孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

世界の食糧難を救う「昆虫食」と「3Dプリンター」 銃も3Dプリンターで自宅製造

2013-05-23 22:49:13 | 世相

(3Dプリンターで作った食べ物 いかにも“宇宙食”といった無機質な感じですが、もっと食欲のわくような形状も可能なのではないでしょうか。 【5月23日 Gingazine  http://gigazine.net/news/20130523-3d-printed-food/】)

世界の飢餓撲滅のために、家庭でもレストランでも昆虫を積極的に食べよう!】
昆虫食の話。
タイなどではよく食べるようで、市場や屋台でよく見かけるとか。私は旅行中はそういうものは見ないようにしているので、よく知りませんが。(確認のためにネット検索していて、ちょっと胃がムカムカしてきました)
もちろん昆虫食は世界各地で行われていますし、日本でも内陸部では貴重なタンパク源となっています。

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いなごの佃煮(いなごのつくだに)とは、バッタの仲間であるイナゴを利用した佃煮。
山形県の内陸部、群馬県、長野県、福島県など、海産物が少ない山間部を中心に多く食用とされる。
他にも蜂の子やざざむし、ゲンゴロウなどを佃煮として食べる地方がある(長野県伊那谷地方など)。また、イナゴを炒めた「なご炒り」という料理もある(長野県大町地方など)。【ウィキペディア】
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将来的な人口増加・食糧難が予測されている中で、国連が「世界の飢餓撲滅のために、家庭でもレストランでも昆虫を積極的に食べよう!」と呼びかけているそうです。

****国連のおすすめは栄養満点の昆虫食****
世界の飢餓撲滅のために、家庭でもレストランでも昆虫を積極的に食べよう! 国連がそう呼び掛けている。

国連食糧農業機関(FAO)が先週発表した報告書によれば、世界人目の約3分の1に当たる20億人以上が日常的に昆虫を食べている。栄養価が高くて、おいしいからだ。
しかし多くの欧米諸国では、「人々の嫌悪感」が昆虫食の普及を妨げている。

FAO林業局のエバーミューラー林業経済政策・林産品部長は報告書の発表会見で、「昆虫は豊富に存在し、貴重なタンパク源でありミネラル源」と述べた。昆虫レシピを開発したりレストランのメニューに取り入れるなどして、食品業界を挙げて「昆虫の地位向上」に取り組んでほしいと訴える。
「ヨーロッパの大都市のレストランでは、カブトムシやバッタなどを使った料理が出され始めている」

国連の報告書によれば「昆虫はどこにでもいて、繁殖スピードが速い」ので「環境への負荷が少ない」。良質な脂質を含み、カルシウムや銅、鉄分、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、亜鉛の豊富なものが多く、食物繊維まで取れる栄養食だ。
昆虫が、牛や豚に代わって食卓に上る日も近いかも?【5月28日号 Newsweek日本版】
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世界で食べられている昆虫料理は、検索すればいくらでも画像が出てきますので、興味のある方はどうぞ。
ただ、個人的にはアウトです。

未来の食べ物として既存の食事に置き換わる可能性
「話はわかるけど、昆虫は・・・・」という方に、おすすめは3Dプリンターの話題。

****3Dプリンター食品」が食糧難を救う*****
NASAが3D食品プリンターに開発費を供与、世界と宇宙の食料事情が変わる?

未来の食品?
クリック一回で食べ物を「プリントアウト」できる日が来る?
SF映画のような話だが、そんな話が近く現実になる可能性がある。NASA(米航空宇宙局)が世界初の3Dフードプリンターの研究に資金を投入すると発表したからだ。

機械工学エンジニアのアンジャン・コントラクターが発案したこの新しい技術を使えば、数年間の宇宙ミッションに出る宇宙飛行士の「調理」に使えるだけでなく、アレルギー向けなどの特別食を「プログラム」することも可能になるという触れ込みだ。

さらに重要なのは、世界の食糧難を解決する可能性もあるということ。
「現在の食糧供給体制では、将来120億人に増える人口を十分に食べさせることはできないと、多くの経済学者は考えている」と、コントラクターは言う。「最終的には、何を食べ物とみなすかという考え方を変えるしかないだろう」

