テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

御本の中の『堀内さん』。

2009-08-30 22:25:48 | ブックス
 選挙、台風による風雨、イモトさんのマラソンと忙しい週末でしたね。
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわゥ、テディちゃもォ、まらそんッ!」

 ええっ??!!

「をォ、いつかはァ、してみたいィなァ~ッとォ~」

 ……えーと、おほん、敢えてノーコメントということにして、
 本日ご紹介いたしますのは、はい、こちらです~!


 
        ―― 堀内誠一 旅と絵本とデザインと ――



 編者はコロナ・ブックス編集部の皆さん、’09年6月に発行されました。
 前回の記事でお伝えしました世田谷文学館で開催中の同名企画展
 『堀内誠一 旅と絵本とデザインと』展の図録でもある御本です。

「ひょうしのォ、おかたがァ、ほりうちさんッ!」

 ええ、そうですね。
 帽子を被ったモノクロ写真……
 堀内さん、たいそうな帽子愛好家であったようです。
 冬用の生地で作られた帽子を、
 夏を除き、春も秋も手放すことはなかった、とか。

 この御本には、
 雑誌やウィンドウ・ディスプレイ、絵本といった
 デザイナー・堀内誠一氏としての作品の他に、
 堀内さんの生い立ち、
 日常の写真なども掲載されています。
 
 驚かされるのは、
 なんと!
 14歳で新宿伊勢丹百貨店の宣伝課に入社、ですって?
 ええ~っ? 14歳!

「わォ!
 ちゅうがくせいィでスよゥッ??」

 ちょうど戦後の学校制切り替えの混乱で手違いがあり、
 若くして社会人になった堀内さん……
 しかし、伊勢丹の資料倉庫は
 堀内さんにとって学校以上の学び舎となったようです。
 戦前の『ヴォーグ』など洋雑誌、美術書、たくさんの図案集が
 誰かに見てもらうのを待っていたのでした。
 そう、誰かとは、もちろん堀内さん!
 
「しゅッぱつてんッ、でスねッ!」

 広告デザインから、
 出版デザインの領域へ。
 堀内さんの《美》が変遷してゆくさまが
 各章で解説されています。
 
 でも、絵本がいちばん!

「いちばんッ?」

 こどものための本作りを、
 堀内さんはいちばん愛していたのではないでしょうか。
 この御本で紹介されている堀内さんの『絵本の仕事』は
 ほんの一部で、
 現在は入手困難になってしまっている作品も
 数多くあるのです。
 
 ネーさがおすすめしたい今も入手可能な堀内さんの作品は、
 堀内さんが挿絵を担当された
 『銀のほのおの国』!
 神沢利子さんによる児童文学の名作を、
 まだ読んでいない御方はぜひ!
 文庫版も出ていますが、
 全体の装丁が優れているのはやはり単行本です!

「ほんやさんでェ、としょかんでェ、
 さがしてくださァいィ~♪」

 この『堀内誠一 旅と絵本とデザインと』は
 展覧会の図録ではありますが、
 書店さんに並ぶ一般の書籍でもあります。
 お家が東京近郊ではないので
 展覧会には行きたくても行けないわ……という御方は
 この御本で堀内さんの創造力、
 陽光と色彩のパワーに触れてみてください!
 近代&現代のデザイン史に興味がある御方は、
 必読!の一冊です。

「かわいいィがァ、い~ッぱいィ、つまッてまスよゥ♪」 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする