テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 勇者の足跡 ―

2009-08-12 22:04:29 | ブックス
「つどえッ、ゆうしゃたちィ!」

 ……えーと、ぜーんぜん勇者ではないネーさです、こんにちは。

「こんにちわゥ! ゆうしゃテディちゃであ~るゥ!」

 ニセモノ勇者のたわ言には耳を貸さずに、
 さあ、皆さま、本日ご紹介いたしますのは
 本物の勇者さんの旅路の記録です。こちらを、どうぞ~!


 
            ―― メモリークエスト ――


 
 著者は高野秀行さん、’09年4月に発行されました。
 ’07年の『怪獣記』では謎の怪獣ジャナワールを探しに
 トルコ東部を駆けめぐった高野さん、
 またも新たな捜索の旅に出発です!

「むむッ!
 こんどはァ、どちらへッ?
 なんきょくゥでスかッ? ほッきょくゥでスかッ??」

 いえ、今回の高野さんの目的地は、
 実在の場所であって、
 しかし、実在しない場所でもあるのです。

 それは《記憶》の中の或る地点。
 しかも、その《記憶》の持ち主は、
 まったくの他人さん。

「おおッ!
 まほうのォ、でばんッでスゥ!」

 高野さん、魔法使いではありません。
 使うのは、頭脳と足。
 自力で《記憶》の中の現地を目指します。

 そもそもは、Webマガジンに載せた公募が出発点でした。
 探して欲しい《記憶》、求む!
 
「えッ? えェとォ、それはどういうゥ……?」

 例えば。
 何年も前のことだけれど、
 旅先で知り合ったどうにも忘れ難いひとがいる……
 あのひとは今頃どうしているんだろう?
 何処にいるのだろう?
 元気にしているのかなあ……

 何が何でも知りたい!というのではないけれど、
 出来れば、知りたい……!

 かくして高野さんはタイへひとっ飛び。
 依頼者さんの記憶と、ほんの少しのデータをもとに、
 困難な捜索行――メモリークエストに取りかかります。

「ゆくてにィ、まつのはァ、あらしッ!」

 タイ→タイの国境地帯→高級リゾート地セーシェル→
 南アフリカ共和国→旧ユーゴスラヴィア。
 常人には考えられないルートを単身辿り、
 《記憶》に生きる『あのひと』を探す高野さん。
 運命の女神さまは、
 高野さんに微笑んで下さるのでしょうか?
 それとも……?
 
 私たちを夢中にさせた『怪獣記』をもしのぐ
 オキテ破り?のメモリアルなメモリークエスト、
 活字マニア諸氏はぜひとも御同行を!

「ゆうしゃたちよッ、つどうのじゃッ!」

 勇者・高野さんの《メモクエ2》、待たれます♪
コメント
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