の少年がいる。少年による踊りは昔からの慣習だが、踊り子少年たちの一部は、部族軍の元・長など裕福で権力のある男性客により、売春行為を強要されている。
これらの少年は少女の格好をさせられた上、多くのプレゼントを与えられ、「愛人」として扱われている。

イスラム教の聖職者は、こうした行為はイスラム法で禁止されている「男色」だとして、関与した者に石投げの罰を科すよう主張。当地の警察も取り締まりを行っている。
ムジャヒディン(イスラム戦士)の元メンバーで、同国北部の町Pul-e-Khumriに住むビジネスマン(38)は、3年前に職を探していた15歳の少年を選んで、住む場所を与えたと語る。少年の写真を見せながら「少年を抱きしめることを非常に楽しんでいる。少年の香りは最高」と述べた。
男性はまた「私には妻がいないし、少年が妻のようなもの。少年には女性服を着せ、私の横に寝かせている。私は彼を楽しんでいるし、彼は私のすべて」としている。【07年11月19日 JST】
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“13歳の少年を集団レイプ”ということで、そんな風習も影響しているのだろうか・・・と思った次第です。

コメント
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