第一弾は「ピザ」プリンター
コントラクターが勤めるシステムズ・マテリアルズ・リサーチ・コーポレーション(SMRC)社は、この計画を進めるためにNASAから6カ月分の開発費12万5000ドルを提供されることになった。

この3Dプリンターは、たんぱく質や炭水化物、砂糖などの原料を使い、既存の3Dプリンターと同じような手法で、層を何枚も噴射して重ねていくことで栄養のある食べ物を作り出す。
最初の試作品は、3D「ピザ」プリンターになる予定。コントラクターによれば、今後数週間で組み立てを開始したいとしている。【5月23日 Newsweek】
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こちらは昆虫食と違って抵抗はさほどありませんが、正直なところ「プリンターで食べ物をつくる?なんのこっちゃ?」と、話についていけません。

そもそも「3Dプリンター」とは、“コンピュータ上で作った3Dデータを設計図として、断面形状を積層していくことで立体物を作成する。液状の樹脂に紫外線などを照射し少しずつ硬化させていく、熱で融解した樹脂を少しずつ積み重ねていく、粉末の樹脂に接着剤を吹きつけていく、などの方法がある。”【ウィキペディア】というもので、“製造分野では製品や部品などの「デザイン検討」「機能検証」などの試作やモックアップとして、建築分野ではコンペやプレゼン用の「建築模型」として、医療分野ではコンピュータ断層撮影や核磁気共鳴画像法などのデータを元にした「術前検討用モデル」として”【同上】として使用されているそうです。

その「3Dプリンター」を使用した食品製造に関しては、「3Dプリンターで食べ物を印刷へ、既存の食事を置き換える可能性もあり」【5月23日 Gingazine  http://gigazine.net/news/20130523-3d-printed-food/】に、もう少し詳しく紹介されています。

【5月23日 Newsweek】にもあるように、“たんぱく質や炭水化物、砂糖などの原料を使い、既存の3Dプリンターと同じような手法で、層を何枚も噴射して重ねていくことで栄養のある食べ物を作り出す”訳ですが、“30年は保存のきくパウダー状の材料から作られるため、食べ物のムダをなくすことが可能。パウダーには砂糖や炭水化物・プロテインといった成分から構成され、それを水や油と混ぜて3Dプリンターで出力する仕様で、未来の食べ物として既存の食事に置き換わる可能性を秘めています。”【5月23日 Gingazine】とのことです。

年配の男性なら炭水化物は少なめ、スポーツマンは反対に炭水化物が大めでカルシウムが少なめ、 妊娠中の女性はオメガ3脂肪酸を十分にとって……ということがパウダーの配合で簡単に調整できるようになるそうです。
火星探査など、長期にわたって宇宙を旅する際の食事手段としても利用される予定です。

“(開発者の)Contractorさんは「もしジェットエンジンや美術品を作成する機械と同じものから作られた食べ物に抵抗があるならば、それはあなた食べ物に困っていないからです」と語ります。多くの経済学者が言うように、現在の食料システムは120億人という人口を支えるには不十分であり、私たちが食物と見なすものの認識を変える必要があるとのこと。”【5月23日 Gingazine】

私はさほど抵抗はありませんが(美味しそうとは思いませんが)、グルメの方などは「昆虫食の方が、自然でおいしい」と思うかも。そこは個人の自由です。
まあ、昆虫由来のパウダーを3Dプリンターで調理・・・という方法もあります。

ピザが具体化の候補になっているのは、“ピザは個々のレイヤーに分けてプリントできるため、作りやすいのが理由で、生地はプリントと同時に熱したプレートで焼かれ、その後、トマトのベースの作成に入ります。そして最後にピザのトップに牛乳や動植物から作られた液体を使ったプロテインレイヤーを乗せたら完成。”【同上】とのことです。
ピザなら、本物に近い食感のものができそうな感じもします。

なお、将来的には“ソフトウェアを使ってレシピを入力し、水や油に溶かしたパウダーをセットすれば、好きな料理を作ることも可能になります”とのことです。

家にいながら銃を「プリントアウト」】
「3Dプリンター」に関しては、銃の製造方法がネット上に掲載され、誰でもダウンロードできる状態になったことが議論を呼んでいます。

*****3Dプリンターは銃社会をどう変えるか*****
世界初の「プリントアウト銃」がもたらすのは銃拡散の悲劇、ではなくそれを使う者の悲劇だろう

先週、アメリカの大学生コディー・ウィルソンが、世界で初めてとされる「3Dプリンターで作った銃の使用」に成功した。

ウィルソンが「リベレーター(解放者)」と名付けたこのプラスチック銃は、銃規制に風穴を開けかねない技術として、銃支持派と反対派の双方に論争を巻き起こしている。
ウィルソンが立ち上げたNPO法人ディフェンス・ディストリビューテッドのウェブサイトでは、この銃の製造方法が掲載されていて誰でもダウンロードできる。つまり、家にいながら銃を「プリントアウト」することができるのだ。

警察官など治安を守る側にとってやっかいなのは、プラスチック銃は金属探知機に反応しないこと。セキュリティーが厳しい建物への持ち込みも考えられる。
ただ実際は、銃全体が3Dプリンターで作られているわけではない、とウィルソンは言う。アメリカの連邦法は、金属探知機に反応しない銃器を禁止しているため、ウィルソンはあえて何の機能も果たさない金属を銃に取り付けている。もちろん自宅の3Dプリンターで銃を作る時には省くこともできるが、その銃はあくまで違法だ。

また近年は空港のセキュリティーチェックでも金属探知機よりもX線スキャナーを使うことが多く、純プラスチック製だったとしても金属製の銃と同じように形でバレてしまうだろう。

それに、3Dプリンターでは製造できない部品がもう1つある。火薬を起爆させるために必要な部品である撃針だ。「いろいろな種類のプラスチックで試したけどね」とウィルソンは言う。「どれも柔らかすぎて雷管に当たった衝撃で変形してしまう」

銃を自宅で作る選択肢
だがウィルソンにとってそんなことは問題ではない。彼の目的は、金属探知機に反応しない銃を作る事ではない。「この銃はたまたまプラスチック製だったというだけ」とウィルソンは言う。「(自宅の3Dプリンターで)金属製の銃を作ることができたら、同じように興奮するね」

だが、このリベレーターを使って犯罪を犯すのは考えものだ。うまく発射しないのだ。IT系のブログサイト、テッククランチのジョン・ビグスはこう説明する。「この銃はピストルというより単純な手製の銃だ」。自分の面前で暴発することなく何度も撃てるピストルに比べれば、粗雑で信頼もおけない単発銃だと言う。

それでもウィルソンが使った3Dプリンターはeベイで10000万ドルもする。もっと安いメーカーボット社のもあるが、暴発リスクをお忘れなく。

ウィルソンは、銃を自宅で作る選択肢をもたらした。彼はウェブサイトを通じて3Dプリンター製の銃を広めようとしている。
幸い、「自家製の銃」が現実的な武装オプションになる日はまだ遠い。その前に、この銃を使って犯罪を犯そうとする人は、おそらく彼自身が最初の犠牲者になっしまうだろう。【5月8日 Newsweek】
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暴発リスク云々については、改良を重ねればおそらくすぐに克服されるのではないでしょうか。
また、銃の心臓部にあたる「ロアレシーバー」と呼ばれる部分(アメリカでも売買が規制されており、一般に販売するのであれば銃器製造業の免許が必要)のみを「3Dプリンター」で作成した銃では、600発以上の連射も可能とか。【3月8日 Gingazine】

すでに、この銃コピー方法は世界中に広まっているようです。
“団体がデータを公開した直後、米政府は武器管理規則に違反する恐れがあるとして公開の中止を命令。団体は応じたが、その間に、団体のウェブサイトにはスペイン、ドイツ、英国、ブラジルなど世界中からアクセスがあり、設計データは10万回以上ダウンロードされたとみられる。スウェーデンのサイトが設計データを転載するなど、インターネット空間に広く出回る事態となっている。”【5月18日 読売】

なお、上記読売記事によれば、プリンターの価格については、“数十万円相当で購入できる3Dプリンターにデータを入力すれば、製造できることになる”とのことです。

本物の銃が安価で手に入るという現実世界で、テロ・犯罪目的の特殊なプラスチック銃以外に、あえて「3Dプリンター」で銃をつくる意味がどこにあるのか・・・という話はありますが、そうした情報を嬉々として公開し悪びれる様子もない無邪気さに怖いものを感じます。

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