テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

笑とツイストの?日本文学史・新論!

2009-08-25 20:33:06 | ブックス
 朝方、とても涼しい風が吹いた東京・多摩地方から、
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!
 みなさまッ、かぜにィ、ちゅういィでスよッ!」

 風邪の危険は増しましたが、
 頭脳が明晰になる季節を祝して、
 はい、本日ご紹介いたしますのは、こちらです~!


 
           ―― 見もフタもない日本文学史 ――


 
 著者は清水義範さん、’09年7月に発行されました。
 新書らしい、ちょっと素っ気ない表紙……
 それに、文学史、とくれば……

「むむゥ~?
 むずかしィそゥでスゥ~……」

 と思いがち、ですね。
 でも! それは誤解です!
 ユーモアもパスティーシュも時代物の領域も
 変幻自在に飛翔する著者・清水さんの眼力で
 日本の名作文学を検索&検証すると、
 なんだかメッチャ楽しい御本が出来ちゃいました♪
 例えば……

 日本の文学史に、
 いえ、世界の文学史に屹立する名作――
 『源氏物語』。

 そう、『源氏』はすごい!
 『源氏』は素晴らしい!
 ……でも、どこがどう、すごいのでしょう?
 何ゆえに、世界から高く評価されているのか?

「ふむふむッ?
 そのこたえはァ?」

 その答えを、清水さんは実にわかりやすく解析し、
 解説してくださいます。
 専門用語を使わず、ごく平明な言葉を用いて。
 
 読み手の私たちは、うむ!と膝を打ちます。
 なーるほど、言い得て妙とは、このことね!
 おかげで、あらためて見直し、
 読み直したい気持ちが湧いてくるのです。
 あの壮大な『源氏』全巻を――

「おおしごとォにィ、なりそゥでスゥ!」

 『源氏物語』の他に、
 見もフタもなく解剖されちゃう名作文学は、
 『枕草子』や『方丈記』、
 『平家物語』に『太平記』、
 西鶴さん、近松さん、
 夏目漱石さんに、
 川端さん……

 とりわけ目を瞠らされるのは
 《紀行文学は悪口文学》の章です。
 『土佐日記』も『奥の細道』も、
 その基幹は『悪口』にあり?
 上から目線の描写が紀行文の隠し味?!?
 さらには、
 あの『坊っちゃん』も紀行文学であるとすっぱ抜きます!
 
「だいたんふてきィ!」

 ところが、よく考えてみると
 清水さんの新説、すとーんと腑に落ちます!
 坊ちゃんの生い立ち、環境、未来……
 そうでしたか、坊っちゃん!
 貴方は旅人さんだったのですね!

「かれはァ、にほんのォ、すなふきんッ!」

 平安の奇跡的名作文学から
 現代のSFまで、
 清水さん独特の切り崩し方法は
 ユーモアと愛情に溢れています。
 この視点、
 ものの観方に触れることもまた、
 《旅》であるのかもしれません。

 古典をこよなく愛する方々に、
 どんなジャンルも来い!の活字マニアさんに、
 おすすめの一冊です。
 ぜひ~!

「すなふきんのォようにィ、
 ぶんがくをォ、たびィしましょゥ!」
コメント
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